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人生はマーケティングだ!

最近、地震や水害が多いですよね。
災害があったときに、火災保険などの請求をしますよね。
私は今、その際の「適正な支払い額」を査定する仕事に、関わっています。

申請に出される見積書と被害状況、契約内容をみて査定をします。
そこで出会った人たちを見て、感じたことを書いてみたいと思います。


6枚の名刺


隣に、67歳のおじさんが座っています。
普段は建築現場の「監督」をしていて、今回の仕事は「副業」とのこと。
本業のほうは、監督が居なくても回るようにシステム化されていて、
やることがないそうです。

おじさんの名刺には、難易度の高い資格が並んでいます。

一級建築士
住宅診断士
宅地建物取引士
マンション管理士
一級建築施工管理技士

他にも施工系の資格がずらっと、計10個ほども並んでいます。

建築の現場監督をずっとやってきたとのことで、
「施工のプロ」なんですね。

おじさんは、名刺を6枚ほども持っています。
行政の、マンションの大規模修繕や建替え相談を受ける「協会」や、
ホームインスペクターと言われる「建物調査の会社」にも登録しているとのこと。
今の「損害保険の査定」もその一つです。

60代の「次のステージ」


他に同じ仕事をしている人が4人いますが、
いずれも一級建築士で、おそらく60代くらいです。
詳しくは聞いていませんが、設計事務所を自営しながら、
もしくは会社を引退した後に来ていると思われます。

建築の知識や経験があるから出来る仕事ですが、
建築業界とは違う「常識」や「システム」を習得しながら、
「あーでもないこーでもない」とやっています。

驚いたのは、うち3人が地方から「長期出張」で来ている、ということ。
何カ月も「ホテル暮らし」をしているそうです。

都会から地方への「ワーケーション」の逆
地方から東京のホテル住まいへ。

長期のホテル住まいは、身体はもちろん、メンタルも大変そうですが、、
家や生活に固執せず、新たな仕事や環境に適応する。

60代で「次のステージ」にトライする。
「ライフシフト」している人は、たくさんいるんですね。


建築「設計」の仕事って


建築士を目指す人は、「設計」が好きでこの道を選んだ人が多いです。
設計の仕事はとても奥が深く、面白い。

高度なスキルを求められ、責任も重いです。
その割に薄給&長時間労働の、割に合わない仕事です。

なぜ割に合わないか。

簡単に言ってしまうと、
「設計」=「考える仕事」への対価を払う習慣が一般的でないこと。
そして、住宅メーカーにしろ建設会社にしろたくさんあり、
「買い手市場」なんですね。

設計をやりたい人はたくさんいる
一方で、ニーズは少ない

人口が減れば建築のニーズも減りますから、
これからさらに厳しくなると思われます。

一方で「施工」に関しては人手不足が慢性的に続いています。
また今回の「損害保険」のように、
一級建築士だからできる仕事もあります。

「設計」は人余りでも、周辺にニーズのあるものはあるんですね。


自分の「好き」だけ見ていても回りは見えない


「好きなことを仕事にする」
昔も今も、よく言いますよね。

私もよく言われました。
「好きな仕事をしていて良いですね。」

正確には、一番好きな「設計」の仕事は、
とっくの昔にギブアップしています。

建築という、大きな意味では「好きな仕事をしている」。
しかし、損害保険の見積書をエクセルで作るなんて、本当は大嫌いですよ。

「好きな仕事」「好きなスタンス」でできるようになるには、
それまでに相当な「好きでもないこと」をやらなければいけません。

自分の「好き」へのこだわりが、どれほどのものか?
考えてみる必要があるかもしれません。

そして、大した「好き」でもないのに固執していないか
その「好き」で回りが見えなくなっていないか

もし私が、「設計」にこだわり続けていたら、
行き詰まって「建築」自体を辞めてしまっていたかもしれません。


会社に依らない


おじさんの本業は、やることがなくて退屈なんだそうです。

しかし、おじさんはこう言います。

これで70過ぎまで働けるなら、こんな楽なことはない。
「期待されないところで、頑張ろうとしないこと」と。
会社にいた頃の私に言いたい(笑)

最大限今の環境を活用して、
今日もおじさんは、活動的に過ごしています。


人生はマーケティング


おじさんは、今までのキャリアのなかで、
マンションの老朽化や建て替え問題が起こると思えば「マンション管理士」を取り、
「品確法」が出来ればホームインスペクター(住宅診断士)を取ってきたんですね。

「現場監督だけ」やるのなら、必要のない資格です。

人生100年時代
「60年くらい」働かないといけない時代です。
時代は変わりますよね。

自分の一本の軸(おじさんで言うなら「施工」)の
「周辺情報」リサーチする。

時代の制度や市場をみて、
「動ける」ものから「展開」していく。

徹底したマーケターですね!
おじさん、感服です!

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