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「家」を変えるってそんなに大変なことなの?

人が超長寿命になり、先に「家の寿命」が来てしまうケースがあります。
今日は「早めの住み替え」について書いてみたいと思います。

「家と暮らし」相談アドバイザーの時、
80代で「もう住めない」状態になり
泣く泣く家を後にするお客さんがいました。

家の寿命については、以前こちらで書きました。

人も歳を取ると、「根が生える」と言います。
80代で新しい環境に慣れるのは大変です。
もっと前に、
子供が巣立ち部屋が空いたタイミングで、
家の寿命これから「どう暮らしたいか」考える。

人生の折り返しを楽しむために
これからに「合う」家への住み替えをお勧めします。


自分の家は良い家


高齢になってからの住み替えは大変ですが、
「早めに動く」のもまた、難しいようでした。

ある日相談に来た、50代の女性。
かつては夫婦、子供3人、親も同居の7人家族でした。
親を順番に看取り、夫も思いのほか早く先立ち、子供たちは独立。
7人住んでいた戸建てに、今は女性が一人で暮らしていました。
家は駅から離れたバス便で、かなり坂を上がったところにありました。
駅近マンションへの住み替えを勧めましたが、実現しませんでした。

なぜ住み替えしないのか?

たとえば築30年の戸建ては、売却しようとすると
建物価値はほぼゼロ円です。
土地の値段だけで買い替えできる物件は
「こんなの?」になってしまうんですね。

また、買い換えようとするときの物件も、
今の持て余すほどの広さに慣れていると、
「子供が遊びに来ても泊まれるように」
「荷物があるから」
と、広めを希望します。
築年は、当然最後まで住める程度の
築浅のものを買わなければ意味がありません。
すると、自宅の売却代金だけでは足りず、
お金を足さないといけないのです。

また、皆さん「自分の家が良い」と思うのです。
同じものが売っていても、魅力は感じないのですが。

結局「今の家でいいわ」となりました。

しかし、朽ち果てるまで、7人住んでいた家に一人で住みますか
それまで維持できるでしょうか

女性が寿命を迎える前に、おそらく家の寿命が来ます。
また、それまでもメンテナンスしないといけません。
メンテナンス費用は面積に比例しますから、
使っていない大半に、お金を使わざるを得ません

女性はまだ50代でした。
新しい環境に慣れることもできます。
荷物を片付ける、良い機会にもなったはずでした。
仕事もまだできますから、家のお金も出せたはずでした。

残念ながら、こういうケースは本当に多いのでした。


こんなにハードルが高い割には、、


「今まで戸建てにしか住んだことがないから」
マンションへの住み替えを躊躇する、多くの理由でした。

しかし実際にマンションに住み替えしたお客さんで、
「後悔している」という人を、私は見たことがありませんでした。
誇張でもなんでもありません。

あるご夫婦は、高齢で介助なしの生活ができなくなりました。
家もあちこちガタが来て、仕方なしに娘さんの住むマンションへ。
住んでみたら今度は「ここが一番いい」と言っていました。
なぜあんなボロ屋にこだわっていたのか、と。

古い家は住んでいればこそ気になりませんが、寒暖差湿気や古い匂い。
マンションは清潔明るいですから、気分も変わります
また、エレベーターもあるし、どこにでも気軽に出かけられる、と。

ある女性は、自宅(戸建て)のリフォームで
マンションに仮住まいしました。
すると、「ずっとここに住んでいたい」と。
(冬)暖かく、室内の温度差もなく快適、と。

またある女性は、戸建ては泥棒に入られたことがあり
(高級住宅地は多いです)、家を空けられなかった。
マンションになり、娘夫婦の赴任先などへ気軽に行けるようになった、と。

またある女性は、台風で屋根が飛んでも踏ん切りがつかず
一旦補修してまで古い戸建てに住んでいました。
その後「さすがに限界」と娘さんが全て動いて住み替えしました。
娘さんが、
「あんなに嫌がっていたのに、拍子抜けするほど喜んでいる。」
と言っていました。


変化を想定していない


人の慣れって不思議ですよね。

ついでに言うと、有料老人ホームへ入りたがらない高齢者が
入ってみたら元気になり、
要介護3から1になり、自宅へ戻った。」
という話を聞いたこともあります。
自宅だとたった一人で引きこもっている
ホームで人と接したり、声をかけてもらうことで
元気になることは、よくあるそうです。

みんな、変化が不安だけ、なんですよね。
分からないことは、ネガティブに考えがちです。

また、そもそも「変化を想定していない」のです。

家族の成長期に家を買い、「その後の人生」を想定していない
「家」が、人生の目的化されてきたのかもしれません。

しかし私たちは、そろそろ変わらないといけません。
だってまだ50年もありますから。

重い7人分もの大きな貝を背負ったヤドカリではなく
早めに、自分に合った貝に乗り換えることですよね。

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