夫婦の財布は一つか別か
私の専門は「家」ですが、家には大きなお金がかかります。
「家」にどれだけお金をかけるかは、価値観の分かれるところです。
夫婦で「家を買おう」というとき。
共稼ぎで「相手の収入がいくらか知らない」という夫婦も、
最近は多いです。
そこで、夫婦の「財布」について考えてみたいと思います。
おこづかい4万円の生活
毎年話題になる、「夫のこづかい」の平均。
2023年は13年ぶりに4万円代を超えたそうです。
この4万円は、昼食代込みですよね?
とかく「物価上昇」が言われますが、
ランチの相場も上がっていることを実感します。
都内だと1000円はザラ。
1200円なんていうのも珍しくありません。
ただし、地域特性がありますね。
500円のワンコイン弁当がたくさん売られている地域もあります。
間をとって850円の昼食と、食後のコンビニコーヒー110円として960円。
お昼だけで大体1000円×22日=22000円/月
残りは18000円です。
月に3回飲みにいける感じでしょうか?
「夫こづかい制」の問題点
「夫こづかい制」は、夫婦の財布は一つで、妻が家計をやりくりする前提ですよね。
仕事以外の「活動」に掛かる経費は、
こづかいの中でやりくりするのかしら?
それとも、別で請求するのかしら?
仕事以外の行動は夫婦でするので、別の財布から出る?
最低限のこづかい制だと、自己投資が難しいですよね。
本を買う、セミナーに参加する、何かを始める道具を買う。
スポーツクラブに入る、あるいは私のようにランニング会に行く。
また「人と会う」のもひとつの自己投資です。
そのたびに奥さんの許可をもらう?
続かなかったら、文句言われそう、、
無駄になることも含めて、
仕事のスキルアップに限らず、人との交流や、体や心の活性化も含めて、
いろいろな活動は自己投資です。
これらを「お金」という入り口で狭めてしまうことは、
長い目で見るとマイナスです。
「財布別」の問題点
私は、「家と暮らし」相談アドバイザーというめずらしい仕事をやっていました。
家を購入する際の予算決めで、フィナンシャルプランニング(資金相談)のサービスがありました。
夫婦共働き化に伴って、財布「別」の夫婦は増えています。
お互いに生活費を半分ずつ出し合い、
「相手の収入を知らない」という夫婦も多かったです。
どちらもフルタイムで働き続け、状態が変わらないなら問題はありません。
しかし、私の友人はこんなことがありました。
子どもが生まれ、夫は帰りが遅く家事育児一切をしなかった。
彼女は、勤めていた会社の雇用形態を変え、収入は激減した。
しかし、夫は今までの生活費「折半」から、譲らなかった。
夫は、自由な生活を手放したくなかったんですね。
「どうして君が仕事を辞めたのに、僕が君の生活費を出さないといけないの?」
妻や子どもに対する愛情が試される。
もっと言うなら、人間性が試される。
自分が我慢しても、相手を尊重できるか。
いや、子どもに対しては尊重というより「責任」です。
別居、のちに離婚しました。
他人事といえる?
これ、他人ごとといえますか?
子どもが生まれた以外にも、
夫が心の病になって退職した。
妻が仕事に疲れ切って退職した。
誰しも、自分の心地よい生活を手放したくはないものです。
しかも、ずっと円満でいる夫婦の方が珍しい。
愛情と呼べるものはすでに失われた「相手」の収入がなくなったとき、
今まで自由になっていたお金を差しだせるか。
財布は一つか別か
さて本題の、「財布は一つか別か」問題です。
「4つの財布」をお勧めします。
① 共通の財布
② 共通の予備
③ 夫・妻それぞれの財布
ポイントは必ず②を設けることです。
①は生活費など日々の支出
②は子どもの教育費や老後資金、家のリフォーム代など「将来のため」の貯金
③夫・妻それぞれの小遣い、自己投資、活動費。
この中から「自分の貯金」も必ずする。
②が無いことが多いです。
すると自己裁量の③が多くなり、自由を獲得している状態です。
③の中の「自分の貯金」は、いわゆる「へそくり」です。
へそくりは、家計のやりくりによって生み出される、
妻の隠れ資金を指しますよね。
お互いに収入のある現代は、お互いに堂々と自分の預貯金を持つべきです。
夫婦も他人ですから、いつどうなるかわかりません。
50年も60年も一緒に居られることは、当たり前ではありません。
離婚する時に、すぐに使える資金がゼロでは困ります。
自己防衛ですね(笑)
自分の資金を持つということは、自立の証でもあります。
お金のタブーを無くす
まずは「お金」についてきちんと話し合える関係であることです。
「お金」は生活感覚や価値観の指標になります。
あまり合わない人同士は、うまくいきませんよね。
また、お金の計画は「将来」の計画です。
将来への共通認識をもつことは、とても大事です。
夫婦なのにいまだある、「お金」に対するタブー。
そこには、お金の話をするのは「ケチ」といったイメージや、
男性は女性を養うものといった既成概念がないでしょうか?
お金に対する価値観を共有して、お互いの自由を認めつつ、
困ったときには助けあう。
そんな関係を持てる夫婦は、上手くいく気がします。
そして、生活はマネジメントですから、
一緒に家庭を「経営」していく同志でありたいですね。
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