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人や暮らしのこと

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「個の時代」だからこそ焦点を当てたい、一人一人の人生・暮らしについて書いています。
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#エッセイ部門

血縁でも社縁でも地縁でもない、あたらしい「縁」

私のテーマ「50代からのリセット&リスタート」 に行きつくまでには、いくつかのきっかけになる本がありました。 そのうちの1冊について書いてみたいと思います。 衝撃的なタイトルですよね。 以前のこちらともつながる話です。 ※他の本については、以前こちらで書きました。 無縁社会 こちら読んでみると、 知らない間に日本が「貧乏な国」になってしまっていたのと同様、 既に私たちの「日常」になりつつある話です。 (この本は2010年出版ですから、事態はさらに進んでいると思われま

人は人で癒される

address生活を始めて一週間。 あるシェアハウスに泊まりました。 そこで感じたことを書いてみたいと思います。 誰にも会わずに一週間 addressは戸建てやシェアハウスやゲストハウス、旅館などと提携しています。 addressは「コミュニティ推し」だと思うのですが、 はじめてみたら、思いのほか人に会えません。 シェアハウスの住人や、他のアドレス利用者は「居ることは居る」。 しかし、話のきっかけって難しいですよね。 お互い遠慮するということもあるし、 話しかけてみ

「家」じゃない居場所を持つということ

いろいろなところへ出かけて、いろいろな人に出会う。 50代からを生きるヒントは、 自分をオープンにすること。 自分の空気を入れ替え続けること。 「家」から生活を変える。 建築士の私が、チャレンジしたいと思いました。 しかし、そう簡単ではありませんね。 家は、人間の最も保守的な部分ですから。 addressでアドレスホッピングを始めて4日目。 つづってみたいと思います。 帰る場所があるということ あなたは旅行は好きですか? 「好き」と答えた方。 では、一生旅行をし続

みんなが「同じ景色」を見られた時代

「あの頃はよかった」 そう思うことはありますか? あなたの「あの頃」はいつですか? 今日は、私の「あの頃」について書いてみたいと思います。 みんな一緒にテレビをみていた 小学生までの私。 可もなく不可もなく、田舎で過ごしました。 母は料理が上手で、いろいろなものを作ってくれました。 「リカちゃん人形」にどっぷりはまり、 来る日も来る日もリカちゃんと遊んでいました。 思春期は、父と母の不仲、父との確執、母の兄への期待と、 複雑だった気がします。 小学校5年生の頃に初

「少子化対策」に一番効果があるのは「夫婦別姓」

政治的なことはあまり書かないことにしています。 けれど、これは言っておきたいな。 「夫婦別姓」早くしろ!! ちょー面倒くさい 私は25歳で結婚し、35歳で離婚しました。 今の「姓」は、結婚していた時の姓です。 なぜ元に戻さなかったか。 離婚した時、娘は3歳でした。 名前はその人の固有名詞であり、アイデンティティです。 ある日、親の都合で変わる。 どうなんだろう、と。 娘が私と世帯が別になり、 私が名実ともに「ひとり」になったら、 死ぬまでには姓を変えておきたいです。

家電の買い替えは、あと何回来るんだろう

最近立て続けに迎えている「家電の寿命」。 そこで思ったことを書いてみたいと思います。 ぼろ家キリなし 前回、実家に帰省していたときのことです。 私の母は86歳で、青森で一人暮らしをしています。 私が洗濯物を干しているところへ、母が来ました。 「また嫌なことがあった。」 手にはフックのようなものを持っていました。 「?」 ハンガーを引っ掛けようとしたら取れた。 プラスチックが腐っています。 「この間も電灯の調子が悪かったし。」 少し前にもテレビが壊れ、買い換えました。

昭和に癒された夜

先日友人と新宿で飲み、昭和へタイムスリップしました。 その時に感じたことを書いてみたいと思います。 今も健在、ゴールデン街 新宿でご飯を食べたあと、 「二軒目どうする?」 「ゴールデン街、行ってみる?」 皆さん、ゴールデン街という名前は聞いたことがあると思います。 行ったことはありますか? 私は東京に30年くらい住んでいますが、 行ったのは今回が初めてでした。 ゴールデン街とは 1950年頃に現在の場所へ移転したそうですから、 もう70年以上経つのですね。 ゴール

人生の終わりに、「心のよりどころ」にするのは一体何だろう

母に関して、いろいろと辛らつな記事を書いていますが(-_-;)。 母はとても「しっかりした人」ということと、「本好き」が、 私を形作ったことに間違いありません。 とても感謝しています。 そして、noteのネタを提供してくれています。 こちらも感謝しています(笑)。 さて、85歳の母を見て、思うことが多くあります。 母の日常 5年前に父が亡くなってから、母は青森で一人暮らしをしています。 母は、ルーティーンの人です。 整理下手ですが、きれい好きで、毎日家中を掃除してい

人生って私たちが思うよりずっと面白いのかも、と思った夜

前回、おばあちゃん達の居酒屋へ行った話を書きました。 続きがあるのです(笑) お店から「金色」の人が 私たちはおばあちゃん達の居酒屋をあとにしました。 「もう一軒行こうか?」 お店へ行く道中、商店街にちょっと気になる一角がありました。 とっても古いビルの一階に、小さなお店が集まっていました。 「いってみよう。」 時間は夜10時近くになっていました。 そのうちの一軒をのぞいていると、 中から「金色」の人(以下金ちゃん)が出てきました。 お店には他に誰もいません。 店

「子育てって大変」「働くって大変」も思い込みかも

友人が「大好きなお店があるから行こうよ。」と誘ってくれました。 その夜に出会った人たちを見て、思った話です。 おばあちゃんの居酒屋 友人が誘ってくれたお店は、こちらでした。 東京都中野区方南町というところにある「居酒屋」です。 カウンターが10席くらい。 テーブル席が2卓くらい。 切り盛りしているのは、 調理担当の男性と、女将さんと、少しして手伝いに入った女性の3人です。 いずれも70代です。 腰が曲がっていたり、動作はゆっくりだったりするけれど、 土曜の夜に行った

子どもの「小さな世界」に付き合ってくれた母

前回、昔の知人を訪ねた話を書きました。 彼女の「手仕事」を見て、思い出したことがありました。 私と私の娘が小さなころ、母が作ってくれた 「リカちゃん人形の洋服」のことです。 今日は、その話を書いてみたいと思います。 リカちゃんがうちにやって来た! リカちゃんが私の家に来た時のことを、鮮明におぼえています。 私は青森の片田舎に住んでいました。 私がおそらく4~5歳の頃でしょうか。 関東近郊に住む叔母さんが従弟を連れて遊びに来ました。 ※叔母さんはこちらでも登場しています

田舎のお菓子から300年前の日本の歴史にたどり着いた話

日常のなかで、ちょっとした楽しみを見つけたいですよね。 「食」は、とても手軽に楽しみを見つけられる方法です。 デパ地下に入れ替わり立ち替わり「新しいお店」が登場するのも、 そのあたりかなと思います。 新商品も楽しいですが、好きな種類の食べ物を「深掘り」するのも楽しいです。 今日は「もち」の話です。 「もち」のようなもの 娘が「もち」のような触感の食べ物が好きなので、 みつけてはいろいろ試してきました。 「もちのようなもの」 草餅、柏餅、桜餅、大福、だんご、おはぎ、水

今になってわかった。子育てに一番大事なのは簡単なことだった

先日電車のなかで、こんな光景を目にしました。 日曜日の午前中で、地下鉄の車内は空いていて、 ばらばらと人が座っている状態でした。 40代くらいのお母さんと、 中学校1年生くらいと小学校3年生くらいの娘の3人が、 途中の駅で電車に乗り込んで来ました。 電車が走り出し、3人が座席に座ったとき。 「すいません!」 という大きなお母さんの声。 「大丈夫ですか?」 お母さんは立ち上がり、向かいに座っていた男性に近寄りました。 バックからティッシュを取り出し、差し出します。 男

生きていくとは、変化していくということ【前編】

私は、「家と暮らし」相談アドバイザーという仕事を13年し、 たくさんのお客さんの姿を見てきました。 「50代からのリセット&リスタート」というテーマへの 大きな動機になったお客さんのひとりについて、 書いてみたいと思います。 120㎡のマンションにひとり暮らし 「家と暮らし」相談サービスは、このようなものでした。 状況をヒアリングし、 家をもし売るならいくらくらいになるのか、 その金額で買い換えるならどんなものが買えるのか。 ぼんやりした悩みの「材料」をそろえて、具