インド人の自己肯定感が高い理由とは?日本在住インド人にインタビューしました!
日本在住のインド人男性Aさんにインタビューをしました!
私が常々疑問に思っている「なぜインド人は自己肯定感が高いのか?」の謎を探るべく、知人に紹介してもらい、今回の機会を得ることができました。
携帯の待ち受け画面を自分にしたり、いつでも自信満々なインド人。
その内面の謎に迫ります!
Aさんの家族構成と基本情報
ー早速ですが、年齢や家族構成などを教えてください。
A:私は今年で30歳で、兄、父、母の4人家族です。両親はインド南部のチェンナイ出身ですが、私は西部のムンバイ(インド首都ニューデリーに次ぐ都市)で育ちました。
ーAさんは何語が話せるんですか?
A:英語と日本語、ヒンディー語。両親とはチェンナイの言葉タミル語で会話します。ムンバイにいたので、マラティー語(ムンバイがあるマハラーシュトラ州の言語)も話せます。
ー5つの言語が話せるということですね!すごい!宗教はなんですか?
A:ヒンドゥー教です。でも、インドにいるときから牛も豚もなんでも食べます。
ーえ!ヒンドゥー教の人でも牛を食べていいんですか⁉
A:人によります。うちの家族は宗教を信じてはいるけど、食べ物は気にしません。
<補足>
ヒンドゥー教は牛を、イスラム教は豚を食べてはいけないとされており、インドでは牛も豚も一般的には避けられます。
しかし、インドは地域差や貧富の差がかなりあるので、聞く人によって考え方はかなり異なります。Aさんはムンバイという大都会で育っているので、インドの中でも都会的な考え方なのでしょう。
日本に来た理由
ーでは、Aさんが日本に来た理由を教えてください。
A:大学院を出て、一度インドで就職しましたが、おもしろくなかったんです。先に日本に住んでいた兄に「日本に来ないか」と誘われたので、仕事を辞めて日本に来ました。
ー日本に来て、最初は日本語学校に通ったんですか。
A:はい。学校は1年半通いました。その後就職活動をして、今の会社でエンジニアとして働き始めました。
ー就職活動はどうやって行ったんですか。
A:ハローワークで探しました。
ーそこは日本人と一緒なんですね!今は1人暮らしですか?
A:兄と2人暮らしです。日本は住みやすくて大好きです。これからもずっと日本で暮らしたいと思っています。
インドの家族。インド人は親バカ?
ー子どもときは、家の手伝いはよくしていましたか?
A:はい、手伝いをするように言われていたので、よくしていました。そうじや皿洗い、おつかいなどです。
ー大家族のインドでは、「上の子が下の子の面倒を見る」というイメージがあるのですが、Aさんのお兄さんは面倒を見てくれましたか?
A:私たちは年が近いので、そういうことはなかったですね。普通に一緒に遊んでいました。
ーなるほど、2人兄弟だから、そうですよね。では、「インド人は親バカ」という話を聞くのですが、これは本当ですか?
A:本当です。親たちはよく子どもの自慢話をしています。私が子どものとき、お母さんが近所の人に私のことを自慢していて、とても恥ずかしかったですよ。
ー本当なんですね。逆に、日本人は謙遜して、「うちの子なんて全然ダメなんです」みたいな言い方をするんですが、インド人はそういう言い方はしないですか?
A:しないですね。自慢しかしないです(笑)
ーそれは日本とは全然違いますね(笑)日本人はめったに子どもの自慢をしたりしないので、真逆でおもしろいです。
インドの学校教育
ーでは、インドの学校教育について教えてください。日本は暗記型の学習スタイルですが、インドではどうですか?
A:インドもほとんど暗記です。数学だけは考えるかな。あと、エッセイのときはディスカッションもありますが、暗記がメインですね。
ー日本と似ているんですね。インド人は多くの人が英語を話せますが、英語はいつから勉強するんですか?
A:幼稚園からです。
ー幼稚園から!それはすごいですね。
A:はい。小学校に入ってからは、全ての教科を英語で勉強します。あとは、言語の時間にインドの公用語であるヒンディー語と、もう1つ地域の言語を学びます。私はムンバイに住んでいたので、マハラーシュトラ州の言語マラティー語を勉強しました。
ーとういことは、言語の時間以外は全て英語だったということですか?
A:はい、そうです。だから、私も含めて書くのは英語の方が得意という人が多いですよ。ヒンディー語を書く方が難しいと感じます。
ーそれはすごいですね。インドの大学は全て英語だと思いますが、地方出身の人はどうしているんでしょうか?
A:田舎の学校はローカルの言語しかやりません。なので、そういう人たちは大学に入るとき少し大変だし、英語もあまり上手じゃないけど、コミュニケーションは問題なくとれますよ。
ー日本の大学は入るのが大変で、その後は楽だと言われていますが、インドの大学はどうですか?
A:インドも同じです。インドは受験の競争が激しく、親から子どもへの期待もすごいです。受験勉強のプレッシャーで自殺する学生も多いんです。
ーインドにそんな一面があったとは意外でした。学生の自殺に関しては、映画「きっとうまくいく」でも描かれていますね。
インド人の自己肯定感と家族愛
ー私は「インド人は自己肯定感が高い」と感じていますが、これに関してAさんはどう思いますか?
A:人のことはわからないけど、私の場合は勉強やスポーツなど、なんでもがんばればできるとわかったから自信がつきました。日本語学校でもクラスの中で一番早く上達したんですよ。
大学まではそんなに自信がなかったけど、大学院に入ってから自信満々になりました(笑)
<補足>
Aさんは、グーグルCEO サンダー・ピチャイ氏を輩出したIIT(インド工科大学)の大学院を卒業しています。とっても優秀な方です!
ー落ち込んだときや不安なときはどのように対処していますか?
A:その問題を解決することを考えます。あとは、兄や家族に相談します。
ーやっぱり家族とは仲がいいんですね。(インド人は一般的に非常に家族愛が強い)
A:はい。今もインドの家族とは毎日テレビ電話をしていますよ。
ー毎日!私はインドにいるとき家族にはほとんど連絡しませんでしたよ(笑)毎日連絡取るなんて本当にすごいですね!
インタビューを終えて
インドはとても広く、地域によってもかなり違うので一概に「インド人はこうだ」とは言えません。田舎と都会の差も激しく、今回のAさんは都会育ちのため、田舎のインド人とは考え方も大きく異なっていることでしょう。
それでも、私がインドにいたときから感じていたこと。
「インド人の家族愛の強さ」や「自分を信じる心の強さ」をAさんからも感じることができました。
そして、インド人の自己肯定感の高さの理由には、「親から全肯定されて育つ」ということが深く関わっているのではないかと思います。
日本人は謙遜することが普通ですが、インド人は自信たっぷりに我が子自慢をします。そして、インド人の親は「いかにあなたをを愛しているか」を子どもに伝え続けます。
それが、インド人の自己肯定感を育むのかもしれないと感じました。
まあ、全然できてないのに、自信満々すぎるインド人もたくさん見てきたんですけどね。少しは謙虚になってよ!と思ったことも数回ではありません。
いやぁ、インド人はおもしろいですよ。
今回は、Aさんにインタビューする貴重な機会を与えていただき、本当に感謝しています。
よさこいを習ったり、自分でバトミントンサークルを主宰したりと、とてもアクティブなAさん。日本での生活を満喫している様子が伺えました。
これからも、日本でますます活躍してほしいですね。
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