見出し画像

親が子どもに与える影響よりも、子どもが親に与える影響の方が大きい

「子どもを愛していない親はいない。子どもに対する親の愛は永遠不変である」と、人はよく言うが、それはおそらく間違いであろう。
子どもに対する親の愛は、実は思ったより受動的なのだ。
子どもの方から親を愛さない限り、親は手放しで子どもを愛することにためらいを覚える。

あなたがもし、親から充分に愛されなかったと思うなら、自分から他人を閉め出しておいて、その人がどこにいるのか探している可能性を疑ってみる必要がある。
「青い鳥」の物語とは、自分で閉めているシャッターに気づく物語なのだ。

子どもが親に対してシャッターを閉める理由は、主に次の二つ。

〇親の統制、暴力、攻撃、虐待、威圧、過干渉、差別、価値観の押しつけなどに対する自己防衛手段として。
〇自分がその親を選んで生まれてきたことを忘れている(あるいは信じていない)。

この二つの理由には決定的な違いがある。
最初の理由は、主に他人から自分へ与えられる理由だが、二番目の理由は、自分で自分に与える理由である。
最初の理由は、被害者意識(トラウマ)を生む原因ともなる。ここで注意が必要なのは、「被害」と「被害者意識」は異なるということだ。被害を受けていないのに被害者意識を持つ子どもも、被害を受けているのに被害者意識を持たない子どもも、両方いる。
実は、その違いは二番目の理由に関係する。二番目の理由で注意が必要なのは、その子が父親を選んだ理由と母親を選んだ理由とが、必ずしも同じではない、ということだ。この二番目の理由は、両親が結婚した理由とも絡んでいる。両親が離婚しているなら、その理由とも絡んでいる。
離婚とは、別れる当人同士よりも、その子どもにとってこそ、解くべき謎なのだ。

人は、自分が親から大きな影響を受けたと思いがちだが、親が子どもに与える影響よりも、子どもが親に与える影響の方がはるかに大きい。

親が子どもを愛することに慎重になるのには、理由がある。
親子の縁には、常識が通用しない深い潜在意識が絡んでいる。そのことに気づいている親ほど、子どもを愛することに慎重になる。愛さないのではなく、態度に表すことに慎重になるのだ。
特に、「自分はこの子から親として選ばれた」という思いの強い親は、子どもから受ける影響に注意を払う。
それと同じように、「自分はこの親を選んで生まれてきた」という思いの強い子どもは、自分が親に与える影響に注意を払う。

自分が親にどのような影響を与えたかを知ることは、自分がこの世に生まれてきた目的を知るのに大いに役立つ。


無料公開中の記事も、有料化するに足るだけの質と独自性を有していると自負しています。あなたのサポートをお待ちしています。