もっとも哲学的な曲「WISDOM」
「助川久美子というアーティストの代表作は?」と問われたら、私はまず「薔薇の刺青」を挙げるだろう。
「パフォーマーとしての助川久美子を知りたい」という人には、「風の人」のあの幻のライブ録音を薦めるだろう。
「薔薇の刺青」は、歌うというより「語り」に徹して、ドラマ性を極限まで追求している。一方「風の人」は、孤独な魂の心象風景を、必要最低限の音楽的要素で情感豊かに歌い上げている。
いわばこの二つの作品は、地球の北極と南極の関係のようなものかもしれない。一言で言うなら、「薔薇の刺青」