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【ネタバレ?あり】映画「THE FIRST SLAM DUNK」。

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観ました。

言わずと知れた超名作バスケット漫画が25年の時を経て映画化。

私、今年40歳。

完全なるスラムダンク世代。
というか「ジャンプ黄金期世代」です。

小学生の頃にスラムダンクとNBAブームが同時にきて、我々が中学に進学するときは男子のほぼ全員がバスケ部に入ったくらい当時のバスケブームは凄まじいものがありました。

なにせ日本のスポーツ漫画における金字塔的な作品で今なおコアなファンが数多くいる作品なので、声優陣を中心に公開前からイロイロと物議を醸していましたが、僕はというと当時からアニメはそんなに熱心に観てなくて(物語の途中で終わられていることに多少なりとも不満があったし)、そこはたぶんあまり気にならないだろうなーと思いつつ。

先程「スラムダンク世代」というより「ジャンプ黄金期世代」と言い換えたのもそこで、正直当時の僕は『ドラゴンボール』が殿堂入り第一位の漫画で、『SLAM DUNK』はリアルタイムでは単行本を集める程ではありませんでした。

むしろ大人になって読み返したときに改めてその面白さや凄さを知ったというか。

それこそコロナ禍になった後も一度読み返したくらいなので今回の映画化に関してはちょうど良い立ち位置だったのかもしれません。(本当は今回もう一回全部読み返してから映画に臨みたかったけど環境的に厳しかった…)


さて、前置きはこれくらいにして映画の感想を綴っていきたいと思いますがー、

まずこの記事のタイトルに【ネタバレ?あり】と付けたのですが、結末はもう日本国民全員知っているワケで。笑

いや違う、それも書いたらダメなのか。汗

今回の映画が一体あの物語のどこを描いているのかもまったく公表されていない状態なんですよね。厳密にいうと。

ここがちょっとややこしいところで、もうそういうのすら一切知りたくないという方はこの記事も映画を観てから読んでもらった方がいいと思います。


今回の映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、

ズバリ、

山王戦を描いています。

一応、当時のテレビアニメでは描かれていなかった部分にはなるのですが、あまりそこに大きな意味はないというか。

今回は完全に別モノ。

“当時のテレビアニメの続編”というよりは「シン・スラムダンク」みたいな感覚で臨んだ方がいい。

予告編とかで少しアニメーションを観た方もいると思いますが、今回は原作者の井上雄彦先生が自らレタッチ(というらしい)を相当数入れていたりと、当時のあのアニメのタッチとは技術の進歩だけではなく根本的に違うと捉えていいのではと思います。


本編を観た感想。

オープニングからもう完全にブン殴られました。

いや、映画を観るまでは「ワシは『君が好きだと叫びたい』以外は認めんぞ!!」と(なぜかおじいさん口調で)思っていたのですが、あの映像を観て完全降伏致しました。

※この映像はMVです。

この骨太なベースラインに沿って井上雄彦先生が描くキャラクター達が1人ずつ命を吹き込まれて歩き始めるんですよ!!!!5人が横並びになって!!

ここでもうチケット代の元はとりました(確定)。

そして登場する王者・山王高校。

いたってシンプルな演出なのですが、これが最高にして至高。余計な味付けは一切不要。塩だけでお召し上がり下さい的な感じ。まさに職人技。

で、今回の映画のもう一つのトピックとして、今作の主人公は【桜木花道】ではなく【宮城リョータ】になります(エンドロールの一番上に出てくる名前もそうでした)。

山王との戦いを描くと共に、沖縄で育った彼の幼少期から描かれていきます。

「そうきたかー!」といったところなのですが、よくよく考えるとあの荒くれ者の寄せ集めチームのメンバーの中で一番それぞれと良い関係性が築けているのって宮城(本当は“りょーちん”って書きたい)だったのかもって。

その宮城(“りょーちん”でいいかな?)からの視点で描くのはある意味至極まっとうというか、なるべくしてなった設定ではないかと妙に納得しました。

…ん?しかし流川とはあまり絡んでるのは見たことないな…と思っていたらちゃんとそういう描写もあったりして。抜かりないですね。

一応トピックというか“情報”とはしてそんなところで、何度も言うように「当時のアニメの続編」というよりは「井上先生の漫画が劇場で“実写化”された作品」。そんな印象でした。

何も劇場用に結末が変わるわけでも、彼らの今まで明かされなかった「その後」が描かれているワケでも(そんなに)ありません。

宮城(もう“りょーちん”でいいよね?)の過去の話を抜きにすると、知らない話ではないんですよね。こっちは最後どうなるかも分かって観てるんです。

だけど激しく心を揺さぶられまくる。

琴線に触れるどころか「ドン!ドン!ドン!」ーいや「ダム!ダム!ダム!」と山王のゾーンプレス並みに刺激し続けてくるのです。(あれはディフェンスだけど)

自分でも本当によく分からないのですが、たぶん4回くらい泣きました。

え、なんで?笑

あんなに爽快なスポーツ漫画なのに。

りょーちん(!)のバックボーンもまぁ普通に考えると悲しいところや感動的なシーンはあるのですが、不思議とそういうところではあまりグッとこないというか…

とにかくあの試合の臨場感やキャラクター達のあの名台詞や動きが、最新のCG技術と限りなく“井上雄彦”なあの作画とメチャクチャカッコイイ音楽とが一体になってこちらに押し寄せてくるんです。(“ゾーンプレス”のワード使うのここだった)

それを受け止めたときに、そのエネルギーがあまりに凄すぎて僕にはもう涙を流すことしか出来なかった。

もしも家で観ていたらきっと何回か叫んでいたことでしょう。それくらい心臓をわしづかみにされた気分でした。

そして山王戦といえば、漫画史にも残る試合終了間際の【あの超名シーン】もまさに“漫画のまま実写化”に成功したかのような迫真の演出でした。いやあんなもんこっちはグッとくるしかないでしょうが。笑

その後のりょーちん(定着)の母親とのシーンや、その後のエピソードはまぁおまけ程度ですかね。「りょーちんお前最終的にそんなことになってたのか!」というくだりもありはしましたが。

兎にも角にも試合のシーン。これに尽きます。そういう感想を持たせてくれたこともまた素晴らしい。感謝。

10-FEETの最高な楽曲に合わせて流れるエンドロールを眺めながら、「この映画に関わった人はそのことを一生誇れるような映画だな…」としみじみ思いましたね。

井上雄彦先生と今回の映画化に関わった皆さんの気概を感じる一本でした。

これの製作ドキュメンタリー、Netflixとかで配信してくれないかな。「300日密着」みたいな。マジで観たい。

特に同世代の人の中にはこの映画を敬遠してる人もいるかもしれませんが、よっぽど当時のアニメが好きであのイメージを崩されたくないという人以外はぜひ観ることをオススメします。

いつ観るかって?

“今なんだよ!!!!!”
(「今でしょ」みたいなフリになったw)


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