【Museum⑩】国際子ども図書館@上野
退職に伴う有給消化期間の楽しみとして、
都内の博物館・美術館を巡ってみることにしました。
気になっていた「ぐるっとパス2024」を購入したので、
その対象館が中心となります。
第10回:国際子ども図書館
国立国会図書館の支部図書館で、
児童書を専門に扱っています。
ぐるっとパスの対象施設ではなく、
誰でも入館無料です。
上野公園で当館の展示会のポスターを見かけて、
予定外でしたが立ち寄ることにしました。
炎天下の上野動物園で軽く頭が痛くなっていましたが、
暑いときに図書館に逃げ込むのは、
古くから受け継がれる先人の知恵ですからね。
場所は、奏楽堂から北に行けばすぐ。
今どきは、アクセス方法も動画なんですねぇ。
建物
1906年築の帝国図書館がベースになっており、
なかなか重厚感のある建物です。
元の設備をそのまま残しながら、
現代の利用に耐えうる施設に改修したとのこと。
エレベーターや空調はもちろん、
ガラス壁が追加されてたりします。
南側 3F には、ガラス張りの張り出し窓があり、
外壁を間近に見ることができます。
高所恐怖症の人はご注意を。
西側も、元の建物をそのままに、
外側に回廊を追加した形になっています。
展示
「児童書ギャラリー」では、
MOMOTARO と ごんぎつね?がお出迎え。
中は絵本や図鑑がいっぱいで、
大人でも興味をそそられます。
絵本好きの長女は、一日中いられそう。
「世界を知るへや」には、各国の代表的な絵本や、
その国を知るための本が所蔵されています。
様々な言語に翻訳された日本の絵本もあります。
『きんぎょがにげた』の中国語版は、
『小金魚逃走了』。
小さい金魚、逃走完了。
アラビア語版は、絵が左右反転し、
右綴じになっていますね。
英語版のタイトルは、
ちょっと意訳した問いかけになっています。
書棚を眺めているだけで、ちょっとした世界旅行気分。
右上・右下にある『世界のともだち』シリーズは
なかなかおもしろかったです。
ウズベキスタンとモンゴルの本を読み、
日本とはまったく異なる文化を知るおもしろさ、
そこで生活する子どもたちのたくましさを感じました。
日本の子どもは幸せなんだろうか、
と考えちゃいますね。
日本の子どもたちは、食料も教育も医療も充実した、
恵まれた環境にいるのは間違いありません。
その一方で、大人が決めた時間割りやルールに
縛られたり流されたりしながら
生きているよな、と感じることもあります。
この本で取材されている世界の子どもたちは、
日本と比べて恵まれた環境とはいえない中で、
自分なりの夢を持ち、努力していました。
果たして、どっちが幸せなんだろう。
環境に恵まれることと、幸せになることは、
正の相関関係ではないのでは、と思い至りました。
さて、ホールの展示スペースでは、
帝国図書館時代の展示がありました。
当時は無料ではなく、普通/特別のグレードがあったり、
回数券が販売されていたりしました。
図書館は、今では誰でも無料で利用できますが、
当たり前のことではないんですね。
今後もありがたく使わせてもらいます。
「お寒い上野図書館の現状」との見出しから、
ガラガラなのかと思ったら、逆でした。
暖房設備がなくても連日の大行列で、
座席が足りずに休憩室にまではみ出ていたそうです。
暑いから図書館だ、
という不純な動機もあって入館しましたが、
図書館の役割について考えさせられますね。
展示会「絵本で知る世界の国々―IFLAからのおくりもの」
※撮影禁止だったため、写真はありません
世界42の国と地域ごとに、
現地の図書館員が選定した絵本が展示されています。
ご当地のお祭りが描かれていたり、
各地域ごとに描かれる動物(アフリカだとライオンとか)
が違っている様子がわかります。
タブー視されがちな話題ですが、
登場人物の肌の色も
地域ごとに明確に差があります。
肌の色や目の色は、
同じではなく、人によって差がある。
差があって、それでいい。
同じだと信じ込むのではなく、
差を認識したうえで、尊重するのだ。
そんなことを思いながら眺めていました。
おわりに
重厚な建物と、児童書の歴史を楽しめる施設でした。
紹介した展示以外にも、
各時代の児童書を閲覧できるスペースなどもあり、
本に囲まれたぜいたくな一日を過ごせます。
子ども図書館なのに、
子どもを連れていかないで一人で行くのは暴挙でしたね。
次女がある程度言葉を理解できるようになったら、
子どもたちを連れて来たいと思います。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。