読書まとめ『声に出して読む 渋沢栄一「論語と算盤」』→人も企業も、経済の本質は社会への貢献

『声に出して読む 渋沢栄一「論語と算盤」』齋藤 孝

一言でいうと

人も企業も、経済の本質は社会への貢献

どんな人にオススメしたいか

・『論語と算盤』の原著にあたるのは難しそう、と思う人
・渋沢栄一について最低限かじっておきたい人(略年表とエピソード程度)

孔子 → 渋沢栄一 → 齋藤孝 という流れ。渋沢栄一の『論語と算盤』の解説がメインだが、論語の原文に当たったり、齋藤孝が現代の視点で例え話をしたりと、色々な視点から論語にアプローチしている。51章に分かれており、特にぐっと来た3点をまとめてみる。

① 適材適所で社会貢献させるのがよいリーダー

私の素志は適所に適材を得ることに存する(論語と算盤)

・適材適所の人材配置で社会貢献させることが、経営者やリーダーの社会貢献。
・そのためには、人を見る目を養う。相手は何が得意か、何に満足するか。
・人は平等である、ということが基盤。他者を下に見て蔑んだり、他者を上に見て羨んだりする必要はない。

② 智情意のバランスが重要、大小ではない

完き人は、智情意の三者が円満に具足した者、すなわち常識の人である(論語と算盤)
知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず(論語)

・智恵・人情・意欲、それらを兼ね備えた常識人が、社会に必要とされる人。
・大きさよりも、バランス。能力ではなく人格に近いので、他者のフォローが難しい。
・どれかが突出しているのは、「偉き人」。もちろんすごいが、用途は限られる。
・突出しているということは、他の部分の伸びしろがあるということでもある。

③ 気取らず・卑屈にならず、正直であれ

これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是れ、知るなり(論語)

・知らないことは知らないと正直に言える勇気が必要。
・西郷隆盛はそれができる男だった。 渋沢に議論で負けても、禍根を残さず去った。
・知ることは日々の修養。続けていけば迷わず的確な判断ができるようになる。

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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。