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【学研まんが】下水道のひみつ オススメ度:★★★★(1〜5)


テーマ

広くも狭くもなく、ちょうどよいテーマ感。下水道って、子ども向けのテーマ学習としては王道中の王道な印象です。

実用性

知識寄り。「食べ残しを下水に流すな」的なことにも言及されていますが、どちらかというとインフラとしての下水道そのものや、水資源の循環の説明が中心です。

ストーリー

嫌いな牛乳を流しに捨ててしまっていた男の子主人公が、下水道の学習を通して環境を考えた行動(ご飯を残さず食べるとか)を意識する展開。これまた王道なストーリーラインですね。安心感があります。

女の子主人公の父が汚泥処理施設に勤めており、後半に施設見学の案内をしてくれます。思春期の女の子がお父さんの仕事、しかも敬遠されそうな下水道の仕事に興味を持つ様子に心が震えます。

ファンタジー

「ハーイスイ」が決め台詞の水仙人が案内役。小さくなって下水道管を探検する場面では、泡のようなものに守られているので、ニオイは感じていないようです。優秀。

また、下水処理場職員を洗脳して説明をさせています、しかも二度も。洗脳能力は学研まんが界ではレアな部類だと思っていますが、カジュアルに洗脳してきます。女の子主人公のお父さんとは知り合いで、洗脳なしで説明の連係プレーをしていました。


一行知識

下水処理場で出る二酸化炭素・熱・汚泥は、植物栽培や発電の燃料に活用されている。


我々が言う「汚い」というのは、通常の用途では望ましくない「何か」が含まれている状態。その「何か」が、他のところでは実は貴重なものだったりするんですね。例えば、下水にはリンや窒素が多く含まれています。下水を処理せずに川や海にそのまま流してしまうと、リンや窒素をエサとする植物プランクトンの大量発生(赤潮)を引き起こします。一方、下水処理場でリンや窒素を回収すれば、水質を保全できるだけでなく、リンや窒素が豊富な肥料を作ることができます。下水処理の過程で出る二酸化炭素や排熱も、植物の生育を促すために活用可能です。望ましくない「何か」を他のことに活用できないか?を考える上で、下水処理の事例は参考になる部分が多いと感じました。



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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。