見出し画像

自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識-ビジネスに特許情報を活用するためには

10年近く前になりますが、@MONOist自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識という記事を連載させていただきました。

今、読み返すと若気の至り的なところもあるのですが、知財マネジメントの考え方や第4回~第6回の特許検索から特許分析・戦略への活用は現在でも活用いただけるところがあると思い、noteの方でまとめました。

少しでも知財情報を自社事業に活用いただくための参考として活用いただければ幸いです。

第1回 自社開発品が特許侵害に?! 身近に潜む知財リスク

本連載「自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識」では、知的財産(略して知財・チザイ)をどのように事業に利用・活用していけばいいのか? という観点から計6回にわたって分かりやすく紹介していきます。図1に本連載の流れについて示しました。

前半の3回が知財マネジメントスキルの総論です。今回の第1回では身の回りで起こり得る事件を基に知財リスクについて紹介し、知的財産の重要性を認識していただきたいと思います。第2~3回は事業戦略に知的財産戦略を組み込んだ、いわゆる「知財経営」について解説します。知的財産の創造・保護・活用という「知的創造サイクル」(注1)を事業戦略にどのように組み込んでいくのか、また知財経営の現状についてアンケート結果や事例を交えて解説します。

後半の3回は、知財マネジメントを推進するうえで基盤となるスキルであると同時に、私の専門領域である情報検索・分析スキルについて紹介していきます。3回という限られた連載ではありますが、特許庁が無料で開放している特許電子図書館(注2)を使った特許・意匠・商標検索方法やR&D戦略立案に役立つパテントマップ(特許マップともいいます)について説明していきます。

第2回 知財戦略を実践すれば事業はうまくいくの!? 知財戦略と経営戦略・事業戦略

医療保険のありがたみが分かるのは実際にケガや病気をしてからです。もしも医療保険に加入していないと高額の医療費を自腹で支払わなければなりません。知的財産にもこのようなリスクマネジメント的な側面があります。しかし、知的財産にはリスクマネジメント的な側面だけではなく、積極的に活用することで事業を拡大していくための戦略ツールという側面もあります。今回は知財戦略・知財経営の基礎を学ぶことで、より積極的な意味合いでの知的財産の重要性を理解していただきたいと思います。

第3回 知財戦略の実態はどうなっているの? これからは中小企業も知財戦略の実践が必要

今回は特許庁や中小企業庁の実施している統計・アンケート結果を基に、大企業と中小企業の知財戦略の実態について確認していきたいと思います。

今回紹介するデータは、特許庁が平成14年度以降、企業や大学・研究機関などの知的財産活動を定量的に把握するために実施している「知的財産活動調査」と、政府が毎年中小企業の動向を国会へ報告するために作成している「中小企業白書」です。

なお、中小企業白書からは三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が実施した「市場攻略と知的財産戦略にかかるアンケート調査」(2008年12月、営利法人5万5000社を対象に実施したアンケート調査:回収率15.7%)の結果を主に紹介していきます。

第4回 自分でできる知的財産権調査! カンタン3段ステップ検索方法をマスターする

今回からスタートする連載後半の3回は知財マネジメントスキル各論編ということで、知財戦略を立案するうえで欠かせない情報収集・分析スキルについて、特に特許情報の調査・分析スキルを中心に解説していきます。

今回から再びロボットアーム工業の路保(ろぼ)社長と、中堅技術者でありかつ知的財産面の管理を行う立場にある地西(ちざい)さんに登場してもらいます。第1回「身近に潜む知財リスク」でいろいろな知的財産面の災難が降り掛かったロボットアーム工業。これじゃいかん! ということで、地西さんはその後知的財産関連のセミナーに参加するようになりました。

今回地西さんが受講したセミナーは「技術者・研究者向け 現場で役立つ特許調査・分析スキル」です。3日間構成で1日目が知的財産権調査編、2・3日目が特許分析・パテントマップ編となっています。路保社長からは「わが社も現在策定している中期経営計画に沿った知財戦略を立案しなければいけないな。地西君、セミナーでしっかり学んできてわが社の知財戦略を立案してくれよ!」といわれています。

第5回 競合他社の戦略を読み解くパテントマップ~知的財産権情報の分析とビジュアル化

自社の知財戦略を立案するためのスキルを身に付けるために「技術者・研究者向け 現場で役立つ特許調査・分析スキル」セミナーに参加したロボットアーム工業の地西(ちざい)さん。1日目(連載第4回)は主に特許検索スキルについて学びました。2日目の今日は特許分析スキルについて学ぶことになっています。

第6回 知的財産権情報を事業戦略策定に活用するには? ~新規事業への参入を検討するための特許情報分析~

3日間のプログラムで構成された「技術者・研究者向け 現場で役立つ特許調査・分析スキル」セミナーへ参加したロボットアーム工業の地西(ちざい)さん。とうとう最終日を迎えました。

最終日では仮の企業であるエンタメロボット社が、医療用ロボット事業に新規参入するため、特許分析・パテントマップ作成を行って知的財産面から新規参入の可否を検討するという事例を取り上げます。地西さんが勤務するロボットアーム工業でも、事業拡大のために新規事業を手掛けなければ……と社長からいわれていたので、格好の事例となったようです。

おわりに

最近は、YouTubeチャンネルでも特許検索や特許検索、特許分析・パテントマップに関する動画コンテンツを配信しておりますので、こちらも合わせて参照いただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは情報収集費用として有効活用させていただきます!