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メギドDSについて語る

メギド72の前身となった作品についてしばしば語られるが、メギド72の元となったといえる作品は複数ある上、タイトルが似通っている。そのため各作品がごっちゃになって語られ、話が混線したり、かみ合わなかったりしてることが少なくない。数あるメギド系ゲームの中で本編に一番近い作品は何かといわれると、メギドDSだろう。

DSバブル期

メギドDSはDSバブル期(2007~2008年)に生まれたゲームの一つである。この頃は脳トレの影響を受けた知育ゲームが雨後の筍のように湧いていた。一方でタッチと二画面を活かした「世界樹の迷宮」のような骨太ゲームも生み出されていた。

メギドDSはパッケージの裏を見ると「フォトンの奪い合いバトル!アナタはこの頭脳戦を勝ち抜けるか!」とデカデカと書かれており、ジャンルも頭脳戦RPGと当時の流行りの知育系を若干意識していた部分がある。だが内容は現在のストーリーに近く、人が死ぬシーンが多いため、知育目的で買うとイメージと違うと白目をむくことになる。ただ当時の流行りを意識しまくり「右脳の達人 ガンバれっトレーナー」のように既存のゲームに無理矢理知育系タイトルをくっつけて「脳を鍛えるメギドDS」としなかったことには分別があるといえるだろう。

ストーリー

ストーリーは72でいうところの辺境の剣~赤い月までの内容。デザインこそ現在と異なるものの、キャラ名は今と同じソロモン72柱から取られており、初期メンバーはブネ、モラクス、バルバトス、シャックスと72とほとんど一緒。メギドDSは四人バトルだったためか最初は四人で始まる。ウェパルは物語中盤仲間になる。

ストーリーは似ているが、違う所がいくつもある。まずはハルマに当たる勢力がいない。そのため王都周りは結構変わっており、王都の女王がアイム、カマエルに当たる人物がおらず、ガブリエルポジの名はベリトになっている。アイムの性格は72と違い女傑キャラであり、アスモデウスに近い。ただ顔は72にかなり近く、アイムなのにアイムが絶対にいわないことを言うと72プレイヤーが見ると混乱するだろう。なお72のようにソロモンと女王はケンカすることがなく王都の話をクリアすると仲間に入る。

もう一つはウェパル。メギドDSでは葬送騎士団(DSでの呼び名は葬送教団)の生贄にされて助けられなかったエイルにあたる。DSでは生贄にされる直前にメギドの記憶を思い出し、なぜかソロモンの支援なしで幻獣と渡り合っていた。ウェパルは最初はメギドの記憶がなく、その頃はエイルのように主人公に積極的だが、目覚めた後は72に近い。メギドを自覚すると性格が変わるというのを示すキャラだが、主人公への好意は変わらず、ツンデレヒロインとして72以上に活躍の場が多い

最後は72では兵器だったアバドンがDSではメギドラルの大幹部の一人になっている。赤い月(DSではこっちが破壊兵器でアバドンに近い)でバトルになり倒すとエンド。メギドラルの侵攻は不可能に陥り、主人公は行方不明になる。ただエンディングの最後、主人公たちが生きている可能性が示唆され、実は侵攻はこれからも続くかもといった感じで終わる。ちゃんと続編は出す予定があったようで3DSが出た時、発売予定の中にメギド3DSがあったがいつの間にか予定表から消えていた

戦闘システム

フォトンの取り合いというのは今とだいぶ近いが、マスエフェクトがなく、隊列は武器に関わらず自由に配置でき、武器の違いも三すくみというより、剣は前列から後列を攻撃すると威力が下がるが、槍なら下がらないと、FFの前列後列武器に近いものになっていた。ラッシュ、カウンターの区分けがなく、代わりに地水火風の属性がある。

キャラ数は戦闘に出せるのが12キャラ+隠し1、サポーターが24人である。パーティは戦闘4人とサポーター1人で構成され、サポーターはオーブ兼マスエフェクトみたいなもの。ゲージが溜まると特殊効果が使用でき、サポーターと戦闘中のキャラの属性が一致すると様々な強化がかかる。

評価

評価については人によって変わる……というか一般的には低い。ファミ通レビューでは8、5、5、7だった。誰もが文句を言う点としては、2Dマップと3Dダンジョンとメガテンに近い移動形式なのだが、移動系は十字キーで、戦闘はタッチペンでやらなければいけないところ。

その手の形式のゲームはわりとあったのだが、戦闘中のタッチペンによる誤操作が多発する。72と同じでフォトンを3Dのキャラまで持っていく形式なのだが、フォトンの受け取り範囲がキャラの見た目と違う。特に顕著なのがブネで、見た目よりかなり大きく、ブネの隣のキャラにフォトンを渡そうとしたらブネに吸われたという誤操作が多く、他人のフォトンを食べるデブという蔑称がついた。後に72でブネのメギド体は他メギドと比べるとかなりの大食漢という設定があるが、DSを知ってる人ならニヤリとしただろう。

ストーリーも72に比べれば救いのある展開が多いものの死者が多くて暗いと言われがち。逆に死に過ぎてギャグみたいで素直に悲しめないという人も。

ゲームバランスは結構シビアな割に、全部同じフォトンが何回も出るなど、フォトンの乱数の生成の仕方に問題がある。自分がやった時も、アタックフォトンを取って必殺(72でいう奥義)を出せば勝ちなところで連続でスキルフォトンしか出なくて、悶絶したことが何度もあった。

ただそれでも世界観や、辛いことがあってもくじけず前に進む主人公とそれを支える仲間たち、どうフォトンを取るべきか毎戦闘ごとに考えさせるシステムに大いにハマった人も多い。72の配信もそういうハマった人の声が開発までに届いた結果だろう。

メギドDSはそんなに出荷されなかったようで、売り上げの割にワゴンで見かけることもない。プレミアとかいう前に現物が見当たらず、今から手に入れるのは難しい。ただ旅行中たまたま寄った古めのお店に新品が置いてあったという話はチラホラ聞くので、やりたい人はあきらめずに探してほしい。

72がある今、DSをやる意味はあるのかと疑問に思う人もいるだろうが、不完全ながらも72と同じ血、同じ熱を持った作品であり、その歴史を体感することで72の良さや楽しさが改めて浮き彫りになることもあるだろう。そして72でよく言われるモーションの良さはこの頃からあり、カクカクのポリゴンだが芸コマな動きをする。音楽は72と雰囲気が異なるものの、粒より揃いで72を知ってる人ならニヤリとするものも。無理にとは言わないが、手に取れる機会があるなら一度その歴史を確かめてみてはどうだろうか?

注意:メギドDSというゲームは存在しません。メギド72には前作があったという集団幻覚を自分なりに広げて作った与太話です。なおDSには今なお輝く名作が多く、DS本体も格安です。メギドDSやりたくなったのにないじゃんと思った人は「流星のロックマン3」とか「世界樹の迷宮3」とか「ロストマジック」とかやってください。楽しいです。

ちなみに集団幻覚って何だよって人はこちらから


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