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『いってらっしゃいの靴下』誕生秘話〜即300足完売!商品開発未経験の学生が、一歩踏み出した物語

みなさんこんにちは!
チュウブチームの鈴木です!

前回は、『【8/2オープン!】試行錯誤の店舗準備、その裏側をお届け!』の記事を書かせていただいたのですが、早いことにオープンから目まぐるしく時はすぎ、現在は既に私が担当するアナザー・チュウブが開催中でございます...!

アナザー・チュウブは12月7日にオープンし、既に残り約2週間となりました。。今では、次のアナザー・カントウの商品が続々と届き始めていたり、次の次のアナザー・キンキやアナザー・チュウゴクシコクに向けて、出張に行っているメンバーがいたり、、。「懐かしいなあ、羨ましいなあ、もうすぐ終わっちゃうなんて寂しいなあ」と思いつつ、改めてたくさんの方々にご協力いただいて、アナザー・チュウブが成り立っていることを日々実感しています。お世話になっている事業者様、アナザー・ジャパンを応援してくださっている方々の期待に応えられるよう残り期間、駆け抜けてまいります...!!!

チュウブって何部?〜分ければ分けるほど面白いチュウブ〜

たくさんの方々にご協力いただいて企画展ができているわけですが、今回はアナザー・チュウブのとある商品についてお話したいと思います。

その商品とは……
アナザー・ジャパン初となるオリジナル商品
『いってらっしゃいの靴下』です。

アナザー・ジャパンのSNS等を見てくださっている方にとっては、もう馴染みのある商品かもしれませんが(何度も発信させていただいております笑)、この『いってらっしゃいの靴下』は、アナザー・ジャパンの年間サポーター企業である株式会社わざわざ様とのコラボ企画として実現したものになっております。

このnoteでは、他のSNSでは伝えきれていないこの靴下に隠された裏側と、売り手として感じたことについて、鈴木の胸の内を語っていきたいと思います。

※note記事の文量を間違いがちな鈴木。今回もかなり多すぎる文字数になってしまいました。どうか最後まで読破いただけますと幸いです。
(最後まで読んでいただいた方に、ぜひお伝えしたいことがあります!)

▶︎最後のゴールは『作る』じゃなくて『売る』

1期生の任期の中でオリジナル商品をつくるのは、時間的にも難しいだろうと言われていた中、「じゃあ、一緒にもの作ろうよ!」という平田さんの一言から今回のものづくり共同プロジェクトが始動しました。
それが決まってからの1回目のミーティングで言われたこと。それは

「ただ自分たちが作りたいものを作っても売れない。」

「誰に向けて、こんなものを知ってほしい、だから私たちはこれを作る必要がある、そうしないとものは売れない。売れる商品を作る必要がある。」

正直、お恥ずかしいことに、コラボ商品といってもアナザー・ジャパンのロゴを入れたり、イメージカラーの赤にするくらいなのかなと思ってしまっていたけしからん当初の鈴木にとって、数々のオリジナル商品を生み出している平田さんのお言葉はとても心に突き刺さるものでした。(自分が作ったものが売れないって相当きついよっていうリアルなお言葉も鈴木を突き動かしました。)

「アナザー・ジャパンで初めてとなる商品開発。なんとしても成功させたい!売りたい!」と心に決め、ここから鈴木の靴下調査が始まりました。

まずはアナザー・ジャパンらしさを改めて確認するために、今までの研修動画を見返して初期のみんなの想いを確かめたり、靴下の競合調査、靴下の素材調べ、中川政七商店に実際に行って店員さんに食い気味に結構めんどくさい質問をしてみたり(笑)、幅広い年代に靴下調査を実施してみたり、アナザー・ジャパンにご来店くださるお客様を分析してみたり。
自分なりに調査をしながら、誰にどういう目的で売るかを設定しコンセプトを決めていきました。

靴下を考えるにあたっての資料の一部↑

これらの調査を経て考え出したのが『いってらっしゃいの靴下』。

「いってらっしゃい」という言葉は、実はアナザー・ジャパンのコンセプトでもある「いらっしゃい、おかえり、いってらっしゃい」から着想を得ています。

調査をしている中で、
アナザー・ジャパンとして、最終的には「実際に地域を訪れ、地域の魅力を体感していただく」というのが最大目標であり、それがもうひとつの日本をつくることに直結している、だからものだけを売ってちゃダメなんだ!という思いがメンバー全員にあることを改めて再認識しました。その思いが1番詰まった言葉が「いってらっしゃい」でした。
また、立地柄アナザー・ジャパンの主なお客さまであるオフィスワーカーの方々にとっても「いってらっしゃい」は、1日をスタートし今日も頑張ろうと前向きになれる言葉であったことから、「いってらっしゃい」という言葉がピッタリだ!となりました。

さらにアナザー・チュウブ開催期間中(12/7-2/5)はクリスマス、お正月、受験、バレンタインなどイベントが多く、プレゼント需要が高まる期間であったこと、そして、個人の思いとして「リーズナブルで使いやすい靴下が溢れる世の中で、靴下にあまりこだわりがないという方にも、”毎日履く靴下だからこそ”、履き心地の良い靴下を届けたい、日本の誇るべき技術やいいものを知るきっかけになってほしい」という思いがあったため、靴下調査をした中で競合がいなかったということもあり、『贈り物』に振り切った靴下をつくることが決まっていきました。

”誰かに贈りたくなる 誰かを送りたくなる
いってらっしゃいの靴下”

このように今まで調査した一つひとつの点がつながり合って、コンセプトがブワーーッと出来上がった瞬間はすごく爽快でした。

▶︎お互いがウィンウィンになる生産構造を作るということ

コンセプトが決まったのでいよいよここからが本番です!
ついにサイズや色決めを行い、最終的な企画決定、サンプル回し、生産工程、、、そして同時にパッケージ作成に入っていきます。

最初のミーティングで平田さんに教えていただいたことがもう一つありました。
それは、
工場に負担をかけずに『お互いがウィンウィンになる生産構造を作る必要がある』ということ。

工場のスケジュールなどを考えずに無理な取引をするところも現実に存在している中で、しっかりと会話をして工場の人のメリットと、こちらのメリットデメリットをすり合わせながらやるのを学んでほしい、ものづくりに関わる人がいい塩梅で幸せになれるようにしてほしい、これが平田さんの思いでした。

今回製造でご協力いただいたのは、
長野県にある1929年創業の靴下工場 株式会社タイコー様

実際に長野県へ出張に行った様子↑

この工場見学を通してわかったことは
想像以上に、靴下ができるまでにはさまざまな工程があって手間がかかっているということ。普段当たり前に履いている製品の裏側にはたくさんの方の労力や時間がかかっていることを実感することができました。

実際に靴下ができるまでには、
編み立て・・丸編み
かえし・・裏に返す
かがり(ロッソ)・・つま先を縫う
きずみ・・表に返す
セット・・100℃の熱(蒸気)1キロの圧力
検査・・穴、傷、汚れ、規格
装飾・・包装
検針、箱詰め・・パッキング
プリント・・シルクスクリーン
滑り止め・・塩ビ、シリコン樹脂
刺繍
転写・・熱転写
糸処理、糸切り・・端末の処理

など様々な工程が必要です。

そもそもこのものづくり企画が始動したのが8月下旬。
この時点でかなり通常よりも異例で、急ピッチで進めなければアナザー・チュウブには間に合わない可能性があるという状況でした。
そのような状況下にも関わらず、サンプルを回す中でこだわりたい部分があったり、問題点が出てきてしまったりで、製造を間に合わせるために1stサンプルで完成させるつもりが3rdサンプルでようやく納得のいくものができたりと、なかなかうまくいくことばかりではありませんでした。
(休日のタイコー・塚田さんにミーティングに出ていただいたこともありました。本当にありがとうございます。。)

最終サンプルが家に届いたときの写真↑

生産工程同時進行でパッケージの作成も進めていました。
アナザー・チュウブのエリアメンターをしてくださっている新山さんとのご縁もあり、パッケージは、福井県鯖江市のデザインカンパニーTSUGIのデザイナー・おつぼさんにしていただくことになりました。
このパッケージについても通常ではありえない納期でのお願いだったにも関わらず、TSUGIの皆さまにたくさんたくさんご協力いただいてなんとか完成させることができました....。
(パッケージだけでもnote記事3つは書けるくらい様々な試練があったのですが、永遠にnoteが終わらなくなるので今回は我慢します...。特に緊迫ヒヤヒヤの入稿当日は忘れもしません。)

今回、本当に良い生産構造を実現できたのかと問われると正直YESではないかもしれません。短すぎる納期、直前での無理なお願い。。。
その中でも、密に丁寧に連絡を取り合い、無理のないパターン、いけそうなパターンをなんとか考え、皆さまにご協力いただき、なんとか販売日を間に合わせることができました。
限られた時間の中で自分自身のこだわりたい部分と各社の許容範囲・想いがある中でどう折り合いをつけていくか、決断していくかの難しさを実感しました。

全力でご協力してくださったみなさまには感謝してしきれません。
このご恩をどう返すか。私にできることは何か。

ついに形となった『いってらっしゃいの靴下』↑

それは靴下を完売させること。ただ一つでした。

▶︎売り手としての成長

自分が選択したことに自信を持って、最後は気合いで売ろう!やり抜こう!と覚悟を決めたものの、正直自分が作った商品に対して、本当にこれでよかったのかな、もっといい商品が作れたんじゃないかな、、と販売初日は不安でたまりませんでした。

それでもアナザー・チュウブ開始からたくさんのお客さまとコミュニケーションをとっていく中で、
受験を控える息子に贈りますと嬉しそうに買ってくださった方
妻にプレゼントしますと自分用と合わせて2足買ってくださる方
触り心地に感動して買ってくださる方
コンセプトに感動して買ってくださる方
職場が寒いところだから試しに買ってみます!とワクワクしながら買ってくださる方
アイスホッケーの大事な試合で履きたいと買ってくれた方

いってらっしゃいの靴下を通してたくさんのお客さまと出会うことができ、
実際に自分が作ったものがお客さまに届いて、お客様の声を生で聞く嬉しさや尊さを知りました。本当に本当に嬉しかったです。

普段は売り手兼使い手ですが、今回こうして作り手としてものづくりに携わらせていただいたことで、商品への想いだけではなく、普段使い手として気が付きにくいどれだけの時間や労力が費やされているかを肌で感じることができました。だからこそ売り手として、販売させていただいている大切の商品をもっと責任を持って多くの商品をお客さまに届けたい、そしてお客様の声をもっと届けたいと改めて強く思いました。売り手として使い手さんと作り手さんを結べる存在でありたいです。

また、直接生産者の方とお話をし、見て感じたことをお客さまにそのまま伝えるという、人と人との繋がりが強いアナザージャパンだからこそもっとできることがあるのではと感じます。

アナザー・チュウブ展でお世話になっている地域の作り手さんと店内入れ替え中のメンバーたち
実際に現地に行ったときの写真↑

そして、『学生であること』。これも私たちの一つの武器です。
これは一歩間違えたら甘えにもなりかねないもので、『だから学生は...』と言われてしまうかもしれません。でも経営の知識も経験も少ない『学生だから』、現実的にどれくらいのことができるかをいい意味で知らないからこそ、見える視点や思い切ってチャレンジできることが沢山あり、やり遂げられる可能性を秘めていると思います。

アナザー・ジャパンがうまく機能しなくて潰れてしまっても、正直わたしたち学生は生きていくことができてしまいます。
それでも、都市部と地域の両方が元気になる商売の在り方として、そしてこれからの日本に今までと違う兆しを見出せるきっかけになる存在として、日本の将来を担う存在として、若い世代に託すという大きな期待があるからこそ、アナザー・ジャパンは「潰れられないお店」です。
地元の魅力を再発見し、それを伝えることができて、多くのつながりが生まれていく、そんなあたたかいアナザー・ジャパンは私たちにとっても大切な場所であり、繋げていかなければならない私たちのお店です。

現実を見てできないかも、ではなくて、それでも実現させよう!という強い気持ちを持って、アナザー・ジャパンだからこそできることを軸に、地域の方、お客さまをもっともっと巻き込んでいきたい!そして、学生が経営する地域産品のセレクトショップというだけでは終わらずに、地域に、日本に、新しい風吹かしていきたいです!
(結構セトラー、熱苦しいほど熱量ある人ばっかりだもんね。私たちの底力こんなもんじゃないぞーー!)

実は靴下の販売をなんとかアナザー・チュウブに間に合わせるために、梱包を自分たちで行いました。
なかなか綺麗に梱包できていないものもあるかもしれませんが、ここは学生らしい味として
お楽しみいただけると嬉しいです。😂


▶︎トークイベント開催!

1月21日(土)に株式会社わざわざ・平田さんをお招きして『いってらっしゃいの靴下』ができるまでのトークイベントを開催しました。

赤裸々にセトラー用の資料をお見せしながらトークイベントをしました↑

急遽、対面を取りやめ、オンライン配信のみとなってしまいましたが、
トークイベントでは、鈴木と平田さんの関係性から、靴下が出来上がるまでの過程、作った商品の売り方、ものづくりの実態などを質疑応答を交えながらお話ししていきました。

掃いて捨てるほどモノが溢れている世の中だからこそ、モノを作る人、買う人、売る人、それぞれがどう向き合い関わっていくかを改めて考えるきっかけとなる時間になりました。

トークイベントの内容については多くの方に届けたい内容が盛りだくさんだったので、後日改めてnoteにて発信させていただきます。
皆さんお楽しみに!

実は店舗の超ど真ん中でお客さまにも見えるところから配信をしていました笑↑

私が悩んでいるとき、どっちがワクワクするの?ワクワクする方にしなよ!そっちの方が楽しいよ!と、ものづくりの基本、大変さだけではなく、自分が良いと思えるものを選択するというものづくりの楽しさも教えてくださり、優しく伴走してくださった平田さん。

当初は企画担当、進行管理、生産管理など分業して少なくとも3人のメンバーで行う予定だったところを一人でやりたい!となんとかお願いして鈴木一人でやらせていただいた今回のものづくり企画。
そのおかげでたくさん迷惑をおかけしてしまうこともたくさんあったし、不安でいっぱいだったけど、なんとか売れる商品を作りたい、お客さまに良いものを届けたい、その一心で乗り越えることができました。自身の成長だけでなく、アナザー・ジャパンとしての存在意義も考えさせられる大きな起点となりました。

改めて大きな一歩を踏み出す機会を作ってくださりありがとうございました。

『いってらっしゃいの靴下』はそんな一歩を踏み出そうとしている誰かを送り出すときに贈りたくなる靴下です。この靴下が日本の誇るべき技術や日本のいいものを知るきっかけとなれば幸いです。そして、どんな時も寄り添ってくれる靴下となりますように。

▶︎チュウブ、ラストスパート一緒に駆け抜けてくれませんか?

実はこちらの『いってらっしゃいの靴下』、1月19日に300足完売いたしました!
たくさんの方に喜んでいただくことができて本当に感無量です...!!

そして、大変ご好評いただいたということで、またまた皆さまに全力でご協力いただき200足限定で追加販売が決定いたしました!

アナザー・チュウブも残り2週間。
1期生では事業所さんとのコラボ商品開発は、流石に時間もないし無理だろうと言われていた中でもなんとか実現した今回の商品開発。
アナザー・チュウブとしてもアナザー・ジャパンとしても一歩前進するきっかけとなった商品で、心の底から自信を持って良いと言える靴下になっています。自分が作ったからという理由ではなく、本当に一度皆さんに履いて試してほしい!!と強く思うくらい履き心地がいいのです…!

靴下を500足完売させることでお世話になった方々に恩返しがしたい、そしてチュウブの方々のたくさんの想いが詰まったアナザー・チュウブ、もっとたくさんの方に足を運んでいただきたいです。
ぜひ『いってらっしゃいの靴下』を通して、チュウブのラストスパートを一緒に駆け抜けてくれませんか?

アナザー・ジャパンを応援したいと思った方、『いってらっしゃいの靴下』を履いてみたい!アナザー・チュウブにいってみたい!を思った方、ぜひこちらのnote記事をTwitter、Instagram、Facebookなどでシェアしていただけると嬉しいです🧦

#アナザー・ジャパン #いってらっしゃいの靴下
のハッシュタグをつけてアナザー・ジャパンを一緒に盛り上げていただきたいです!

店頭にて皆様にお会いできることを楽しみにしております!

以上、鈴木でした〜!
(ここまで読んでくださった皆様、本当に本当にありがとうございます!!)

本日のライター:Noko Suzuki(チュウブ)

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学生経営の47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」

住所:東京都千代田区大手町二丁目6番3号 TOKYO TORCH
銭瓶町ビルディング1階 ぜにがめプレイス
営業時間 : 全日 10:00〜19:00
(各企画展の入れ替えの日は店舗休業となります。詳しくはインスタまで)

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