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太田知也「グラウコスの海藻」

◆作品紹介

化学製品〈プリテンティック〉の微細片によって汚染された世界。集落に迫る存亡の危機を退けるべく立ち上がった一人の少年は外洋で、とある少女と出会う——マイクロプラスティックを念頭に置いたであろう未来への冷徹なまなざしに根差しつつ、冒険・謎解き・恋愛・アクションとエンターテインメントのエッセンスが惜しみなく注がれ、物語全体をみずみずしさが満たしている。地球にあまねく散らばるプラスティック、混ざり合う腸内細菌、変化するスピーシーズ。あらゆる界面がにじみ続ける世界で繰り広げられるボーイ“ミーツ”ガール、あるいはファースト“コンタクト”の行方を、ぜひ見届けてほしい。(編・青山新)

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