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ユキミ・オガワ/大滝瓶太・訳「ニニ」
◆作品紹介
どこか懐かしく、どこか澱んだ未来。「ニニ」は木の下でモチを食べ、老人たちにニコニコと笑いかける。穏やかな宇宙ステーションの中で、人と機械たちは互いに水を飲み、食べ物を食べ、神様を信じている。それらは一見同じように見えるのだが、どうしても重なりあえない。一体なにが違うのだろうか? どこに境界があるというのだろうか?——そんな幾度となく繰り返されてきた問いもまた、遥かな時間の中に溶けてゆく。ここでは人であれ機械であれ神であれ、誰からも必要とされなくなった後の物語が語られている。そこに救いは訪れない。彼らはただ、無くなるまで在り続ける。しかし最後にあなたは目にするだろう、未来の果てに広がる異形の調和を。(編・青山新)
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18,118字
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