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天沢時生『Uh-Oh』

1/28(日)、anon pressより天沢時生『Uh-Oh』を刊行します。擬人化された実在の企業が宇宙船内部で殺し合うという話で、おもしろすぎるのに大人の事情でお蔵入りになり続けてきた幻のイカれ小説です。
著者本人も気に入っている自信作とのことで、今回の刊行にあたっての熱い思いを語っていただきました。ぜひお読みください。そしてこのヤバさに気づいた方は黙って記事末尾のAmazonリンクへ! (編・樋口恭介、青山新)


 ヤバい小説が間もなくリリースされます。
 著者自身、とても気に入っている作品で、これまで出版各社に掛け合ってきたのだけれど、なかなか快い返事をもらえませんでした。編集者が口を揃えて言うことには「めっちゃ面白いけど色々ヤバいので商業出版はハードモード」とのこと。
 掛け合っておいてなんですが、俺もそう思う。
 なので、さすがに塩漬けかなあ、といっときはあきらめかけていたのですが、anon pressの樋口恭介さんに相談したら「とりあえず出すことは決定で」とソッコーで返事が来たのでビビりました。
 そういった経緯で、本当にいいのですか、という気すら逆にするのですが、今回の出版チャンスを得ることができました。
 初出はかつて受講していたゲンロンSF創作講座の課題実作です。お題をくれたのは創元SF短編賞の先輩でもある宮内悠介さん。課題内容は「遊べ! 不合理なまでに!」——遊戯としてのジャンル小説を目指してください、というものでした。思えば俺は今に至るまで、宮内さんのこの課題に応える遊びを一人で勝手につづけている気がします。ずっと遊びつづけている。本作はそんなターニングポイントにある作品で、だからこそ愛着も深いのかもしれません。
 改稿が趣味なので、今に至るまで足掛け数年、趣味でちょこちょこ魔改稿を繰り返してきました。さらにはanon pressさまのご厚意で「そないしてホンマにええのん……?」と心配になっちゃいそうな電子書籍ならではのギミックも実装。ヤバさが倍増しています。
 出版のチャンスを得た、と先述したけれども、1月20日の今日もらったばかりの樋口さんのメールには「ちなみにAmazonの審査でリリース不可となる可能性もあります」との文言もあり、ぶっちゃけ本当に出版されるのか今も半信半疑です。認可がおりることを祈っています。届け祈りよ! Uh-Men!

2024年1月20日
天沢時生



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