記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

感想文【小説】愛も夢も手に入れた後

 花咲ありす様が書かれた小説に、どっぷり浸かってしまいまして、悠也になりきってしまい感想文を書いている理生です。こんにちは😊

#挨拶文を楽しもう
#蒼広樹

 出来る限りネタバレしないように、感想文を書きたかったのですが、ネタバレしないと、感想文が書けませんでした😭

 先に、花咲ありす様の小説をお読みになって頂きたいと存じます。




 一気読みしてしまいました。

 女性と男性の考え方というか、気持ちは違います。それをリアルに描かれています。

 とても考えさせられる内容になっていて、遠距離恋愛からの恋と結婚の違いなど、大変深い小説だと感じ入りました。

 ここからは、小説を引用させて頂きながら、私が小説に入り込んでしまった感想文を書かせていただきたいと思います。
 私は、悠也(男性)側の観点でなりきって感想文を書いております。



ソファー席に座ってコーヒーを飲みながら、パソコンを開いている。私は人殺しをしてきたというのに、悠也は涼しい顔をして、仕事でもしているのだろうか。自分と悠也の二人ともが、いなくなった子の親だとしても、温度差があり過ぎると穂乃果は思った。

第2話抜粋

 悠也としては涼しい顔をしているつもりは全く無いのですが、穂乃果から見るとそのように見えるんだな、と思いました。どうすれば良かったんだろう…??
 温度差があり過ぎる…とてもいい表現だと思います。


そして中絶手術の後、初めてのセックスをした。
 恐る恐るといった感じの穂乃果とは違い、悠也は激しかった。そして妊娠した過ちの根源となった行為を、また行おうとした。コンドームなしで挿入しようとしたのだ。

第3話抜粋

 ここも女性と男性の感情の大きな乖離があります。手術後はまだ傷が元に戻っていないこともありますので、男性はそっと優しくしなければなりません。むしろ、セックスではなく、前戯だけで終わらせる方がいいのではと今なら思うのですが、悠也はまだ若かったのだなという青さが見受けられました。(青さで片づけたら、女性陣に怒られますね。でも、実際そうだったんだもの)
 あまりにもリアル過ぎて、驚きました。


電話を切った後、穂乃果は東京で付き合っていた頃と、初めて送ってくれたエアメールの文面と、電話での悠也が同一人物とは思えないような寂しさを覚えた。離れると人は変わってしまうのだろうか。しかもこんなに早く? 穂乃果は胸騒ぎを押し殺すように、左手の指輪をなでた。
(大丈夫、私たちはきっとうまくやれる)
 そう自分に言い聞かせて穂乃果は眠りについた。

第4話抜粋

 穂乃果がロンドンにすぐに慣れていくように、悠也も1人でいることにすぐに慣れているという描写だと私は思いました。
 初めて送ったエアメールは、寂しい感情が支配していたので文面が愛に満ちていたと思われますが、電話は会話になるので、会えない寂しさを押し殺して話をすると、冷たく思われたのかもしれません。
 しかし、電話で変わってしまったと思われていますが、悠也からみても、穂乃果は変わってしまったと捉えているのではと思います。
 遠く離れた二人の距離感の変化を上手に描写していると勉強になりました。


年が変わる瞬間は二人でベッドにいて、テーブルの上のグラスを取るのがわずらわしく、ベッドの中で裸のまま、二人してシャンパンのボトルを豪快にラッパ飲みして笑った。二人ともこの上なく酔っぱらっていた。幸せな年明けだと思った。

第4話抜粋

 「テーブルの上のグラスを取るのがわずらわしく」という箇所がとても好きです。
 これは本当に面白かったです。シャンパンボトルをそのまま飲んでも口の横から出ちゃうんですよね。それが、ベッドのシーツに染み込んでいくのですが、「冷たいね」って笑いながら、シャンパンのキスをする。一緒にアホみたいなことをして、今でも思い出す二人でいる本当に幸せな年明けの一コマだったよ。


穂乃果は悠也に聞いてみた。「部屋に入って来た時、なんであんなに冷めてたの?」
「冷めてないよ。ちょっと照れくさかったんだ。感動的な再会のシーンみたいなのが…」
 悠也はちょっと照れながら言った。本当だろうか、と穂乃果は思った。

第5話抜粋

 これとてもよく分かります。恥ずかしいんですよね。久しぶりの再会というか、彼女が側に居なかったというのに慣れてしまっていたんでしょうね。
 でも、穂乃果からしたら、それが留学前の時と違うと思ってしまう。そうだと思いますが、決して冷めていたわけではなく、むしろ会えた嬉しさがありすぎて、どうやって接していたっけとも思っちゃって、距離間が分からなかったんです💦


留学せずに子どもを産んでいたら、どうなっていただろう。幸せな家庭を築いていただろうか。きっと、ロンドンに行けなかった不満を子どものせいにして、幸せではないと感じたのではないか。だからといって、自分の思い通りの順番で、留学して、好きな仕事に就いて、結婚して、子どもを産むなんて、自分の頭の中の計画通りにはいかないのだ。

第5話抜粋

 どちらを取るか。
 個人的には、留学を選択したこの小説の通りが良かったと私も思います。

 ここは、たら・ればになりますので、無理やり引き留めて、産んでくれたとしても、後悔の念がずっと残ってしまうので、結果、留学して良かったんだと思いますが、本当に計画通りには行かないものですね。
 タイミングって、結婚にはとても重要なファクターだと感じています。好きだけでは、一緒になれないこともあるんですよね。


もう、言葉にならなかった。穂乃果は叫びながら泣いた。悠也が背中をさすってくれたが、その手を振り払った。最悪だ。何もかも幻だった。本当に愛も夢も何もない。何も手に入れてなんかいない。手に入れたと思っていたものは、偽物だった。私には何もない、と穂乃果は絶望した。
「前の彼女のために500万も借金したって何? 私のためには東京出張のついでにしか会いに来ないくせに、その彼女のためには借金までして会いに行ってたんだ?」
 穂乃果は泣き叫んだ。

最終話抜粋

 お金も重要なファクターですね。
 今から考えたら、500万ぐらいであれば、どうとでも出来たような気もするのですが、まだ若かったのでそのように考えることが出来なかったんですよね。
 最終的にお金が別れる引き金になったので、お金では無かったのかもしれません。穂乃果が別れるためのキッカケでは無かっただろうか、私にはそう映りました。なので、別れて良かったのかもとも思います。
 ただ、愛も偽物だったと思わせてしまったことに、少し悲しく感じました。


それから、悠也からは連絡もなかった。これであっけなく終わったのだ、と穂乃果は思った。私は本当に、悠也に愛されていたのだろうか。それさえももう怪しい気がしていた。でもそれはさほど問題ではない。自分は心の底から悠也を愛していた。それだけで十分だ。ロンドンに行ったことも後悔していない。中絶を選んだのも自分の選択だった。どちらにしろ、あの時は産めなかったのだと、後からわかったのだけど…。

最終話 抜粋

 愛していたのだと思います。連絡取れなかったのは、それだけ穂乃果の決意が固かったからです。別に他に浮気していたわけでもなさそうなので。
 本当は連絡取りたかったのですが、今の自分には何もすることが出来ないからだと思ってしまって、穂乃果のことを考えて連絡出来ませんでした。
 連絡していたら、変わっていたのかなとも思いますが、どちらが正解だったのかは今も分かりません。


穂乃果は悠也にもらった指輪を、キューピーの頭に被せた。
「見ててね。私はロンドンに行ったことをちゃんと将来に活かしてみせる」
 そう言うと穂乃果は翻訳の仕事にエントリーした。(完)

最終話 抜粋

 貴女のことは、生涯忘れることはできないでしょう。心の底から愛しておりました。
 幸せにお過ごしなされていることを、本当に勝手ながら願っております。


以上です。


 かなり悠也に入り込んでしまった感想文で、感想文なのかなんなのか自分でもよく分からなくなってきました、大変失礼いたしました😅

 花咲ありす様の「愛も夢も手に入れた後」を読んでいて、私が世界にどっぷりと入り込んでしまいました。
 小説というのは、その世界に入り込むことが出来て、小説というのではないかと、最近、私は考えております。

 とても面白い作品でございました。
 そして、誠にありがとうございました🙇


スズムラさんの帯使わせて頂きました~!!
ありがとうございます✨


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?