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第6話 私の朝はいつも早い・・・わけないじゃん!早く起きれたらなぁ

◁前回のお話

★登場人物紹介★
廷上ていじょう 風花ふうか
本編の主人公 「ふう」とみんなから呼ばれている
性別:女 年齢:17歳 誕生日:4月10日
見た目:黒い長い髪、身長162cm、ボーイッシュ

篠山しのやま 琴実ことみ
風花の幼馴染
性別:女 年齢:17歳 誕生日:10月13日
見た目:茶色に染めた髪、身長150cm(小柄)、イメージは小さくて可愛らしい、目はまん丸二重

京極きょうごく 美希みき
風花の同級生
性別:女 年齢:16歳 誕生日:3月7日
黒くて長い綺麗な髪、身長173cm(モデル体系)、着物が似合う、綺麗で細い

ジリリリリ・・・

今時、ジリリリって鳴る目覚ましもどうかと思うけど、目覚ましで私の朝は、はじまる。
「ふわぁ~」って、大きな背伸びをして、体を起こす。

「あら、珍しい。目覚ましで起きるなんて」
 お母さんが、エプロン姿で登場してきた。
「あ、おはよ」
「いつも、私が起こしにくるまで、起きないのにね」

 ・・・私は、リビングに向かう。
テーブルには、トーストにスクランブルエッグに、ローストしたハム。
朝食は、和食ではなく、洋食スタイルなのだ。

 どうやら、お母さんの仕事が関連している・・・らしい。
というか、たまにはさ、和食が食べたいんだけどな。
 でも、その為には、お母さんより早起きしなくちゃならないから、多分無理。

 私は、日課のオレンジジュースを飲みながら、朝のテレビを見る。
どんなに、遅刻しようが、絶対にテレビを見るんだ。
って、私はそう心に決めている。

「今日もテストでしょ。昨日、すぐに寝ちゃったのに、大丈夫なの? 」
「うん、大丈夫」
 私は、トーストを食べながら、テレビに視線を止めたまま、返事した。
「お母さん、落第なんて、嫌よ」
「はぁ~い」
って、私は、生返事をする。

「じゃあ、仕事に行ってくるから、後はよろしくね。テスト頑張って」
「うん、行ってらっしゃ~い」
と、私は、お母さんを見送る。
 お母さんは、スーツ姿で、手には大きなゴミ袋を持って、毎朝、仕事場に出掛ける。

 高校が近くなので、いつもお母さんの方が早く出る。
 だから、ギリギリまで寝ていられるから、静山丘しずやまがおか高校にしたんだけど、今朝は、昨日の柴犬が気になって早く出たかった。
 食器を洗って、服を着替えて、私しかいない家をすぐに出た。
「いってきまぁ~す」

***

 昨日、柴犬に会ったのは、家から学校に向かう途中の家が並んでいる道。
あんまり車も通らない住宅街だから、柴犬が車とぶつかることもないと思うけど・・・

 あ、琴実ことみだ。

「おはよ、ふう。ちゃんと起きれてた? 」
 琴実ことみからのメッセージに、返事を返す。
「うん、起きれたよ~。もう学校に向かってるょ、たぶんね」
「え、マジで?ありえないんだけど・・・、じゃあ、学校でね~」
と、メッセージのやり取りを続ける。

 空を見上げる。
やっぱり今日も青空だ。
 雲の隙間から、太陽が顔をのぞかせているのが、すごく気持ちがいい。
 昨日の雨で、風邪をひくかなって思ったけど、体は元気だ。

 柴犬と会ったその場所に、近づいた。
私は、辺りをキョロキョロと見渡した。

・・・けれど、柴犬はいなかった。
今朝も会えるかな、って思ったんだけどなぁ・・・ちょっと、残念。
もしかして、昨日の雨で、風邪ひいたんじゃぁ・・・
私って、バカだから、風邪ひかないんじゃぁ・・・

 私は、肩を落として、落胆らくたんした・・・って、ちょっと大げさかな?
 でも、柴犬は、どんなに探してもいなかったから、仕方無いよね。
今日も、テストがあるから、とりあえず学校に行かなくちゃ。また、担任の安部あべに怒られちゃう。

 駅前を通りこして、踏み切りを渡って、坂を上れば高校だ。
この坂が結構キツイ。近所の難所の一つ、恐怖の静山坂しずやまざかなのだ。
 冬の耐寒マラソンなんて、ゴール寸前の最後の最後に、この坂があるから、恐怖の静山坂しずやまざかって呼ばれてる。

 私は、走るのが苦手・・・っていうか、めんどくさい的な。
あと、自転車で来る子達もこの難所に苦戦してる。
 ただ、一人を除いて・・・

「おはようございます」
「おはようございます」
「おう、おはよ、おはよ」
 その、ただ一人がやって来た。私も挨拶をする。

「おはようございます、先生」
「おお、廷上ていじょう。今日は遅刻しなかったんだな」
「ええ、まぁ・・・」
担任の安部あべは、唯一この難所を普通に・・・普通をよそおって・・・自転車で登ってくる。
 熱血をアピっているのだけど、私から見たら、無駄な努力。もっと他にしなくちゃならないことがあると思うけど・・・

「おはよ、ふう」
 後ろから、声をかけられる。
「おはよ、美希みき
「今日のテスト大丈夫? 」
 学校一の秀才が、私に聞いてきた。
「うん、多分ダメ」
「あきらめんの、早くない? 」
「え、どうでもいいじゃん、テストなんか」
「でも、落第しないでね。ふうと一緒に卒業したいし」

私達は、校門をくぐった。
私は、美希みきに昨日の柴犬の話はしなかった。

続く

次のお話▷

あとがき

 この「風の花 しばし見交わす 恋の実を」は、私が18歳ぐらいから書き出していて、何の携帯小説サイトか忘れましたが、投稿していて、22歳ぐらいの時に「小説家になろう」に再投稿していました。

 ちなみに未完です🤭
 読んでいただける方がいたので、昔の作品で無茶苦茶な内容ですけれど、私は懐かしみながら、投稿を再開したいと思います。
 50話まで書いていたようです。

次のお話▷


🐶「風の花」バックナンバー🐶
第1話 あなたは柴犬?
第2話 信じてくれないよね?
第3話 あれれ?晴れから曇り
第4話 星がある公園だよ!
第5話 嘘ってつくの苦手ぇ〜 
第6話 私の朝はいつも早い・・・わけないじゃん!早く起きれたらなぁ 
第7話 第7話 テストって退屈じゃない?

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