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#11 寂しいよ、のSOS

先週から息子は春休みに入りました。

長期休みは、私が仕事の日は職場の託児園に一緒に連れて行き、私の勤務時間が終わるまで他の園児たちと一緒に過ごすのが定番。

8か月の頃から子連れ出勤を続けているので、同僚の先生方も息子と年齢が近い子ども達も、みんな慣れっこで気さくに迎え入れてくれます。

息子にとっても安心できる場所の1つとなり、そんな場所を作ってあげられただけでも、ワーママを続けて良かったと思えています。

最近、認可保育園が決まるまでの繋ぎとして、5歳の男の子が入園しました。
(以下、S君と呼ぶことにします^^)

もちろん息子とも初対面。

初対面にめっぽう弱い息子は、とにかく私の影に隠れて顔を見ようともしません(笑)そんな息子に慣れっこの他の子たちは、また後で誘いに来よう~位の気持ちで構わずにいてくれます。

しかしS君の第一声は、

「なにビビってんの?女なの??」

おおおおぉぉう?!!!

私は軽い衝撃を受けましたが、息子はよく分かっておらず(笑)でも、相手の気持ちは敏感に感じ取るタイプなので、心の扉は閉まるばかり。。。

その後も、何かにつけて邪険にしたり、めんどくさがったり。

もちろん、理解して受け入れてもらうことを求めてはいませんでしたが、鬱陶しく思う気持ちが伝わってきて、親としては悲しくなります。

お昼ご飯の時間も、「ママ、ママ~」と私を呼ぶ息子に、「なんでママとか言ってんの。」と突っかかってくるS君。そこに、入園時から息子と一緒だった女の子が、「先生がママなんだよ。」と言ってくれます。

するとS君はあっさり、「そんなの知ってるよ。」

そう、息子とはじめましての時に私は説明していました。あまりに突っかかってくるので、よく分かってないかなぁとも思っていましたが。

やっぱり、ちゃんと分かっていました。

分かってるのに攻撃的な態度ばかり取ってきて!!!

と、母親としての気持ちが優先してしまいましたが、S君の抱える家庭事情を考えれば、無理もない彼の感情だったはずです。

1歳の頃に両親が離婚して、父子家庭。最近、ママと呼んでいる(呼ばせている?)女性がいるようですが、関係は不明。親戚との交流はなく、顔も覚えていないとか。。。

パパが大好きで仲の良い親子。

そしてその裏にある、5歳の男の子のママを求める寂しさ。

私と息子が一緒に園に来た姿を、ママと呼んでくっついて歩く様子をどんな気持ちで見ていたんだろう。

なんですぐにピンと来なかったんだ、と、息子への攻撃にばかり敏感になる自分が悔しくなります。

満足なフォローもしてあげられないまま、私の出勤とS君の登園がすれ違ってばかりの数日が過ぎ、私の後悔も膨らんでいきました。

そんなある日。

仕事が休みで、息子を小児科に連れていく途中(花粉症)、託児園でよく連れていく公園の横を通り過ぎました。案の定、知ってる顔がチラホラ。

同僚の先生に声を掛けて挨拶をしていると、私に気付いたS君が駆け寄って来てくれました。

自然と身構えてしまう。。。
しかし、予想に反してS君は笑顔で、明日先生来るー?なんて聞いてきてくれました。そんな様子を見て、息子も安心したのか、別れ際は元気に「バイバーイ!」

少し歩き始めると公園の中を追いかけてくるS君の姿が。

フェンス越しに、「明日あそぼーね!!」と言ってくれました。

そして息子の方を見て一言、

「話せるようになってよかった。」


向き合ってくれました。

もしかしたら、まだまだモヤモヤした気持ちの真ん中にいるかもしれない。

でも、自分の気持ちをどこかで乗り越えて向き合ってくれました。

弱くて脆くて、時にびっくりするほど強い子どもの心。

私はまだまだ勉強不足です。

力不足を恥じながらも、保育士プラス母親という状況の下でS君に関われて良かった、と思えます。
大事な気持ちを教えてくれました。


気付けば季節はもう春。

"人生で出会う人は全て決まっている"
昔に聞いたこの言葉をふと思い出し、その意味を噛みしめながら、新しい春を迎えようと思います。

#子育ての記録 #子育て #育児
#保育士 #託児所 #この春勉強したいこと
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