渋々デビュー、ル・クルーゼ鍋
ル・クルーゼの鍋がずっと家に眠っていた。
私が30代前半だった頃、同僚だったパソコンが苦手なおじさんの手伝いを少ししたとき、いたく感動してくださり、お礼にとプレゼントしてくれたのだ。家族がル・クルーゼに勤めていて安く買えるからとのことだった。
せっかく頂いた、自分では買えない高級おしゃれ鍋なので、新婚さんになったら使おう…とずっと取っておいた。
当時、台所の主だった母に託してしまうと、母は絶対に焦がすタイプだったので渡すのは嫌だった。
母がいなくなってしまい、ポソポソと家事をし始め、ル・クルーゼのことを思い出した。
新婚になったら…って、いつになるか分からない。
もう、あの鍋を使おう。
10年以上眠っていた箱を開けた。
中の説明書も黄ばんでいた。
待っててくれたんやね…。ごめんね。
私はしっかり説明書を読むタイプなのでページを開いた。
ええと…、
「ようこそル・クルーゼへ」
ふむふむ。
「ル・クルーゼはフランスにて200年以上の歴史を持つ。」
うん。私の大好きな国やんか。
「ル・クルーゼではおいしくいただくために調理中は<弱火>が原則です。」
な〜に〜!?
私、弱火めっちゃ好きやねんけど〜!基本弱火なんですけど〜!!
料理初心者の私は、中火だと火にかけながらの調理が間に合わず、弱火を多用していた。なので、スピード重視の中華には手を出していない。
原則弱火なんて…また私の「前世フランス人説」が濃厚になったな。気が合うったらない。
すっかりこの鍋が気に入った私は、早速パンフレットに載っていたお米を炊く、というのをやってみた。
「最初は中火で沸騰したら弱火にして10分程で火を止める。」
えっ、蓋閉めてるから沸騰したかなんて分かんないんですけど。透明でもないし。
音でもするのかいなと思っていたけど、プシューと吹きこぼれたので沸騰したと判断し、弱火にして10分。後は熱源から降ろし、15分放っとく。
できました。
下の方がべちょっとしてるかな?と思ったのでよく混ぜた。
まあまあ上手く炊けた。
でも、鍋なので炊飯器ほどキレイに米粒が取りきれない。
うん、餅は餅屋っていうもんね。
次回からはご飯は炊飯器で炊こう。
和風デビューを果たしたル・クルーゼだけど、次は似合いそうなビーフシチューでも作ってみようかな。
まず、お仏壇にお供えしてご先祖さまに「子孫が〇〇様からこんなサポート頂けるようになったよ!」と報告し、一族で喜びます。