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オカバヤシハルオの冒険

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2023年3月の記事一覧

地球の総人口の半数がいる診療所

オンボロロボットたちが「暮らす」街から、カエルの運転する路線バスに乗って、海沿いを20分ほど移動したら、Hollow Wharfという漁村に着いた。

本当に200万年後に居るのか心配になるほどの見覚えのある漁村の風景だが、「現在(200万年前)」ではないのは間違いない。目に入ってくる小道具がいろいろと古いのだ。公衆電話ボックス(ダイヤル式)とか、タバコの自動販売機とか、軒下のテーブル型ビデオゲー

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演説会場

「それで結局、ここは本当に200万年後なんですか?」
「200万年後でも、200万年前でも、今が明治122年であることにかわりはないわ」
「そうですか」
「そうよ」

「所謂、イジメの正体は変態性欲なのですな。家庭内暴力も、校内暴力も、これすべて、変態性欲です。この変態性欲が発現しやすいのが、思春期であります。つまり、初めてでよくわからない。だから、拗らせてしまう…」

「誰です?」
「大家よ」

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乗船拒否

「だって、人間はダメでしょ」と船長は笑った。
なぜ?
「譲れない目的が別にあるものはダメです」。
目的って?
「生きることですよ」
だって、生き物だから。
「人間は自分が生き物だから、生きることが絶対に譲れないもので、且つ、生きることは、どんな状況、どんな場所でも、無条件に尊重されるべきだと信じ切っていますが、違いますよ。知性活動にとって生きることは必須ではなんでもありません。人間にはトイレの時間

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本当に人間は13人だけなのか?

親切なGuiniuGがオンラインで教えてくれた。

「絵画の価値を貶めるつもりは毛頭ないのだけれど、生き物を研究して知性の謎を解き明かそうとするのは、これ、絵画を研究して芸術とはなんぞやという問いに答えようとするようなものでしょう。

「そう、間違いではないが、一面的。絵画が芸術の全てではないからです。つまり、アリの知性、カラスの知性、タコの知性…あらゆる生物種の知性を研究したところで、得られる答

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自分「死亡通知」

もう半年も住んでいる200万年後の世界が、明治154年とあまり変わらない風景なのは、裏に、何か特別な、しかし極簡単なカラクリがあるからだろうが、それが分かったところで、トクにトクになるわけでもないので、その問題の解明はナルヨウニナルで流して、街の洋食屋さんでカニクリーム饂飩を食べていたら、後ろの席の話し声が聞こえてきた。

【未知の声】:孤独死の自衛策として、もう、10年も前から実践していることが

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