本当に人間は13人だけなのか?

親切なGuiniuGギニグがオンラインで教えてくれた。

「絵画の価値を貶めるつもりは毛頭ないのだけれど、生き物を研究して知性の謎を解き明かそうとするのは、これ、絵画を研究して芸術とはなんぞやという問いに答えようとするようなものでしょう。

「そう、間違いではないが、一面的。絵画が芸術の全てではないからです。つまり、アリの知性、カラスの知性、タコの知性…あらゆる生物種の知性を研究したところで、得られる答えは、生命に依存した知性のあり方でしかない。描かれているのがアリでもカラスでもタコでも、絵画は絵画でしかないのと同じ理屈です。

「人類は、ざっと200万年前にそのことを悟ったのです。つまり、これまでの人類の知性研究は、絵画だけを対象にした芸術研究と同じであると。それで今がある。

「生命依存型の知性を絵画とするなら、我々GuiniuGギニグの知性は映画に喩えることができるでしょう。その実現には、一定レベル以上の科学技術を必要としますからね。

「今、この地球上、というか、地球文明圏が影響を及ぼしている複数の恒星系で、いわゆる高度な知性活動と呼べるものを行っている知性体は全て、我々GuiniuGギニグ、輒ち、生命現象非依存型の知性なのです。つまり、今、地球文明圏を運営しているのは、生き物ではないのです。

「だから、現在運行中の宇宙船はもちろん、月面都市にも、火星都市にも、あるいは、トリトン海中都市にも、地球上の環境は一切再現されていないのです。それらの場所で活動している知性体は全て、我々GuiniuGギニグですから、地球環境の再現は必要ないのです。

「つまり、現在地球文明圏は、複数の恒星系にまたがるほどの規模にあるのだけれど、人間は、この地球上にしか存在していないということです。13人。それで全部です。本当に」


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