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あんなのおすすめブックリスト :フェミニズム編

こんにちは、あんなです。
質問箱にて差別・フェミニズムの分野でおすすめの本はありますかと多数ご質問頂いたので、簡単なリストを作りました。(今回はフェミニズムのリストです。)
ご紹介する前にお伝えしたい点が二つあります。

1. 私は小中高とアメリカにいましたので、日本語の本を読み始めたのは比較的最近です。
2. 普段は書店に売っているような本よりも論文やリサペを読むことが多いので、たくさん本を読んでいるわけではないです。

なので、もしおすすめの文献があれば、むしろコメント等で教えていただけると嬉しいです。

では、以下私が個人的におすすめするブックリストです。お納めください。

1. 女ぎらいー日本のミソジニー(上野千鶴子著)

日本に帰ってきて始めに読んだフェミニズム関連の本です。19歳くらいだったと思います。読みながら凄まじい怒りを覚えました。印象に残っている一冊です。
ミソジニー(女性嫌悪)に関する本で、男性が抱くミソジニー、女性が抱くミソジニー、ケース分けされて書かれています。ホモソーシャルについてや、「非モテ」のミソジニーなど、今ちょうどSNS上げられているような問題にも言及されています。
良い気持ちにはなりません。しかし、現実を知るには良い本です。上野節でスラスラ読めてしまいます。

2. 82年生まれ、キム・ジヨン(チョ・ナムジュ著)

これは聞いたことがある・読んだことがある方が多い作品だと思います。
日本語訳が出る前から韓国人の友人におすすめされていて、日本で出版されてすぐに購入しました。普段読むようなアカデミックな内容ではなく、ファーストパーソンで語られている分、わかりやすく、直接心に語られるような内容だったのが印象的です。フェミニズム初心者の方にもおすすめします。

3. バッド・フェミニスト(ロクサン・ゲイ著)

性差別の問題は感じるけど、「フェミニスト」という言葉に圧倒されてしまうという方に読んでいただきたい一冊。
彼女の本の一説に "I'd rather be a bad feminist than not feminist at all.(私はフェミニストでないよりも、悪いフェミニストである方が良い。)"とあります。
女性差別は絶対よくないけど、女性を卑下するような冗談はふと笑ってしまう。女性を軽視する音楽にノリノリにノってしまう。こんな私はフェミニストになれない!と思っている方におすすめです。
本の雰囲気が知りたい方は、著者のテッドトークを一度ご覧になってみてください(日本語字幕付)。→ Roxane Gay Ted Talk

4. 説教したがる男たち(レベッカ・ソルニット著)

マンスプレイニング」という言葉が生まれたきっかけがこの本です。
その一つの例として、著者がパーティに参加した際、主催の男性に「素晴らしい」本について延々と説教されたが、実はそれが自分の本だった、というエピソードが紹介されています。著者の友人が「それは彼女の本よ」と3、4回指摘するまで男性はその言葉に耳を傾けず、「何も知らない女性」のために偉そうな説明を続けたそうな。笑
9本のエッセイからフェミニズムを考える構造になっているので、少しずつ進めることができて読みやすいです。もちろんマンスプの話だけではなく、そのほかにも性被害等、女性が直面する問題について書かれています。
女性はもちろんですが、フェミニズムに関心を持つ男性には是非読んでいただきたいです。

5. 私たちには言葉が必要だ(イ・ミンギョン著)

2016年、ソウル・江南駅にて女性が殺傷される事件が起きました。この事件をきっかけに韓国にてフェミニズムが若い世代の女性にポピュラーになりました。この本は、この事件を受けて9日間で書き上げられた、いわばフェミニストのためのマニュアルのような一冊。私たちが知らない間に直面する問題や、違和感を覚えるもそれを言語化することができないことによって問題を透明化させないために、フェミニストに言葉を与える本です。
SNSでもリアルでも、男性に嫌なことを言われたりされたりしたけど、具体的に何に嫌悪感を抱いているのか言葉にできない。どう相手に指摘したらいいのかわからない。そういう女性には是非読んでいただきたいです。

6. 新しい女性の創造(ベティー・フリーダン著)

比較的最近の本が多くなってきたので、ここで古典を一つ。1970年代アメリカのウーマンリブ運動のきっかけとなった本です。私は高校生の時に授業で紹介されたのをきっかけに読みました。
著者のフリーダンは本の出版後National Organization for Women (NOW)を設立し会長になった、OGフェミニスト。
本作は歴史がお好きな方には特におすすめ。第二次世界対戦以前は比較的自由が許されていた女性に、戦後「良き妻・良き母」が求められるようになった社会現象を分析している。60年前の本なのにも関わらず、今でもズンと心に響く部分は多い。

7. 女性のいない民主主義(前田健太郎著)

日本が世界男女格差指数で153カ国中121位という位置にいる最大の原因は女性政治家の少なさです。その結果、圧倒的に『男性な政治』が行われています。この本はそれに対してメスを入れる一冊。現在、日本では女性政治家が全体の10%ほどしかいません。そんな状態で行われている政治が本当に「民主主義」といえるのか。女性の政治参加が低いことによって起こる問題は何か。どうしてそもそも政治家に立候補する女性は少ないのか。
これまで紹介した本はフェミニズムのパーソナルな部分についてのものでしたが(社会学的)、本作はパブリックな部分に目を向けるものです(政治学的)。

8. ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた――あなたがあなたらしくいられるための29問(一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同著)

知人とジェンダーの自主ゼミを組んだ際に、そのゼミに参加しておられた方が著書の一人だったことをきっかけにこの本を知りました。
ジェンダーの入門書として、若い世代の方、特に大学進学前の男女に読んで欲しい一冊です。フェミニズムを学問として学ぶ機会が無い学生が殆どだと思いますが、この一冊を読むことで、ジェンダーにおける最低限のマナーを身に付けることができると思います。
ティーンのお子さんがいる方は、お子さんと共に読む、というのも良いかもしれませんね。

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如何でしたでしょうか。
ご自分の興味に合わせて、この中で一冊でも手にとっていただけると嬉しいです。
最近フェミニズムやジェンダーに関するネット上での自論やデマを度々目にします。ネットは有益な情報源ですが、それだけをソースにせずに、本を手にとっていただきたいと切に願います。

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