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「蒼い神様とピンクの神様」第2話 ふたりで宝箱をあけてみよう!

とっても仲良しの蒼い神様とピンクの神様。今日はどんなお話を繰り広げてくれるのかな?第2話のはじまりはじまり。

ピンクの神様  ところで君さあ、君にはへこんだところがない?

蒼い神様  へこんだところ?どこかしら?もしかして、ここかしら?お父さんお母さんが「とっても大事なところだから、お前のことをとっても大事にしてくれ、心から愛してくれて、お前も大好きな人なら、開けてもいいよ」と教えてもらったところかしら?

ピンクの神様  そんな場所があるの?

蒼い神様  そうなの。いつも大事にしまっているの。鍵をかけてあるわ。

ピンクの神様  そうなんだね。僕もね、とっても大事にしているものがあるの。僕のはね、出っ張っているんだよ。僕もお父さんお母さんから、「大事なものだよ」と教えてもらったよ。

そして「むやみやたらに、人に見せたり、使ってはいけないよ。特に女の子には、細心の注意を払って、使わないといけないよ。そして、使う前に、ちゃんと使っていいかどうか、聞いてから使わないといけないよ。『うん、いいよ』という笑顔の返事が聞けたら、初めて使ってもいいんだよ。ちょっとでも迷っていたり、困った顔をしているなら、その時は使ってはいけないよ」と言われてるんだ~。

蒼い神様  へー、そうなんだね。それであなたはどうしたいの?

ピンクの神様  僕のでっぱったものを、君のへこんだところに入れてみたいんだ。どうかな?

蒼い神様  どういうこと?そうするとどうなるのかな?なんだか怖い気がするわ。

ピンクの神様  僕もやったことないからわからないんだ。なんでも、僕のでぱったところと、君のへこんだところは、パズルのようになっていて、パチッと合わさるとすごいことが起きるらしいんだよね。

それは鍵穴のようになっていて、ちょっとでも形が違ったり、大きさが合わないと、絶対に開かないんだって。ぴったりくる形はこの世界でたった一人だけらしいんだよね。

蒼い神様  なんだかおもしろそうねー!パズルみたいなのね。ぴったり合わさるとどんなことが起きるのかしら?

ピンクの神様  今度は死んだおじいちゃんが夢の中で教えてくれたんだけど、なんでもぴったり合わさると宝箱があくような感じなんだって。箱からいっぱい何やら飛び出してくるらしいよ。

蒼い神様   何が出てくるのかしら?それは怖いものなのかしら?

ピンクの神様 それはとびっきり素晴らしいもののようだよ。開いたとき、最初に柔らかーいとても心地よい音楽が流れてくるんだって。今まで聴いたことがないような音楽で、心がふんわり温かくなって、お顔が自然ににんまりしちゃうって。こんな幸せな気分味わったことないなー、なんて素晴らしいんだろう。そうなるんだって。

蒼い神様  まあ、なんて素敵なの!あとは何が登場するのかしら?お花やりすさんやうさぎさんも出てくるの?

ピンクの神様  つぼみだったお花もその音楽でいっせいに咲き始めるんだって。そして森の動物たちもその音楽聴きたさに、いっぱいあつまってくるんだって。冬眠してるクマさんも起きてくるらしいよ。

蒼い神様  なんだかワクワクしてきちゃったわ。それからどうなるの?

ピンクの神様  僕たち二人が金色の光に包まれて、その輪がどんどん大きくなっていくんだって。その輪の中に入った人は、みんながニコニコで、とてもやさしい気持ちになって、元気になるんだよ。

蒼い神様  その金の光の輪がどんどん広がっていくのね!なんて素敵なんでしょう。あなたとならできるかしら?

ピンクの神様  僕は君と一緒にその輪を作りたいし、一緒にその素晴らしい箱をあけたいな。二人でせーのでふたをあけて、わー!って二人でびっくりして、それで手をつないでその音楽を一緒に聴きたいな。それで僕たちはたまらず、ダンスを踊りだすの。とっても楽しくて体が勝手に動いちゃう。僕たちの楽しそうな雰囲気につられて、森の動物や植物、仲間が「なになに?」ってたくさん集まってくるよ。

蒼い神様  私もあなたとならやってみたいわ!だって私、あなたのことが大好きだもの。ずっと一緒にいたいと思っているわ。あなたといると、とっても楽しいし、あなたは私のこと、いつも大事にしてくれるじゃない?おいしいお弁当やお菓子を私のためにいつも持ってきてくれるし。私のこと何でも知ってくれてる。私はそんなあなたが大好きよ。

ピンクの神様  そうなの?!うれしいなあ!!僕も君のこと大好きだよ。いつも君の顔を思い浮かべちゃうよ。なんてきれいなんだろうって、いつもみとれちゃうよ。君は優しいし、そのキラキラした瞳にくぎ付けになっちゃうよ。君のことを思うと、とっても幸せな気分になるんだあ。僕も君といるととっても楽しいし、安心するんだー。ずーっと手をつないで、おしゃべりしたり、散歩したり、青空みあげたり、星空眺めたり、やりたいこといっぱいだよ。こうして君がとなりにいてくれるだけで、僕はとってもうれしいんだよ。

蒼い神様  そんなふうに思ってくれていたのね。私、うれしいわ。それでは、お祝いしましょうか!二人でお祝い!なんて素敵な気分なんでしょう✨

ピンクの神様  わーい、お祝いしよう!!ケーキもほしいね、君は栗のケーキが好きだったね。僕がとびっきりおいしいケーキをこしらえるよ。なんだかとても楽しくなってきたぞー。おうちにバターや卵はあったかな?

蒼い神様  それじゃあ私は紅茶を用意しようかしら。おうちにあなたと一緒に使いたいなーってかわいいティーカップと、とてもおいしいリンゴの紅茶を買っておいたの。テーブルクロスもほしいわね。あ、私お洋服も着替えてこようかしら?あなたに見せたいドレスがあるの。

ピンクの神様  君のドレス姿、すてきなんだろうな!これからティーパーティだのはじまりだね!僕が作ったジャムも持ってくるね。

蒼い神様  まあ、おいしそう!何のジャムなの?

ピンクの神様  ぶどうのジャムと木苺のジャムだよ。森の仲間といっしょに摘んだんだよ。

蒼い神様  素敵だわ!紅茶にいれてもおいしそうね。スコーンも食べたくなっちゃったわ。

ピンクの神様  それじゃあ、僕が作ってあげるよ。君が好きなものは僕は全部わかってるから。お手のもんさ~。

蒼い神様  あなたはほんとうに優しいのね。そんなあなたが私は大好きよ。鍵を開けるのを楽しすぎて忘れちゃいそうだわ。

ピンクの神様  思い出して開けたくなったら、二人で開けようー!ゆーっくりゆっくーり、焦らず開けようね。大事な大事な宝物だから。僕は君が喜ぶ顔が見たいから。君が開けたくなるのを待ってるよ。宝?もしかして宝とは君のことなのかも?!

蒼い神様  それでは私にとっては、あなたが宝物なのかしら?

ピンクの神様と蒼い神様  それでは二人でせーの!で開けよっか!

第2話終わり。つづく。

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