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異文化メンタリングMILE 第2期レポート!参加者は何を経験し、何を学んだのか?

こんにちは、ダイバーシティ&インクルージョン推進を組織と人の側面から支援するAn-Nahal(アンナハル)です。

An-Nahalでは、日本人ビジネスパーソンと留学生が相互のメンタリングに取り組む、異文化メンタリングMILEの2022年第2期を、2022年12月から2023年4月にかけて行いました。今回はプログラム全体の流れをお届けしたいと思います。

異文化メンタリングMILEとは?

日本の大学で学ぶ留学生と日本人ビジネスパーソンがメンタリングを通じて、相互理解と異文化間コミュニケーションを、約4か月間実践的に学ぶアクションラーニング形式のプログラムです。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の価値を実体験を持って理解し、実際に自組織で行動できるインクルーシブリーダーとなれるよう、多様な個人が集まるチームにおけるリーダーシップスタイルの理解、組織におけるインクルーシブな環境づくりのスキル獲得を目指します。

全体の流れとしては①相互メンタリングの実践と、②対面ワークショップを毎月行っていきます。

▼MILEについての紹介はこちら

7社8名のビジネスパーソンと、8ヵ国の留学生が参加

2022年第2期MILEのメンバー

日本人参加者
外国人材を雇用し、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進に積極的に取り組む7社から派遣された8名が参加しました。
業種はIT・EC業界、NPO法人、コンサルティング、ソーシャルセクターと幅広く、職種もマーケター、ベンチャー投資、人事、コンサルタントなど多様な参加者が揃いました。

留学生参加者
フィリピン・モンゴル・タイ・ケニア・パラグアイ・ナイジェリア・インド・ミャンマーの8カ国出身、専門もエンジニアリングや経営など多様なバックグラウンドを持った、日本の大学(学士・修士・博士課程)に在籍する8名が参加しました。

これまでの参加者を見ても、参加留学生の出身国がアジアに偏るなどせず、多様なバックグラウンドである点も、MILEの特徴のひとつと言えるかもしれません。

全4回のワークショップをマイルストーンに、4カ月間の実践を深める

参加者が実際に集まって行うワークショップは、月に1回、全4回実施しました。ワークショップは、インクルーシブリーダーに必要な素質について解説と具体的な行動に結びつくワークを行いながら、メンタリングパートナー以外との参加者が交流できるような内容になっています。

第1回「お互いを知る」(12月)

4ヶ月間共にプログラムを進める参加者同士が、まず互いに知り合うことから。単なる自己紹介だけではなく、質問力や自己開示の重要性を学ぶために他の人に対して相手を紹介する「他己紹介」を行いました。最初はどのような自己紹介をすべきか迷う様子が見られましたが、次第にお互いの共通点を見つけ出し、参加者同士が打ち解けることができました。

その後、An-Nahalのプログラム運営担当からプログラム概要やメンタリング手法についての解説をした後、4ヶ月間共にメンタリングを行うパートナーとそれぞれ対面しました!

それぞれ、自己紹介をした後、メンタリングのパートナーと生活や仕事のスケジュールなどを共有しながら、いつ・どのような方法で互いにコミュニケーションをとっていくか、メンタリングを進めていくかなどを決定しました。

第2回「ゴール設定」(1月)

MILEの参加者がコミュニケーションツールとして使用しているSlackのチャンネルで、参加者に事前に「自分が熱中していること」に関する写真を投稿してもらい、ワークショップ開始時に4人1組のチームを組んで詳細を共有しました。

続いて、インクルーシブな組織を構築するインクルーシブリーダーシップに必要な6つのスキルのうち、「コミットメント」と「好奇心」の2つに焦点を当てて、解説を行いました。その説明を基に、4ヶ月間のメンタリングで参加者それぞれが達成したい目標を設定しました。

自分で目標を決めてメンタリングペアと二人三脚で目標達成に向けた行動計画を立てることで、プログラムを単なる座学では終わらせず、具体的な行動を変容へと促す狙いがあります。

さらに、トランプを使った異文化体験ワークも行いました。異文化のチームで対立が生じたり、異なる意見と出会ったときに、自分自身がどのように対処する傾向があるのかを把握し、実際の職場やチームの中での行動の改善点を考える気づきを得ました

第3回「ストーリーテリングとバイアス認知」(2月)

バースデーラインという非言語コミュニケーションでのアイスブレイクから、スタート。言葉を使わずにジェスチャーなど工夫して意思疎通をはかりながら誕生日順に並ぶワークで静かに盛り上がりました。

バイアスが組織やチームに与える影響、バイアスを認知することがチームにどんな良い効果をもたらすのかの学びを踏まえて、参加者がそれぞれの過去の経験を語るストーリーテリングを行いました。他の参加者からのフィードバックを通じて新たな学びを得ることができました。

異なる背景や状況からの経験でも、共通するキーワードや感情を見つけ出すことができ、多くの共感の声が聞かれました。

第4回「振り返りと今後の目標設定」(3月)

最終回として4ヶ月のまとめと次のチャレンジに向けた新たな目標設定を行いました。2回目のワークショップで設定した「メンタリングを通じて達成したい目標」を振り返り、目標の達成の度合いや目標達成のために実際に起こした行動などを共有しました。そしてプログラムで学んだインクルーシブリーダーのスキルを今後職場や所属しているチームでどのようにいかすか、新たな目標を設定しました。

さらに、4ヶ月間定期的にコミュニケーションを取り合ってきたメンタリングパートナーへ感謝の気持ちを伝え合い、プログラムの締めくくりとして、MILEの学びを基盤に新たなチャレンジや4ヶ月間で得られた学びについて、参加者一人ひとりが発表しました。

参加者からの感想

参加者からの感想の一部を紹介します。

  • 相手の持っている認識を確認するなど、自分から一歩踏み出すことが大切だと学ぶことができた。また、自分の知っている認識やルールと違う場合でもその状況を楽しめるようになりたいと思った。

  • もともと海外との繋がりが薄かったため、MILEに参加して初めて長期的に外国の方と交流した。互いに違いがあることを理解したと同時に、似通っている部分も多くあると感じた。外国の方が遠い存在ではなく、より近い存在になった。

  • 留学生とメンタリングを行う中で、留学生の就活やインターン先を見つける際のハードルの高さに驚いた。今後もサポートできることはしていきたいと思う。

プログラムを終え、自社のD&I施策に早速学びを活かした施策を取り入れたり、グローバルに関わる部署への参画に立候補した日本人参加者、
インターン先を見つけたり就職活動の軸を定めた留学生がいたりなど、予想以上の具体的な行動変容へと繋がる効果が表れています。

最後に

「異文化メンタリングMILE」を通して、どのような経験ができるかが伝わっていたら嬉しいです。

▼MILE参加者の声や、そのほかの情報はこちら

これからの情報発信もお楽しみに!

※MILEを含めたプロジェクト「相互メンタリングを通じた留学生と企業内人材の意識行動変容の調査分析と育成モデルの体系化」は、トヨタ財団2021年度特定課題「外国人材の受け入れと日本社会」助成プロジェクトに採択されています。


An-Nahalは、ダイバーシティ&インクルージョン推進に役立つ情報とヒントをさまざまな方法でお届けしています。

  • note: D&I推進に関するノウハウやプログラム参加者のインタビュー記事など

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