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少女漫画が好きなのは世の中が汚いと分かっているからせめて漫画では幸せな恋愛があると知りたいから。


私には忘れられない人がいる。

私の中で一世一代の大恋愛だと思っている。

自分でいうのもあれなのだが、私は結構モテてきた人生だったから、付き合うといえば告白されて付き合うことしかしなかったし、常に選択肢が何人かはいる状態だった。


そんな私が初めて自分から好きになって押して押して押して付き合えた4つ歳上だった彼だ。   とにかく彼の1番になりたくて彼が好きだと言った音楽ばっかり馬鹿みたいにに聴いていたし、ロングだった髪の毛も「ショートヘアの女の子が好き」の一言でバッサリとカットしたし、会う時は大人っぽくなりたくてお姉ちゃんの服を着て行っていた。初めて自分から連絡もしたし、LINEの返事で一喜一憂して、まさに全力で恋していた。だから「彼女になって」と言ってくれたときは嬉しくて大号泣したし、友達みんなに彼氏ができたんだよって報告しちゃったくらい浮かれた。


恋愛で【楽しい】【嬉しい】【好き】って気持ちになれることを、反対に好きの気持ちだけじゃ乗り越えられないことがあるってことを私は彼から学んだ。


しばらくは仲良く過ごしていたのだが、当時1人暮らしをしていた私の家に彼はいつからかずっといて、家賃も食費も雑費も出してくれず家事もしてくれなければ料理にケチつけはじめるし、タバコを部屋で吸って壁を汚すことしかしなかった。気になることたくさんあったけど一緒にいれればそれでよかったからそこまで気にしていなかった。でも彼が飲みに行って朝まで帰ってこない日が増えてきてからはさすがに心配になったし、彼から好かれてるという自信もなくなってきた。

あるとき駄目だと分かっていたけど、気になりすぎて私はついに彼の携帯を見てしまった。そしたら飲みに行っていた相手は私も知り合いの女の子で、内緒ねっていいながら2人でコソコソ会っていた。彼氏が自分じゃない女の子に向かって「かわいい」「会いたい」「寂しいから家にきて」って送ってるのを見て私は女としての自信を失くしたし、彼への信頼感も失くしたし、私の理想的な恋愛も失った。頭の中だけは冷静だったから写真撮って、何食わぬ顔でその日は彼と同じベッドで眠った。

でもまた別の女の子とも同じことがあって、さすがに3度も浮気されたら私はだんだん彼の嫌なところしか目に入らなくなってしまっていた。

我慢できなくて一回だけ彼に「浮気してるの?」って聞いたことがあったけど、彼は「飲みに行っただけだし、言わなかったのは女の子が俺達が付き合ってること知っててお前に気遣うから」って言われて、なんで女の子の方の肩持つのか意味分かんないし、気遣うならそもそも行かなきゃよくない?って思うし、じゃあなんでホテルに忘れ物したかもみたいなやりとりLINEでしてるの?って思ったらもう何も言えなかった。

  


短気でいつキレるか分からないから警察沙汰になったこともあって顔色を伺う日々だったし、お願いしても避妊してくれないので深夜に泣きながらアフターピルを調べて飲んで、不正出血に悩み、低容量ピルが身体に合わなくて副作用で日々吐き気を感じていた。血が止まらないからセックスを断るとまた不機嫌なるから、本当に毎日がストレスだった。私はその時大学生だったから、お金もなくて、体調も悪くて、親にはこんなのバレたくないから何も言えなくて精神的にギリギリだった。

こうして今考えると彼のどこが好きだったのかも、どうして4年近くも一緒に居たのかも思い出すことができない。いつ思い返しても彼との記憶は辛いことの方が圧倒的に多かった。でも、それでも確かに私は彼のことが心底好きだったのだ。 こんな私のことを好きでいてくれるのは彼しかいないし、彼と別れたらもう誰も私のことなんて好きになってくれないとさえ思った。もはや洗脳に近かったかもしれない。

彼に 別れてください とお願いしたときは、悲しかったし、寂しかったし、本当に大好きだったから大号泣したけど、心のどこかでホッとした。


恋愛することの良い面を知ったし、恋愛のトラウマも抱えた。今思い出しながら文字を打っているけど色々な感情が蘇ってきて涙が止まらない。