ドイツのコロナに思うこと
今ドイツでは、コロナ第四波で感染者数が過去最多になっています。
2020年の3月にメルケル首相がテレビ演説したときは、ドイツ内で一体感がうまれた感覚があり、演説内容は世界でも注目され、ほかのヨーロッパ諸国に比べてもうまくいっているように見えました。少し長いですが、改めて、当時のメルケル首相の演説を引用します。
ドイツではとりわけ「自由」や「民主主義」への人々の意識が高いので、メルケル首相も、こうした言葉を散りばめて、それでも尚、今は命を救うために、一時的な移動の自由の制限や、トップダウンでのルール決めが必要である、と丁寧に強調しました。
それでもやはり、自由を求めてコロナ対策反対デモを行う人が一定数いたり、時間が経つと気がゆるんだり。夏にはサッカーの試合が有顧客で行われたり(観客数は通常の50%に抑えられてはいましたが)。
一方でルールはどんどん厳しくなって、ワクチンを接種済み、または感染経験がある人以外は、何をするにも行動制限される状況になっています。今日ちょうど発表されたのは、ワクチン摂取完了してない人で、かつコロナにかかったことがない人は、生活必需品以外のお店には入ることができない、とのこと。テストの結果がネガティブであってもです。
ワクチン未摂取者(・コロナ未感染者)のみ、ロックダウン。これって結構すごいこと。今ドイツではワクチン摂取率は7割程度。残り約3割は、本屋とか雑貨屋とか電化製品屋とか服屋とかには、入れなくなります。そして今後は、摂取を半ば強制していくんだとか(こういう強制、超、ドイツらしくない!)。
何度も波が押し寄せるのは、そういうものなのかもしれません。
でもここまでまた酷くなっているのはなぜなんだと。うまくいっているアジアの国々からやり方を学んだらいいのに、と言う人もします。
確かにアジアは、ドイツやヨーロッパに比べて感染を抑えられているように見えます(日本でのオリンピック時期は酷かったですが)。でも、アジアのやり方をそのままドイツでやろうとしても、人々が受け入れるとは思えません。なぜなら、メンタリティや習慣が全然違うから。「自由」や「民主主義」への意識が本当に根強いから。マスクはお店の中ではするけど、やっぱりお店を出たら外したいものだから。
今は政権交代時期で、リーダー不在なのもよくないかもしれません。
もう一度メルケル首相の演説の内容に立ち返って、人権とコロナ対策の最良のバランスを探ること、アジアなど他の国のやり方を取り入れながら、ドイツ社会に合うようなやり方を試行錯誤することが、必要に思います。
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