工程表を作れきゃ、編集者じゃない
こんにちは。夏はアイスよりも水羊羹派の教材制作担当のあんこです。
今回は、教材制作で重要な「工程を組む」ことについてお話したいと思います。
教材制作を始めた頃の話
私は教材制作・編集を生業にして、10年近くになります。
この仕事に就いた当初は、「初校」「要再校」「組版」「ゲラ」「プルーフ」「校了」など、教材制作で必要な編集用語や編集記号を覚えることに四苦八苦していた記憶があります笑。
そんな新人だった頃に、先輩社員から口を酸っぱくして言われていたことは、
「工程表を作れなきゃ、編集者じゃない」という言葉です。
工程を組む必要性
教材制作では、多くの人が制作に関わります。
編集プロダクション、著者、校正者、組版業者、印刷会社、社内の人間などなど、
いろんな人たちが関わって、一つの教材が完成します。
多くの人が教材制作に関わるからこそ、各々がスムーズに制作進行ができるように、工程をしっかり組み立てることが必要です。
教材は企画立案の時点で大体のリリース日(納品日)が決まっているので、そこから逆算して工程を組み立てていきます。この工程の組み方次第で、教材の良悪が決まるといっても過言ではありません。
工程を組む上で心がけていること
教材制作の工程を組む上で心がけていることが二点あります。
一点目は原稿執筆と校正の部分になるべく多くの時間をかけることです。
どんなタイトな制作スケジュールでも、教材の質を担保する上でそこの部分の時間をしっかり確保するようにしています。
逆にそこに時間をかけられないのであれば、制作はすべきではないと判断します。
(あるある話:制作サイドがそう判断したところで、営業サイドや権限がある人たちが「それでも作れ!」といえば作るんですけどね…苦笑。前職まではそういうことがよくありました笑)
二点目はバッファをもつことです。パッと見では普通の工程表でも、作業日数に余裕ができるように組み立てています。どの部分にバッファをもたせるかは、制作する教材の科目や難易度、ページ数、種類(問題集・参考書・テストなど)によって変えています。
バッファをもつことで、不測の事態が起こったときでも、リカバリーできるようになっているので、心理的に安心して仕事に取り組めるようになっています。これはけっこう大事なことだと思います。
準備こそが成功の鍵である
工程を組み立てることは、カレンダーを眺めて入力するだけの簡単な作業のように考える人もいるかもしれませんが、各工程でどのような作業が発生するか等を考えながらの作業なので、パズルのようにけっこう頭を使います。
「準備こそが成功の鍵である」という名言があるように、良い教材を制作していく上で、工程を組み立てる作業は、疎かにしてはいけない準備の一つであると思います。
まとめ
簡単ではありますが、教材制作担当としての「工程を組む」ことについての考えをお伝えしました。
デジタル技術の発展により、業界全体では往々にして制作スピードを追い求めるところがありますが、弊社では工程をしっかり組んだ上で、制作スピードと質のバランスをとりながら制作を進めています。ユーザーの皆さんに安心して使って頂ける教材がご提供できるよう、今後も制作時間をしっかり確保して制作に取り組んでいきます。
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