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社会人として無価値な自分

昔から他人の評価や人からどう思われているかが気になって自分のことを正確に測れなくて他己評価=自己評価になっていることが人生を振り返ると往々にしてありました。

単にサッカーだけに限った話ではないです。社会人として働くつもりだった大学4年時、ほとんどの人が通るであろう就職活動の時もそうでした。
今回はその就職活動でのことを書きたいと思います。

デカいビルっていいよね

誰もが通る道“就活“

大学3年時から始めた就職活動では自分のやりたいことを優先ではなく、会社の知名度や入ったら周りからどう見られるかを基準にしていた気がします。
いや基準にはしていないけど心のどこかでそう思っていました。世間体を気にして行動が変わるのは人間の心理だと思うので良い事とも悪い事とも、そこまで深く考えてはいませんでした。

そもそも就活を始めた当初、サッカーしかしてこなかった故に働くことに関して現実味がなさすぎて、まず第一に就活も社会も「よくわからない」、「やりたいことなんてない」の気持ちしかありませんでした。
だから有名ですごいと思われるような企業ばかりを見ていました。内定が出る出ないは別として、そこに属してさえしまえばなんとかなりそうなのが一つと、そういう環境で働けば能力がある風に見えるだろうという考えがありました。


初めてのインターン


就活を初めて、一番最初にある企業にインターンに行きました。突発的に行ってみたインターンでしたが、経験と場数を踏むことが大事だと思い、軽い感覚で行きました。
そんな甘い気持ちで行っていたため周りの学生の振る舞いだったり言動が、自分とは違いすぎてびっくりしました。
そもそもインターンって何?というレベル感の自分は来るべき場所ではありませんでした。

今思い出しても恥ずかしい出来事がありました。
そのインターンの詳細においてメールでは服装自由と記載していました。何も知らない自分は当然私服で参加しました。
そしたら周りの学生は全員が全員、リクルートスーツを羽織い、髪型をピチッと固め、ピカピカに磨かれた革靴を履いていました。会場に入ってからずっと流れるインターン生達のピリッとした雰囲気、そして視線の中、カジュアルすぎる私服姿の自分、紺色で多少の汚れがあるドクターマーチン。
履きごごちは普段よりも非常に悪く感じました。

ほんとに何も知らなかった。
大学によっては部員のバイト禁止などの規制があります。しかしウチの大学はそういったこともなかったので、隙間時間でいろいろやっていました。
なので社会のことは多少知っている気がしていたのですが、完全に気がしていただけでした。
礼儀やマナー、暗黙の了解的なものを知らなければ、言葉の壁もありました。
インターン生や企業の方々が使う言葉が、生きてきたら聞くことのないことばかりでした。
無駄にカタカナ言葉を多用しているようにも見えましたが、ビジネス単語なのかよくわからないけど日本語でいいじゃん。エビデンスってなんだよってずっと思っていました。
他にも覚えてる単語でアライアンス、コンセンサス、スキームがありました。皆さんはわかりますか?僕は今でもよくわかりません。

場違い感丸出しです。
さらに学生は皆、留学かワーホリに行っていました。カナダとオーストラリアが多かった。
最初の自己紹介の時点で自分の心はもう打ち砕かれていました。

インターンが進むにつれてサッカーしかしてこなかったこと、その狭い界隈だけでお山の大将のように生きる自分はなんて恥ずかしくて無価値なのかと悲観しました。
サッカーをしてきたことだけの経験などここでは意味のなさないものでした。
「おれは全国大会に出場したことがあるんだ!」と謳っても、それに靡くような人はいませんでした。
サッカーをしていた人ならば選手権やインハイに出たり、クラブユースに出場すれば「すごいね!」となるけど一歩でも外に出れば「だから何?」となります。井の中の蛙でした。


オレ➖サッカー🟰?

かなりの劣等感に苛まれましたが、似てる感覚があって、それは学年が変わる時などの節目節目で毎回自分の実力に失望するあの感じです。
新しい環境に行く時、常に自分の実力以上の環境に身を置き、そこでもがくあの苦しい感じです。それでも大好きなサッカーで実力以上の選手を相手に成長して、追いつけ追い越すあの感じは好きなので耐えられました。

しかし今置かれているのは就活というステージ。サッカーという前提がなくなった途端自分の存在はどうなってしまうのだろうと考えてしまいました。そこで気づきました。「オレサッカー=なんもないじゃん、無価値じゃん」と。

それでもずっと厳しい競争の場で常に自分自身と向き合ってきたため、インターンの終わりには、たとえ最初は出遅れたとしてもこんな横文字ばっかり使う典型的な就活生野郎に、俺の脳筋根性魂で打ち負かしてやると思えていたので、それはそれで良かったのかなと思いました。

この日を境にまず社会を知ることもそうだけど、自分のことを深く知る必要があると思いました。大学のアカデミアセンターに通ったり新卒採用を手助けするエージェントを活用し話を聞き自己分析をしたりセミナーに参加したりしました。

そうすることで働くことに対する疑問や不安感を少しずつ排除していくことができ、徐々にですが社会人として働くの自分の姿が想像できるようになりました。選考が進むにつれてその感覚は強くなりました。就活生らしくスーツを着こなし、それっぽいことを自分の言葉でスラスラと面接やグループディスカッションで語っている自分がいました。
そして驚くことが一つありました。
役員レベルの方との面接や最終面接くらいになると、インターンの時では全く靡くことのなかった全国大会出場の経験について反応がありました。
これはうまく話せばプラスになると感じました。
並大抵の力ではいくことの出来ない世界、競技人口を考えたときにその凄さを自己の努力を踏まえて話したことが刺さり、そういう人材欲しいよねと言われました。純粋に嬉しかったです。

サッカーだけの世界から飛び抜けて、いろんな人の話を直接聞き、学び、考えることで上記でも綴ったように自分の無価値さや無力さを改めて体感しました。

それによりさらにサッカーへの熱を帯びたことを覚えています。それは就職なんかせず、絶対にプロになろう!というものではなく、最後だから楽しく惜しみなく全力でやろう!みたいなスタンスです。もうこれからはこんな最高な日々を送れることはないからもうやり切るだけやろう!となりました。
今振り返ってもすごく忙しい日々だったけど、その中にも楽しさがあり、今まで一番充実していた時期と思います。
そしてしばらくしてありがたいことに内定をいただき私の就活は終わりました。
それからというもの覚えている限り楽しい思い出しかありません。

就活を通して

結果的にプロになったから就活のことは関係ないとか、そういうことは全くなくこんな経験ができて本当に良かったし、なにより一番の収穫はサッカーだけが全てではないと思えたことです。盲点ですが、サッカーでプロを目指す人にとってはプロが自分の生きる世界の全てと思ってしまいます。けどそんなこと全くありませんでした。


就活では無知のおかげでたくさん恥ずかしい思いもしました。お祈りメールもたくさんいただきました笑
ここの会社しかない!と思えたような運命の会社と出会えた時、絶対に内定をもらいたいため、その会社についてたくさん勉強し、たくさん対策をして臨みました。
しかし結果は最初の適性検査で落ちました。面接すら辿り着けません。勉強も対策も無意味でした。笑
流石にそんなことはないだろうと思いエージェントに問い合わせたところ、二次選考に進む方にはメールが送られているため、届いていない場合は不採用となります。としっかりまた心にダメージを受けました。
相当合わない会社なんだろなーと切り替えましたがめちゃくちゃ悔しかったです。

それでも今となってはネタにできるし知恵になったし、笑いに昇華できているのでよかった?です。




長くなりましたが、こんな観点で物事を見るようになった今、過去の自分に戻って就活していたらどう変わっていたのかとても気になります。変わらず自分のやりたいことを無視して知名度選考するのかどうなのか。

とりあえず長くなりすぎた。
そんなことを思った午後でした。

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