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居酒屋どんちゃんにて:Anizine

自分が立っている場所、それだけを話せばいい。

たったこれだけのことを守ることが、なぜかできないものです。いま写真の本を書いていますが、それは私が写真を撮る仕事をしているからで、レストラン経営についての本などは書けるはずがないので書きません。頼まれもしないですし。しかしなぜかみんな世の中のすべての出来事に対して評論家か裁判官のようなスタンスで臨もうとするんですよね。

とくに中年のオヤジ。

中年がよくないのはその出来事に対して門外漢であるくせに、自分が数十年社会で培ってきた(と信じている)別の種類の経験をアクロバティックにはめ込み、応用しようとするところです。「アメリカ大統領のバイデンはこう言った」という記事を読んでも、「我々、整備士の仕事でもまったく同じような問題があり、」などと言うのです。それはつむじからつま先まで、まったく成分が違うものです。しかし言ってしまう。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。