写真と文字:写真の部屋
写真の中に写っている文字で何かを伝えようとするのはあまりいいことだと思っていません。文字によるコミュニケーションは映像より速度があるので写っているモノのことを納得するスピードにズレが生じるからです。
卑近な話で恐縮ですが、ソーシャルメディアにアップされた美しい女性の写真の背景に、スーパーの「大安売り!」という文字があったとします。するとそれを見た人が「大安売りなんですね笑」などとコメントをしたりするのですが、これこそ文字が映像を邪魔している典型的な例です。
ディズニーランドに行ったとき「ディズニーランド」と書かれた看板の前で撮ることは、どこに行ったのかという説明はできていますが写真の表現からは遠く離れていきます。そのことについては『カメラは、撮る人を写しているんだ。』の中でも詳しく書きました。
これは私が撮った中では、言葉によるコミュニケーションに陥ってしまった写真で、言ってみれば「VOWのネタ」のようなものです。ちなみにこの写真を見た人が「何が面白いの」と聞いていましたが、それは歴史を知らないという、また別の問題です。
では、次の写真はどうでしょうか。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。