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写真家のキッチン:写真の部屋

おととい行ったレストランにはメニューがありませんでした。ひとつのコースだけ。アミューズからデセール、最後のお茶まですべてがシェフの決めたものです。

アラカルトで「これとこれが食べたい」と選ぶ方法とは違って出てくる料理はすべて決まっているので、客はシェフを信頼するしかありません。もちろんどれもこれも素晴らしく美味しかったのですが、食べながら自分が写真を頼まれるときのことを考えていました。

「こう撮ってください」とオーダーされたとき、その内容に納得ができればいいのですが、発注者は写真の専門家ではありませんから、ときには効果的ではない提案をされることもあります。その場合は自分が正しいと思う方法を提示するようにしています。発注者が完全に正しい着地点が見えているのなら自分で撮ればいいのですから。

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写真の部屋

¥500 / 月

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。