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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
¥500 / 月
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#ソーシャルメディア

姿勢は言葉に出る:Anizine

「どれだけニュートラルに生きていけるか」だけを考えています。周囲の友人は誰もみな自分より偉くて立派に見えがちなのですが、他人との相対的な比較はせず、自分は自分だと思って、競走馬が遮眼帯をつけるように前だけを見て過ごすしかありません。 最近ソーシャルメディアを辞める知人が増えてきて、その理由が「どうしても他人と比べてしまうからだ」と言います。他人の芝生がギンギンに青く見えるのでしょう。疲弊するのもわかります。またそこで「自分を盛る」方向に行く人もいます。ある人のプロフィールに

誕生日にサヨナラ:Anizine

仕事をしていると多くの人に出会います。

存在しないあなた:Anizine

1月31日に刊行した『カメラは、撮る人を写しているんだ。』、6日目で重版がかかりました。皆さんのおかげです。ありがとうございます。 無名のおっさんが書いた本がAmazonや書店に並ぶとき、まったく黙殺される危険があります。無名というのは「村上春樹さん以外」ということですけれど、それほど極端な分類ではなく、まあまあ名の知られた小説家でも「出せばバンバン売れる」というほど出版業界は甘くはないと思います。 世の中が不景気であることは誰もが実感していると思いますが、生活必需品以外

銀のエンゼル:Anizine

才能がまったくない私のような人でも、できることがあります。それはサボらずに続けることです。天才的なマスターピースを生み出すことはできなくても、凡才的なモノなら毎日100個は作れます。私はこれを「銀のエンゼル」と呼んでいますが、数が集まれば何とかなると思ってやっています。 何かを作ることには共通点が多く、作曲する音楽家、新しいメニューを開発しているシェフ、だれもがコアの部分では同じ困難に立ち向かっています。だから違うジャンルの人とも話ができるのですが、同じ業界の人であっても自

令和の福田村:Anizine

ソーシャルメディアがなぜ「ソーシャル」なのかを考えると、ひとりひとりの個人が世界のグルーヴを作り出しているのが、つぶさにわかるからだと思っています。「世界」と言ってしまうと急にプーチンだとかトランプの話だと感じてしまいがちですが、最小の構成要素はひとりひとりの個人であることを忘れがちです。水の分子は海の大きな波になることもあれば、コップの中にも収まります。 元日早々から続けて起きた多くの出来事への反応を見ていると、自然の恐ろしさや、テクノロジーに対する過信の怖さ、災厄への人

中年のソーシャルメディア作法その1:Anizine

私たちおっさんとおばさんが、いい年をコくまで学んでこなかったことがあります。それが「ソーシャルメディアの作法」です。今の時代にソーシャルメディアとかかわらずに生きていくのは、名探偵でも至難の技だということを皆さんもご存じでしょう。しかしながら学んでいないし、学ぼうとしていないので、他人を傷つけ、自分が傷ついたりするのです。 私もかなりの数の失敗をやらかしてきました。なんせやっている期間と時間が長いのです。ネットで投稿した一日の時間帯グラフが出てくることがあります。普通の人な

月曜のニコラス:Anizine

月曜なので、雑な話をさせてください。かなり昔、仕事で LA か NY に行ったときのことです。アメリカの西海岸と東海岸は日本で言えば札幌と下関くらい文化が違いますから、この時点ですでに雑なのがわかると思います。まあフランクに大ザッパに「アメリカの都市」と思ってくれれば大丈夫で、重要なのはそこで見たことです。 ごく普通のカフェでコーヒーを飲んでいると、自転車を押した60代後半くらいのおばさまがテラスに近づいてきて、私の斜め前で新聞を読んでいる男性に声をかけました。気づきません

夏のソーシャルメディア:Anizine

ちょうど切りがいいので、7月から毎日何かしらのマガジンを更新しようと思って書いています。暑苦しいかもしれませんが、夏ってそういうものですから。 真面目なことを言うと、ソーシャルメディアの作法というものには多くの誤解があります。そもそもこの新しいメディアが生まれてからまだ数十年しか経ていないからで、作法が確定していないせいもあります。「私はこうしていて、そうしていない人は間違っている」などの論法を見かけますが、そのスタンスに疑問を持った方がいいです。人によっては小笠原流は間違

大根役者:Anizine

苦手な話をするのは憚られるんですけど、質問を繰り返されるのが苦手なんですよね。あれをする人ってどういう心持ちなんでしょうか。考える時間を稼いでいるのか、ただの癖なのか。 「休日は何をしてますか」 「え、休日ですか。映画に行きますね」 「どんな映画が好きですか」 「映画ですか。サスペンスですね」 これと似ていてちょっと違うのもあります。聞いたことがあるはずです。

永遠に混ざらないドレッシング:Anizine

ソーシャルメディアではあらゆる人の振る舞いをつぶさに観察することができ、それらを注意して見ることは自戒のヒントになります。 あなたがソーシャルメディアをする理由は何でしょう。友だちや親戚との連絡の目的、これはとてもわかりやすいですね。電話などの代わりとして機能しています。この穏健な使い方はごく少数かもしれないですが、遠くに住んでいるおばあちゃんが孫の写真を見たい、などというほのぼのした使用法です。「ケンちゃん、入学式だったのね。大きくなったね。また遊びに来てね」などというコ

フォロワー数:Anizine(無料記事)

ソーシャルメディアのフォロワー数というものに価値があるとは思っていないんだけど、明らかな「起こり得ること」がある。無関係なフォロワーが増えると起きる出来事があるのだ。 たとえば、Twitterなら5000人あたりから始まると感じる。自分が知人と話しているつもりのことがRTされてたまたま知らない人の目に入る。「それはおかしい」「事実と違う」「何も知らないくせに」「太りすぎだ」などと、まったく知らない匿名の人から突然書き込まれることになる。 これはどうしようもないことなので無

やめた方がいいこと:Anizine

ソーシャルメディアにおいて「した方がいいこと」はなかなか難しいのですが「やめた方がいいこと」はハッキリしています。その振る舞いで世界が開くか閉じるかが決まりますので、定期購読メンバーにお知らせします。

イグハラの相談:Anizine

世界の人口と同じだけ理想や正義感や倫理観があって、それらがカチカチとちいさな音を立ててぶつかり合うのがソーシャルメディアだ。 そこに勝敗はなく、ただただリングの上で血を流しているだけ。始末が悪いのはリングと観客席の間にロープはなく、知らないうちにリングに何十人ものレスラーが上がってバトルロワイヤルになっていることも多い。 人が複数いれば完全に一致する結論などは出ないものだけど、会社の会議のように期限や目的が決まっていれば何とかなる。しかしソーシャルメディアではまったく向か

創造と消費:Anizine

今日は久しぶりの人と話した。普段ほとんど電話という手段を使わないので新鮮だったけど、元気そうな声を聞けたのはよかった。 彼がソーシャルメディアから消えたのはしばらく前で、話を聞いてみると薄々感じていたことと近かった。繊細な人が多くの雑音に晒されると精神的に疲れるというのは想像に難くない。FacebookやTwitterに書かれることはどんなに正当性の衣をまとっていても、結局は「自己主張」であり「自己顕示欲」であり、「宣伝」だ。それを脱している人は本当に一握りで、自分がそうな