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イグハラの相談:Anizine

世界の人口と同じだけ理想や正義感や倫理観があって、それらがカチカチとちいさな音を立ててぶつかり合うのがソーシャルメディアだ。

そこに勝敗はなく、ただただリングの上で血を流しているだけ。始末が悪いのはリングと観客席の間にロープはなく、知らないうちにリングに何十人ものレスラーが上がってバトルロワイヤルになっていることも多い。

人が複数いれば完全に一致する結論などは出ないものだけど、会社の会議のように期限や目的が決まっていれば何とかなる。しかしソーシャルメディアではまったく向かうべき着地点がないから、ひたすら消耗戦を続けることになる。

自分で「これはしない」と決めていることがいくつかある。

「有名な人と知り合いである」
「立場のある人から褒められた」

これらはネームドロッピングと言われる行為で、自分の実績ではなく、他人の威光を利用することで自分の見栄えをよくしようとすることだ。こう受け取られることをゼロにするのは難しいかもしれないけど、毎回この手のアピールをしている人は誰の目から見てもわかる。もしそういう人に出会ったら、こう言ってあげるのが一番効果がある。

「高倉健さんは自分を名優であるとはアピールしていませんでしたよね」

方向はちょっと違うがこんなのもある。ある人から相談を受けた。仕事で行かなければいけない場所があるのだが、そこに苦手な動物がいるのだという。でも可愛がっているんだろうからムゲにはできないし、そこを訪れる客たちもみんなそのペットが好きだと思っているから困るというのだ。いわゆる親バカの状態だ。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。