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ジブリ私記・シーズン1

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ぼくの知っているジブリのことを書きました。
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#アニメ感想文

仕上げのエプロン~ジブリ私記14

仕上げのエプロン~ジブリ私記14

 あれはいつからだろう。
 宮崎さんがエプロンをつけて作業しているのは。
 少なくとも『もののけ姫』のころは着用していなかった。
 逆にぼくは『もののけ姫』のころ、いま宮崎さんが着用しているのと同じタイプのエプロンを着けて作業をしていました。
 なにか関係があるのかな?

 ぼくが『もののけ姫』制作時、エプロンを着用するようになったのは、入社最初の3ヶ月間が研修期間で、作画、仕上げ、撮影へと回った

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反ジブリ、反クライスト~私記11

反ジブリ、反クライスト~私記11

 ぼくはジブリの若手演出家養成塾『東小金井村塾』で塾長の高畑勲にかみつくように討論を挑んだ。その果敢さがスタジオにも広がり、宮崎駿はぼくをスタジオに雇い入れることにもなった。
 あれから四半世紀を経て、宮崎さんがぼくを雇い入れた企みとぼく自身の意気込みはすれちがっていたと言わざるをえない。
 宮崎さんは「ちょっと生意気な、見込みのあるやつ」ぐらいな気持ちで雇ったのだといまなら思う。自分にはかなわな

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いろいろな暴露~ジブリ私記10

いろいろな暴露~ジブリ私記10

 ジブリが発行している雑誌(フリーペーパー)『熱風』に一年間連載をもたせてもらってからもう3年たっても、まったく反響ないまま終わったものだなあ。
 あれはどこかで書籍化してほしい気持ちはあったものの、どこも引き受けてはくれないだろう。事の成り行きで昔のジブリの給与明細の画像をネット上でさらしてしまったからだ。あれにはもちろん理由があるのだけれど、それは今はおいておいて、ジブリに対してあんな真似をし

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踏み外して~ジブリ私記(9)

踏み外して~ジブリ私記(9)

★01
 最近は隔週で文章教室を受講するために東京と松本間を日帰り往復している。教室が開かれる前にちょっと時間をあけて東京に着いて、必ず書店とタワレコに立ち寄る。めぼしい本もすぐ買わず、記録しておいて、松本へ帰ってから地元の図書館や大学図書館にないか、確認する。なにしろチェックしているのは学術書なので、3000円は平気、6000円とかある。ネットで情報を集めたり、図書館で現物を確かめておかないと、

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