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140字小説「命懸けの恋」

月に恋をした妖精は真っ白なドレスで踊ります。
やがて爪先からは血が滲み、手足は傷だらけ。
でもその恋が叶うことはなく、踊り始めたが最後、心臓が破裂するまで踊るしかありません。
そんな妖精の恋を憐れに思った神が亡骸を赤詰草になさいました。

野原では今夜も赤詰草が愛しい月を見上げています。


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