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HSPの人にお薦め TED「内向的な人が秘めている力」スーザン・ケイン

最近になって、
HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる
とても繊細で敏感な人たちのことが
TVなどメディアでも
よく目にするようになった。

私がHSPの概念を知ったのは、
2008年なので、もう12年前になる。

当時はまだ、世間一般には
知られていなかった。

カウンセラーやセラピストなどの専門家や
繊細過ぎて生きづらさを抱えている
心理学等の本を
よく読んでいる人たちくらいしか
HSPという概念は
知られていなかったと思う。

私もネットでHSPという言葉に出会い
自分のことが書いてあると
すごく驚いて、すぐに
エレイン・N・アーロン氏の
『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』の本を読んで、
今までの生きづらさの理由がわかり
とても救われた記憶がある。

どうして今頃になって
注目されるようになったのか
不思議だけれど、

昔はHSPと言っても
周りの人たちは誰も知らなくて
HSP関連の書籍も、
エレイン氏の本くらいしかなかったので

ようやく世間に浸透してきて
HSPのことが理解されてきたのは
本当に良かったなと思う。

私は幼い頃から、
人間関係が苦手で、
学校生活や社会生活になじめず、
ずっと生きづらさを抱えていた。

そして17年前の20代の時に
白血病を患って、
入院治療する中で、
とても精神的に不安定になり、

医師や看護師さんからも
私のような感受性の強い人は
今までに診たことがなくてわからない
と言われるくらいで、
色々と大変だった。

元々繊細で敏感な体質で、
白血病治療での
孤独なクリーンルーム(無菌室)生活、
死への恐怖、
強い抗がん剤治療を受けて、
さらにその体質が強くなったと思う。

退院後も心身のダメージが深く、
社会復帰などなかなか立ち直れなくて、
これからこの世界でどう生きていけばいいか
苦しみ、もがき、悩んでいる中で、

救いを求めて精神世界、
スピリチュアルや心理学、
アダルトチルドレン、毒親、
機能不全家族、親子関係などの
本やネット記事などを
読み漁っている時期があった。

その中で、HSPという概念に出会い
エレイン・N・アーロン氏の本に出会った。

ずっと自分は心も身体も敏感すぎて、
音や匂い、肌の感覚など五感が鋭く
不快に感じることを訴えても、
なかなか理解してもらえず、

親や周りの人たちからよく
‘神経質’
‘気にし過ぎ’
‘他の人は誰もそんなこと言っていない’

などと言われて、
自分の伝えていることを信じてもらえず
“変わった人”
“面倒くさい人”
扱いを受けたりして

“何で誰もわかってくれないんだろう?”
“自分が気にし過ぎなの?”
“でも我慢できない程辛いのに”
と思っていた。

そして、自分の敏感体質が嫌になり、
もっと鈍感な体質に生まれていたら
どんなに楽だったかと思っていた。

だけど、HSPという概念に出会い、
自分だけではないのだということがわかり、
とても心が楽になって救われた。

そしてもう一つ、
そんな私の意識を大きく変えてくれた、
TEDのスピーチがある。

とても有名なスピーチなので、
知っている方もいると思うけれど、
もし、私のようにHSPで生きづらさを抱えている人がいたら、
何か参考になるのではないかなと思い、
ここに紹介したい。

スーザン・ケイン「内向的な人が秘めている力」TED Talks。

本当に出会えて良かったと思えるスピーチで、
ありのままの自分を受け入れて、
尊重してあげようと思った。

こちらももう8年程前のものだけれど、
当時私がよくチェックしていたサイトなどでも
話題となっていた。

スーザンは‘内向型’という表現を使っているけれど、内容的にはHSPの人にとても当てはまると思う。

スピーチの中にあるスーザンの言葉でこう語っている。

「静かで内向的なのは正しくない。もっと外交的な人間として認められるよう努力すべきだというメッセージをいつも受け取っていました。そして心の中で、そんなの間違っている。内向的なことに悪いことなんてないのにと感じていました」

この言葉にとても共感して、
私もずっと社会や周りの人たちから
そういうメッセージを受け取って
ありのままの自分でいることが
ダメなんだと思っていた。

スーザンの著書、『Quiet 内向型人間の時代―社会を変える静かな人の力』の中でも、
エレイン・N・アーロンのHSPのことにも触れられているので、
もし興味があれば、
こちらの本も読んでもらうと、
より深く分かると思う。

今の学校や社会は、
外向型をベースに作られていて、
内向型のタイプは、
苦痛を感じることが多い。

学校や社会でも、
明るく活発で、積極的に発言したり、
社交的であることが、
良いことのお手本のようになっていて、

大人しかったり、のんびりマイペースでいると、
そのままで良しとされず、
無理やり積極性や活発になることを求められて、HSPや内向型の人にとっては、
とても苦痛を感じてしまう。

私も一時期は、
自分を変えてみようと
無理して社交的になろうと振る舞ってみたけれど、
ただ疲れるだけで、
心から楽しいとは思えなかった。

そして、そんな風に
学校生活や社会生活に溶け込めず、
疲れてしまう自分はダメなんだと思っていた。

だけど、スーザンやエレインの考えに出会って、
とても共感して、
今まで自分が欠点だと思っていた、
内向的な面やHSPの個性を
ポジティブに捉えられるようになった。


内向型というと、暗いとか、
どこかネガティブな
イメージに捉えられがちだけど、

実際はとてもクリエイティブで
ガンジーやビル・ゲイツなど
世界で活躍している人にも多いという。

このスーザンのスピーチや本に出会えて、
彼女がとても素敵な女性で輝いて見えて、
私も自分のことをもうちょっと
認めてあげていいのではと思えた。

もう他の誰かのようになろうと、
無理して頑張るのを止めようと。

ありのままの自分に自信を持っていいのだと。

今でも、時々自分に自信がなくなったり、
生きるのが辛いと思うこともあるけれど、
あのどうにも自分を否定して
真っ暗闇の中にいた頃よりは、

少しは生きるのが、
楽になってきたかなと思う。

そしてスーザンが
この2012年のスピーチの中で
語っていたことが
本当に現実となってきている。

「さらに私を力づけている、感覚、信念、希望があります。それは、内向性や無口や孤独に対する、人々の態度が劇的に変化する一歩手前にあるということです」

と語っていて、当時はまだ
HSPや内向型の概念は
マイノリティで一部の人たちにしか
知られていなかったけれど

2020年の現在、HSPはまだ
マイノリティかもしれないけれど
あの頃よりもずっと
HSPや内向型のことが理解されてきたし、
自分自身が、そうであると認識して
発信する人も劇的に増えてきた。

本当にスーザンが
語っていた通りになっているなと。

私も時々、このTEDスピーチを観返して
勇気づけてもらい
スーザンが語っている3つの呼びかけを
自分にとっての大切なこととして
忘れないようにしている。

①絶えずグループ作業するなんて、狂ったことは止めて、一人で作業をする時間を持つこと。

②荒野へ出て行き、静かな時間の中で、啓示を受け取ること。

③自分の内側にあるものを、勇気を持って、この世界に見せていくこと。

生きづらさを抱えている人たちが
もっと自分に自信を持てて
生きやすい世界になっていきますように。

********

『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』

スーザン・ケイン(著),古草秀子(翻訳)

『ひといちばい敏感な子』

エレイン・N・アーロン(著),明橋大二(翻訳)

『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』

エレイン・N・アーロン(著),冨田香里(翻訳)

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