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【恋愛禁止ルールについて】元地下アイドルが思うこと

ここ数日、アイドルの「恋愛禁止ルール」の話題で持ちきりなので、元地下アイドルの私としての経験談・意見を書いておこうと思う。

そもそもアイドルって恋愛禁止なの?

そもそも、アイドルにおける「恋愛禁止」は事務所契約をする際に明記されていません。なにかの記事で読みましたが、これは人権問題にかかわってしまうから、ということが書いてありました。

契約書には「恋愛禁止」とは書かれていないのに、なぜそのようなルールが浸透してしまっているのか。

それは、【アイドル】という言葉の語源にあると思っています。


【アイドル】という言葉の意味

現代社会でいう【アイドル】は、「熱狂的なファンを持つ若いタレント」のことを指す言葉のようですが、元をたどると英語の【idol】から来ている言葉です。

【idol】という言葉には「偶像。崇拝される人や物のこと」という意味があります。

偶像(読み)ぐうぞう(英語表記)idola
1 木・石・土・金属などで作った像。
2 神仏をかたどった、信仰の対象となる像。
3 あこがれや崇拝の対象となるもの。「若者の偶像」
コトバンク


【アイドル】≒【idol】

【idol】という言葉が語源にあるからこそ、【アイドル】は偶像としての振舞いを期待されてしまう。という現実があるのです。

偶像とはいわば、神のようなもの。


アイドルは神じゃない

もちろん、アイドルを応援している人が全員「アイドル=神だ!」というような考えで推し活をしているわけではないだろうが、一部そのような考えで推し活をしている人がいるのも事実としてあります。

しかし、もちろんのこと、アイドルは神様ではありませんし、アイドルだって一人の人間です。


恋愛解禁?

「アイドル=神」という方程式が成り立たないのだから、恋愛を解禁するのか?と思う方もいらっしゃるかと思います。

そもそも禁止されていないのですから、恋愛を解禁するというのは、語弊がありますね。すみません。

このあたりの話になってくると、アイドルの事務所やそのファンが、アイドルの恋愛を受け入れられる・受け入れられないになってくるかとは思います。


ファンがあってのアイドル

しかし、この問題は本当はアイドル自身が考えるべき問題で、「アイドル=神」という方程式が成立している人が少なからずいる。という事実。

そして、ファンの人は「恋愛しててもチヤホヤされたいです!恋愛しながら夢が叶えば嬉しいです!」というアイドルと、「今は夢を叶えるということで精いっぱいで、恋愛をしている暇なんてありません!」というアイドルのどちらを応援したいと思うのか。

それを考えてみればおのずと答えが見えてくるものである。と元地下アイドルの私は考えています。


職業としてのアイドル

営業員であれば営業力、技術職であれば技術力。たいていの仕事は、周りの人に支えられてはいるものの、結局は自分の力が勝負になる仕事であると考えていますが、アイドルはそうではありません。


顔もかわいい、歌もうまい、ダンスもうまい、愛嬌もある。それでも売れないアイドルは星の数ほどいます。

アイドルは推してくれるファンの人がいて、初めて成り立つ職業なのです。

ファンの人が会いに来てくれて、パフォーマンスをみて1枚1000円のチェキを撮りに来てくれる。この、1000円のチェキがアイドルの収入源です。


交通費をかけてライブ会場に行ってパフォーマンスをし、その後約一時間の特典会に参加する。時間にすると約5時間~8時間の拘束時間で、ファンの人が来てくれなければ売上げがありませんので、1円にもなりません。むしろ交通費はかかりますし、運営さんが出してくれるとはいえ、ライブ主催側に支払う出演費もかかりますので赤字です。

普通にバイトした方が割がいいじゃん。って思う時もあります。
それでもステージに立ち続けるのは、待ってくれているファンの人がいるからであり、叶えたい夢があるからなのです。


「アイドルに生きる勇気をもらった」「アイドルと会うと元気がもらえる」そう言ってくれるファンの人もいます。

アイドルも同じようにファンの人からアイドルとして生きる勇気をもらいますし、元気をもらいます。

他の職業も同様ですが、与えるだけではなく、与えあうことのできる素晴らしい職業です。



話が脱線してしまいましたが、仕事としての生命線である、ファンの人を自ら手放すようなことを考えるアイドルはアイドルとしてのプロ意識が低いと言えると考えています。


これは、人によりけりだと思いますが。私としては、推しアイドルが恋愛していてもプロ意識を持ち続けているのならそれはそれで受け入れられるのではないかと思っています。

「恋愛していてもプロ意識を持つ」というのは、恋愛していたとしても隠し通していてほしい。ということです。これはファンとしてのエゴかもしれませんが。


かつてNMB48に在籍していた須藤凛々花さんは、AKB総選挙で突然結婚を発表しました。AKB総選挙で結婚を発表するという行為自体は到底評価できる行為ではありませんが、それまでに熱愛報道もされておらず、誰もが予測できない結婚でした。

これは、AKB界だけではなく日本のアイドル界に大きな衝撃を与えました。

付き合ってもない人と結婚をするという人は珍しく、きっと、お付き合いもしていたでしょうし、一緒に出掛けることもしていたでしょう。

しかし、それが一切ばれなかった。結婚発表直前まで週刊誌にも撮られていない。匂わせもしない。これは、須藤さんとしてのプロ意識だったのではないか。と私は思います。


それくらい徹底してくれるのであれば、恋愛してもいいじゃない!恋愛で磨かれる感性もあるはず!と考えるファンもいるのではないか。(少なからず私はそう思う)

まぁ、もっとも「バレよう。」と思って恋愛をするアイドルはいないとは思うが。


結論

「恋愛するなら隠し通せ」以上。

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