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ひかりをうけて発色するカーテン

誰が書いた文字かを覚えていること

今日、お手紙が届いた

はじめて頂戴するお手紙は他の誰とも違う
様々な方からお手紙を頂戴するけれど
皆さん他の誰とも違う
文字も言葉選びも全部

中学生くらいまでは、クラスの誰が書いた文字か
区別がついていたように思う
綺麗な字が好きなこともあるし、
人それぞれのデザインのようでもあるし、
性格や個性が現れ出てくるから
人の書いた文字を見るのが好きだった

それで気に入った、文字の個性をトレースして
自分の書く文字を変えていくのが好きだった
たとえば「ふ」とか「しんにょう」だとか
「な」とか「か」とかは何度もモデルチェンジを
してきた気がする

私のきょうだいも、両親も上手な字を書かない
(私の好みの文字ではない)
ある時、気づいたのはいつの頃からか両親の文字は
似ていて、先日母の文字を見た時に亡き父の存在を
思い出した
長く一緒にいるうちに似てきたのかもしれない
と思うと好みではなくても、愛着が湧く
家族としての感情

私と母の両方を知る数少ない知人に
「いつも休みなく動き回っているところが
りように似ているね」と言われたことを思い出した

ううん、そうじゃないよ
特定の人に対してしか一生懸命
動き回ったりしないよ
その言葉を伝えることは出来ていないけれど
それも分かって言ってくれたのかもしれない

今になってそれに気が付いた

誰かに覚えていてもらえること

在宅仕事をしながら、今日のタスクスケジュール
からすると電話がかかって来ないだろう
と、油断をしていると、見透かしたように
電話が鳴りだした

表示を見ると、前の部署でご一緒していた方だった
「その方の前での私」を思い出しながら電話に出る

今日出社しているかなあと思って連絡してみた
とのことだった
普段、私が席を置くオフィスにはいらっしゃらない
方だから、せっかく来たし会えたらいいな、と
思ってくださったよう
そんな風に誰かに存在を思い出してもらえたり
声を掛けてもらえることに驚きと感謝で
胸がいっぱいになる

就業場所が違うだけでなく、お互いに忙しいから
「今度ごはんに行こうね」と約束してから
何年も実現していない気がする
件の外出制限もあったことが原因のひとつ
でもあるのだけれど、別に社交辞令にしよう
と思っているわけではない
無理をしないでいることが、お互いに丁度良い
のだと思う

でも、そろそろ近いうちに実現させようと思う
いつ何がどう変わるのか、何が起きるかなんて
本当に分からないものだと思うから

見聞きする色々なことから、
ますますそれを強く感じる


たんなるにっき(その106)

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