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内田篤人選手の引退から考えるサッカー選手のウェイトトレーニング

こんにちは!
関東でS&Cコーチ兼パーソナルトレーナーとして活動する姉﨑 伸と申します。


最近は関わっていたチームの活動も再開して、チームスポーツはいいなぁと感じているところです。


旬を過ぎた話ではありますが、先月の8月23日にサッカーの内田篤人選手が引退されましたね。
内田選手と言えば、そこまでサッカーにハマっているわけではない人でも知っている人は多いのではないでしょうか?

サッカー少年だったぼくにとっては、シャルケ時代に「日本人がチャンピオンズリーグのセミファイナルのピッチに立ってる!」
と興奮したのを覚えています。

それだけ多くの日本人に影響を与えてくれた偉大な選手であることは間違いないでしょう。


ですが、キャリアの後半はドイツ時代に痛めた膝の影響もあったせいか、思い通りにプレーできる状態ではなかったと思います。
引退の報道を目にしたときは、
「やはり膝が痛かったのかなぁ?」
「思い通りにプレーできない自分と戦うことも減るんだろうなぁ」

というのが率直な感想でした。


引退後に出演したテレビ番組でこのように発言されていました。
「期待されていることは頭でわかっていたが、そういうところをプレーで表現できなくなってきた」
「抑えながらプレーしていることがつらかった」
「一生懸命にやっている仲間に失礼だと思った」

また別の番組では引退後の生活について、
「何したっていいんですよ、ケガしたっていい」
と発言されていました。

プロサッカー選手として本気でサッカーに取り組んでいた人にしか吐けない言葉だなと思いました。
われわれ一般人には到底理解できないレベルの発言です。


一連のテレビでの発言を聴いて、サッカー選手に関わる人間として思ったことが今日の内容です。



1.アスリートにとって一番重要なこと

あくまで個人的な意見ですが、サッカー選手に限らずアスリートにとって何よりも重要なのは「ケガをしないこと」だと思っています。

世の中のすべてのアスリートは「勝つため」にそのスポーツに取り組んでいます。

「勝つため」に練習したり、ウェイトトレーニングをしたり、食事を管理したり、身体のケアをしたりするわけです。

勝つためではなかったり、スポーツを楽しむことだけを目的にしている人たちはアスリートとは呼びません。


ケガをしてしまえば当然試合に出ることは出来ませんし、技術を高めるために練習することもできなくなります。

やりたいのにできないとか、本来ならもっとやれるはずなのに…という思いを抱えながらアスリート生活を過ごすのは何よりツラいことのはずです。

ぼくが指導しているチームにも、ケガをしてしまったことが原因でイヤな思いを抱えながらプレーしている選手がいます。

ある選手はとても足が速いのですが、過去に何度も下肢の肉離れを起こしており、全力でスプリントするのがコワいんですと言っていました。

またある選手は過去に複数個所をケガしており、復帰してはケガして、また復帰してはケガしての繰り返しで、ここ数年サッカーをしていて楽しいと感じたことがないと言っていました。

聴いていてとても心が痛くなりました。


このような選手が増えないように、指導者やトレーナー、トレーニング指導者は知識と実践経験を積み上げなければなりません。


2.練習以外の取り組みにどれだけ真剣になれるか

「勝つこと」を目標としているアスリートなら練習には当然真面目に取り組むでしょう。

しかし、ケガをしないためにはそれ以外の取り組みの方も重要です。

上述しましたが、

・ケガのしにくい身体作りのためにウェイトトレーニングなどに取り組む

・食事(栄養状態)を管理する

・身体のケアに気を遣う(治療に通う、セルフケアなど)

これらの取り組みの質をいかに上げられるかも重要となってきます。

ぼくはトレーニング指導者ですので、ウェイトトレーニングに取り組んでいないサッカー選手にはぜひとも取り組んでほしいと考えています。

適切なウェイトトレーニングが身体に及ぼすポジティブな影響は多大なものです。
ウェイトトレーニングをすれば、ケガのリスクを3分の1にすることができるというデータも出ています(Lauersen et al.2014)。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24100287/

適切なウェイトトレーニングに取り組むサッカー選手がそこまで多くないからこそ、差をつけられるチャンスとなります。


トップアスリートであればこれらのことに真剣に取り組んでいる人は多いかもしれませんが、学生サッカー選手で卒業後は競技を続けない人はそこまで真剣になれていない印象です。

ケガは程度にもよりますが、一生ついて回るものです。

ウェイトトレーニングに対する取り組みや考え方は、スポーツを引退した後でも健康や仕事にも活きるので、ぜひとも学生のうちから取り組んで欲しいと思っています。


3.まとめ

サッカー選手がケガをしないために必要だと思うことを書きました。

もちろんこれだけやっていれば大丈夫というものではないですし、これらのことに懸命に取り組んでいたとしてもケガをしてしまうのが競技スポーツです。

ケガをしたことのない選手にとっては現実味の無い話かもしれません。

一度でもケガした経験がある人にとっては、それまでできていたことができなくなることほどツラいものはないのです。

少しでも長く健康的なアスリート生活を送る可能性を高めるためにも、練習以外の取り組みを充実させましょう。

トレーニング指導者の視点で言えば、サッカー選手には良いトレーニング指導者と出会い、適切なウェイトトレーニングを学べる機会が増えることを願うばかりです。


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