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柔術教則レビュー「絞め技の教科書 上 青木真也 textbook of collar choke」

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は教則のレビュー。絞めをしっかり学びたい方にオススメです


青木真也選手の紹介

 修斗、PRIDE、DREAM、ONEで活躍したMMAファイター。寝技の技術の高さは世界でも評価されております。青木選手のことはここでは語り切れないのでこれくらいで。

内容紹介 (フローチャート)

1.送り襟絞めの基本
2.襟の握り方
3.手首の返し方
4.バックからの送り襟絞め
5.片羽絞め
6.亀からの送り襟絞め
7.スタンドからの送り襟絞め

1~3までが送り襟絞めの極め方、4~7は各ポジションからの極め方です。

 しっかりと送り襟絞めを細かく教えている教則は意外となかった気がします。「形はなんとなく知っている」「クラスで習ったような気がするけどうまくできない」みたいな人にうってつけです。

送り襟絞めのコンセプトから、襟の掴み方、手首の返し方、各ポジションでの位置取りなど細かいディティールがめちゃくちゃ勉強になります。

送り襟絞めのコンセプト・メリット(なぜ送り襟絞めなのか)

コンセプト

 青木選手が作中で言っていました

「送り絞めは最も使われるべき技術」

 背筋で引っ張る形で極める弓矢絞め(ボーアンドアローチョーク)が主流になっているが、これは相手の首のケガのリスクがあります、また技術の進歩を止めてしまいます。柔術をやるならしっかりと送り襟絞めを習うことで「手首の返しで絞める、相手を無駄に傷つけず絞める、力で強引にいかずに形を作って効率よく絞める、不完全な形で極めにいかずにしっかりとセットアップしてから絞める意識を持つ、バック以外のポジションや際(キワ)でも絞めを狙える、絞めの原理原則を理解して絞める」といったことを習得できます

メリット

・しっかりとセットアップできれば、最小限の力で効率よく威力の高い絞めとなる
・バックフックがなくても極められる、カメやスタンドやポジション移行時の際(きわ)でも狙える
・送り襟絞めをしっかりと身に付けることで絞めの原理を理解できて、絞め全般、柔術全般の技術の向上につながる
・手首の返しで頸動脈のみを攻めるので相手の首を痛めず極められる。相手をケガさせることなく制することができる技術。

向いている人

 だれでも。体格や手足の長さ問わず使えます。強いて言うならバックテイクができる人は使う機会が多いと思います。また、力任せになりがちな人は送り襟絞めを練習することで、力ではなくテクニックで絞められるようになるので向いてるというか、やるべきだと思います。

有効な相手

 だれでも。相手のパワーや体格問わず使えます。

相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技

・バックテイク、バックコントロール
・リアネイキッドチョーク
・腕十字

使ってみた感想

 今まで送り襟絞めを苦手としていて、スパーでも一本取れたことがなかったのですが、ようやく取れました。しっかりやれば威力が高い絞めだと実感しました。顎を引いていても極まります。

 今までボーアンドアローチョークに頼って、襟絞めのセットアップや手首の返しをおざなりにしていました。この教則を見てからは不完全な形から無理に極めにいくのではなくセットアップを重視するようになりました。

まとめ

 ついつい、引っ張るだけで簡単に極められるボーアンドアローに頼りがちですが、この教則をきっかけにしっかりと送り襟絞めを習得し、自分の技術を上達させていきましょう!

2023/12/21 アンディ

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