柔術家はバック・マウントエスケープが弱い?MMA選手はバック・マウントエスケープが強い?
今日も今日とて柔術は楽しい。11月は試合が3大会あります。気合です。試合のある週は練習を控えめにするため、思いっきり稽古できるのが今月いっぱい。今月はがっつりと練習のスパーを楽しみます。
今日はバックエスケープ、マウントエスケープについて。MMA選手と柔術をすることもあるので感じたことをまとめました。
1.バックエスケープ
バック2種類
まず、こちらを定義しておきます。
①完全バック
→完全にバックを取られた状態(4P入った状態)
②ニアバック
→両足フックが入っていないバック、四の字、シングルバック、サイドバック
MMA選手にとってのバックエスケープ
MMA選手にとってバックエスケープは重要です。
フィニッシュに近いポジションではあるものの、しのいだ先に逆転勝利があります。
柔術家にとってのバックエスケープ
柔術家にとってもバックエスケープは重要ですが・・・
ルールの特性上、柔術家はバック取られてから逃げてもそこから逆転するのは難しいため、それよりもバックを取らせない技術、ニアバックで止める技術が発達します。またバックから極めても極めなくてもバックを取った側の勝ちは変わらないことがほとんどなのでそこの攻防に時間をかけるメリットが少ないです。取られてから逃げるよりも取られない練習。
逆にMMAはバックを取られても極めさせずにエスケープして結果的に上になったらそれはテイクダウンやスイープを決めたのと同じような成果があります。バックエスケープでテイクダウンやスイープと同じ成果が得られるのだから、MMA選手がバックエスケープを熱心にやるのは効率的です。
2.マウントエスケープ
MMA選手にとってのマウントエスケープ
MMA選手にとってマウントエスケープは重要です。
柔術家にとってのマウントエスケープ
柔術家にとってもマウントエスケープは重要ですが・・・
バックエスケープと同様に、柔術家はマウントを取らせない攻防を重視して、MMAはそこからのエスケープが発達します。ただ、マウントの場合はバックと違って殴られるのですぐに逃げないといけません。
まとめ
バックとマウントのエスケープについて
柔術家は、「入らせない攻防が強い」
MMA選手は「入ってからの極めさせない攻防やエスケープが強い」
です。安易にラベリング、レッテル貼りするのはよくないですが、全体的にこのような傾向があるという話。
どちらがいいというわけではなく、ルールの特性上それぞれの技術が発展したという話です。
MMA選手は柔術選手とやるときにバックやマウントを取り切る練習をする、柔術選手はMMA選手とやるときに極めきる練習をする。お互いの得意と不足をぶつけ合うことで成長し合うことができます。
また、逆の視点で見ると柔術でのマウントやバックからの極めは追及している人が少なくブルーオーシャン的なところがあります。そこからの極めを強くしたら差別化できて自分の武器になります。試合で極めができたらトーナメントの体力を温存できるメリットもあります。柔術家は「マウントやバックを取ったらほぼ勝ちだから、そこからの極めはそんなにやんなくていいや」とならずにしっかりと極めを強くするとそれがいつか自分を助けてくれると思います。
余談ですが、柔術の場合エスケープした後は下になった方がいいことが多いです(特に軽量級の場合)。乱暴に言えば柔術は下の方が有利なので、柔術のバック・マウントエスケープはハーフに戻すやつのほうがいいと思います。バックから頑張って回転したり、マウントから死ぬ気でブリッジして上になってクローズドに入ったら最悪です。
2023/10/25 アンディ
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