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【サステナブルな働き方#09】生活の地にしごとの和をつなぐ

2017年1月に発足した&donutsプロジェクトは、2019年11月にプロジェクトの価値観をより端的に表現したいとの思いからブランドコンセプトを刷新しました。約1年が経過した今、広報を担当する柳尾が改めてコンセプト刷新に込めた思いを解説するとともに、活動4年目に入った今を語ります。

社内のプロフェッショナルが手掛けたプロジェクト

&donutsを運営するイノベーター・ジャパンは、ビジネスデザインカンパニーとしてマーケティング・デザイン・テクノロジーなど各専門分野のスキルを用いてビジネスの全体像を構想し、有形・無形の各種メディアを通して社会に新しい経済的価値を創出しています。

自社のロゴやコーポレートサイト制作をはじめとするブランディングはすべて社員が手掛けており、&donutsプロジェクトの構想、ブランディングも同様です。

今回行ったブランドコンセプトの刷新は、プロジェクト立ち上げ期から描いていた青写真をもとに3年間の実績を反映しつつ、これから人数や拠点が増えてもプロジェクトの価値観を共有・浸透しやすいよう、より的確でシンプルに表現するための取り組みでした。

コンセプト刷新を進めるにあたり、価値を言葉で定義するプロフェッショナルであるクリエイティブ・ディレクター(CD)のSHIGEさんの存在が不可欠でした。「関わる人の話を聞きながら輪郭から描き、こと・ものの良いところを抽出して表現する」と話してくれた通り、活動実績だけでなく関わるメンバーとの対話から練り上げてくれました。

&donutsらしさをシンプルに表現

そもそもブランドとは、放牧している牛などを識別するために「焼印を押す(brand)」ことに由来すると言われています。

&donutsが他と一線を画すもの。

つまり、&donutsらしさ ─── 。

●「仕事の集まるところに人を集める」のではなく「人が集まるところに仕事を移す」ことで、子育てやWワークなどで働くことに制限があるけれど高いポテンシャルを持つ人材が安心して活躍できる職住近接が実現できるプラットフォームを実現させたこと。
●完成したプロジェクトではなく、プロジェクトの発展はメンバーのミッションのひとつ。担当業務以外にもスキルや経験を活かして自己と組織の成長に取り組む。ヒエラルキーの組織ではなく、全員リーダーシップの自律組織だからやりがいを持てる。
●サテライトオフィスとは異なり、オフィス周辺で暮らす人たちを雇い入れることで、地域の雇用促進や経済循環にもなる。
●メンバーそれぞれのライフスタイルや価値観を尊重しあいながら、仕事と私生活との融合させるワーク・ライフ・インテグレーションがかなうこと。職住近接や柔軟な働き方も、それを後押ししてくれる。
●不確実性の時代と言われる中でも、ITやデザインの力を活用して課題解決をしながらサステナブルに働ける仕組みをつくれること。メンバーのライフステージの変化による働き方の変化にも柔軟に対応できる。
●個人のWill(やりたいこと)を共有し、自己成長していくことを応援しあう文化がある。失敗は新しい挑戦をした結果と捉え、失敗を恐れるよりも新たなチャレンジをたたえる。
などなど…

ついつい熱く語ってしまいましたが、長すぎて伝わらないですね。こういった特徴や思いを集約した新しいコンセプトが、

「生活の地にしごとの和をつなぐ」

お披露目の際に、「そうそう、これ!!」と心踊ったことは今でも鮮明に覚えています。分解してお伝えしてみます…

生活の地に
都心を囲む郊外であり、豊かな自然やゆったりとしたスペースを求めて家族と暮らすために選ばれた“生活の地”。そこに住み、フルタイム勤務や都心への通勤が難しいがために、本当にしたい仕事を諦めてしまった人がいる。その力は社会にとって重要な資産であり、再びイキイキと働ける場所が求められている。

しごとの
お仕事のこと。また“4つのこと“(ひと=生活者や働く人々・とこ=郊外〜首都圏の企業や地域という場・もの=商品・こと=体験やサービス)という意味も。

和を
・&donutsのコンセプトともなる都心を囲む環状の郊外

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・和える=素材ひとつひとつを活かしながら味付けによりひとつの料理としてまとまる。個々の素材が分からないくらいに混ぜ合わせるのではなく、メンバーの個性を活かし、掛け合わせることで起こる化学変化を楽しめるチームである。
・和やかな和の関係性や土地風土など、ウェルビーイング(well-being)な環境

つなぐ
それらを実現する場が&donutsというプラットフォームであり、私たちが人と場所、ものやことをつなげていく…。異なるものを掛け合わせる、それこそがイノベーションの源泉であり、さまざまな異を和えることで、新たな価値を創造するプラットフォームである。

生活の地にしごとの和をつなぐ ─── それが&donutsプロジェクトです。SHIGEさんが表現してくれた&donutsプロジェクトのメッセージも併せて紹介させてください。メンバーひとりひとりのストーリーが、そこに宿っています。

都市近郊の郊外という生活圏には、多様な人材たちがいる。
しかし、母や父となり、育児や介護、家族、住まい、
地域活動、ほかさまざまなライフステージをむかえる彼らは
社会と自分をつなぐ、新たな働き方を求めている。
そして、彼らが積み上げてきたキャリアは、
社会の大きな資産であることを忘れてはならない。

人や場所、物や事には、それぞれ個性という価値がある。
できること、足りないもの、環境や境遇、経験や能力。
違うからこそ、大事を成すため手をたずさえる。
ひと、とこ、もの、こと、を和えること。それは和の文化。
それはときに世界をも変える価値さえもたらす。

この生活の地から、その和をまあるくつなげよう。
そんな価値観のもと、わたしたちは集う。
家族とともに、この地とともに、働いていく、生きていく。

余計なものを削ぎ落として本質を残す。当事者たちの高い温度感を含ませながら、一般的に伝わる磨かれた言葉で表現する。

SHIGEさんと一緒に仕事をすると、原点に戻って本当に大切なことを思い出したり、会話を重ねて考えが深まる中で意義や価値を再認識できます。世界観がより洗練されて可視化できたことで、新しく迎えるメンバーにもコンセプトを共有しやすくなりました。ブランディングの力ってすごいですね!

新しいロゴは正円で「共創の精神」を表現

&donutsのロゴも、SHIGEさんにリニューアルしてもらいました。

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新しいロゴは、正円で構成されています。究極のシンプルモチーフである正円をつないだデザインには、都心を囲む都市近郊やそこで暮らす人々の家族の和、コミュニティを表しています。

さらに、当プロジェクトの構想にインスピレーションを与えてくれたデンマークの「コレクティブハウス」*の子どもたちや家族を取り囲む人々の和の存在も含んでいます。
(*)北欧の国々で実践されている、入居者同士が子育てや家事等を皆で分担しながら共同生活を行う仕組み

ひと・こと・もの・とこの和をつないで異なるものを掛け合わせることでイノベーションが起きて社会にポジティブな影響を与えていく。それをビジュアライズしたロゴは、日本の禅や北欧のミニマリズムのような本質以外を全て削ぎ落としたシンプルなデザインを取り入れています。

個人的には、最近「紋は正円と直線の二つだけの要素で成り立っている。極限まで削ぎ落とされた二つの形だけが作る世界」と知った時に、このロゴと共通していると思いました。日本のデザインは美しいですね。

メンバーで成し遂げたコーポレートサイトのリニューアル

併せてコーポレートサイトもリニューアルしました。&donutsでWebデザインを担当するメンバーにワイヤーやデザインを作成してもらい、各ページごと担当チームと打ち合わせながら進行しました。

そして、ひと目で伝えることができる大切なビジュアルについては、フォトグラファーの忠地七緒さんにお願いしました。彼女の掲げるミッションの中に「目の前の人にふわりと寄り添い、ありのままの魅力を引き出し撮影」とありますが、まさにこれを体験させていただきました。

撮影中の声がけがとても優しく、撮影に慣れないメンバーたちをその気にさせ、恥ずかしい気持ちの奥にある自然な表情を引き出してくれました。そして、等身大でありながら内に秘めた魅力を写真に収めてくれました

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最近入社したメンバーは、&donutsに関心を寄せた理由のひとつが写真だったと話してくれました。「人は偽りでハッピーな表情はできない。幸せに働く様子と仕事への熱意が伝わってきた」と。

関わってくれた誰一人として欠けたら、今のコーポレートサイトには仕上がっていなかったと実感しました。忠地さんは「いま」の「わたし」を残してくれるフォトサービス「It’s me!」も展開されていらっしゃいますので、いつか個人的にもお願いしたいと思うほど素敵なご縁となりました。

活動4周目に入りました

&donutsプロジェクトの構想は2016年の夏に始まりましたが、オフィスを構えた2017年1月16日を発足日としています。おかげさまで発足4周年を迎えることができました。

子育てや介護、ダブルワークが理由でフルタイムの働き方が難しかったり、郊外の生活圏から往復2時間以上の満員電車で疲弊したり、災害で帰宅難民になる体験をして夫婦共に都心の通勤になることをリスクと感じたり、…さまざまな理由で本当にしたい働き方や仕事を諦めた経験を持つメンバーたちが、自分らしく働き続けることをかなえるために集ったプラットフォーム。

それは、コロナ禍にも柔軟に対応できるしなやかさを持つ組織へと育っています。先行きが不透明な中、2020年は準備の年となりましたが2021年は新しい取り組みを積極的にも挑戦していきたいと考えています。組織としての方向性だけなく、個人の今年の抱負にもそれが現れているように感じております。

最初の挑戦として、1月29日に初のオンラインイベントを開催しました。こちらについては、改めてレポートいたします。まだ理想への道半ばではありますが、これからも何卒よろしくお願いします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。またお会いしましょう!

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あなたのポテンシャルや積み上げてきたスキルを活かせる環境です。