僕たちなりの地域農業の維持のさせ方【前編】
山口県長門市で総合建設業をしている安藤建設は、本業である建設業の他に、水産養殖業や畜産・農業、外食業、介護事業などを長門市内で展開しています。
▽ 安藤建設公式ホームページ
その中で、畜産・農業の分野は、
関連会社の農業生産法人アグリランドミスミにて
管理運営を行なっています。
▽ 長門市と萩市との境の山の中に牧舎がある
事業内容は、畜産業、つまり牛を育て出荷することです。
現在では、およそ150頭近くの牛を飼育している。
現在の事業内容は、畜産と農業ですが、
昨年より本格的に農業分野に進出しました。
農業分野で事業を確立させることは当社にとって悲願でありました。
しかし、進出してすぐは当初のイメージとは真逆のいくつかの壁が立ちはだかり、農作業をする中でたくさんの貴重な学びを得ましたが、その中でも2つの重要な学びをご紹介します。
①畑仕事の大変さ
畑仕事は機械化が進んでいるので、トラクターに乗って田畑を耕し、田植え機で稲を植え、収穫期にはコンバインで刈り取る…ような、実際には機械メインでそこまで身体行使せずに済むじゃん!と思っていました。
しかし、実際にやってみると、想像を絶するほど“細かい”作業ばかり。
畑の中の小石拾い(トラクターの刃が破損する)や畦の草刈り(伸びると周りの農家さんからのプレッシャーが凄い)、それに肥料を撒いたり、水路が詰まると掃除したり…実際にやってみると教科書に載っている畑仕事以外の細かな仕事の大変さを痛感しました。
▽ 畑の中のおびただしい数の小石。まずは小石を1つずつ手で拾う作業から始める。
そして、なによりきつかったことが、
1人で全ていないといけない辛さ
でした。
他の仕事みたいにチームでやったり、他のパートナー企業とタッグを組んでやるのではなく、採算を合わせようと思ったら1人でやるしかない。
それに、ただでさえ作業量が多いのに、
天候によってやろうと思ってた作業が止むなく中断せざるを得なかったり、
せっかく植えたところが次の日見てみるとイノシシ🐗に掘り返されてたり…_| ̄|○
プライベートでやる分には然程気楽でも良いが、
これで生計を立てようと思うと、
畑仕事は身体的にも精神的にもハードな仕事です。
改めて、70を過ぎても現役バリバリで作業される
先輩農家の方々の凄さを身に染みて感じました。
②地域で作られるお米は、
「ヒト用」ではなく、「家畜用」だった
近年、「お米離れ」とよく言われるが、
それなのに僕らが食べる用のお米を作り続けてて
大丈夫なのだろうか?と始めた頃にふと思いました。
しかし、地域で作られてたのは、
大部分が
家畜のエサにする「飼料米」
であることが分かりました。
飼料米は、養鶏業よニワトリの餌となったり、
その藁は牛の餌にもなります。
なぜ、食用米ではなく「飼料米」なのか?
それは飼料米を栽培した田畑の面積に合わせて、
補助金が出るためです。
(補助金交付には条件がある)
なるほど。皮肉な話であるが
ヒトが食べる用のお米を作るよりも、
家畜用のお米を作ったほうが
確実に収入が得られるのである。
人口が減り、お米を食べる人まで減ってくる中で
こうして何とか地域で農業をする仕組みが守られていることが分かりました。
ただし、僕たちは民間企業であり
補助金頼みだけだと経営できません。
これでは地域農業を存続させるという目標も
途中で頓挫してしまいます。
そして考えた末にようやく昨年末
僕たちなりの答えと方向性が固まりました。
それが
畜産 × 農業
で「地域農業」をリードする
ことです。
具体的には、
収益の柱となるのは、畜産事業の牛の出荷による収入で、
それで会社の大半の売上を立てる。
一方、牛の飼育にかかるコストとして大部分を占めるのが牛が食べるワラや牧草などの「飼料費」つまりエサ代です。
そこで、そのコストを削減するために
自社で農地を所有し、牧草や飼料用の稲の自社栽培を始めることにしました。
そうすることで大きなメリットが2つあります。
1つ目は、
先に述べた補助金です。
これまで仕入れていた飼料代を減らし、耕作した面積の補助金が入ることで、コストの削減と収入増大の2つを成し得ることができます。
そして2つ目は、
年々増加している休耕田を牧草用の農地として
甦らせることができることです❗️
たしかに、高単価野菜を栽培し、付加価値を付けて販売する戦略もあるのはあるが、それは規模の経済で、特に今衰退が加速度的に進み休耕田が増えている地域は、どこも面積が小さく、形が歪で、水の引きが悪く、農地に適していないところがほとんどです。
しかし、
牧草の場合、水の引きが悪くても、少々荒れている土地でも栽培することができます。
昨年11月にタネを撒いた牧草地に、
今、牧草が少しずつ伸びてきています。
この4月には腰の高さまで伸びた牧草たちが
あたり一面生い茂り、いよいよ休耕田がリバイバルする‼️
以上【前編】をお読みいただきありがとうございます。
続きの【後編】では、より具体的な事業モデルについてご紹介します。
▽続きはこちら
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
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