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カミングアウトをされたら

前回、アウティングは命を奪う、と記事を書きましたが、じゃあどうしたらいいの、ということで今回は、実際にカミングアウトをされたら、について書いていきます。

どうも、元女子、いまパパのこうがです!
僕ついては、元セーラー服の自己紹介からどうぞ

カミングアウトを受けたあとアウティングをしてしまうまでの思考として、カミングアウトを受けた人が誰かに相談をしたい気持ちや、どのように反応をすれば良いのかが分からない、といった問題もあると思っています。良かれと思って、のアウティングも実際に起こっています。

僕がカミングアウトをした際の相手の反応で、嬉しかったことや、悲しかったことなど実際の体験談をまぜながら、書いていきます。

(この記事は2579字です。約6分くらいで読めます。)


基本的には、カミングアウトは人間関係を構築したい相手に対してするものだと僕は捉えています。嫌いな相手や関わりたくない相手にわざわざ自分のプライベートを話さないのと同じで、知ってほしい、という気持ちや、関係構築をしたい表れであると思うのです。
ただ、職場や病院など、必要に迫られてカミングアウトをする場合も多々あります。


面接でのカミングアウト

過去の転職活動では、履歴書の性別欄は、男性に丸をつけて応募していました。
カミングアウトをするのは書類選考を通過した後、二次試験の面接の場面です。当時、ホルモン注射によって見た目や声は男性化していましたが、未手術だったので戸籍上は女性でした。そのこともあり、採用となれば女性の戸籍であることを伝える必要がありました。

また、履歴書の文面から知るセクシュアルマイノリティである僕ではなく、直接会って、僕自身を見てから採用判断をしてもらいたい、そう思っていました。

ある企業の会社で面接をしていただいた採用担当の方は、人事部の女性の方で僕のカミングアウトに対して、とても正直な反応でした。
面接序盤で、『1つお伝えしなければいけないことがあるのですが、宜しいでしょうか。』と切り出した時は、(え、なんだ。前科でもあるの?)みたいな顔をされました。そりゃそうですよね、急に何を言い出すんだ、と思ったと思います。

僕は、性同一性障害で戸籍上が女性であること、ホルモン注射を打っているから見た目が男性化していること、今後戸籍変更をする予定があること、社内でトランスジェンダーであることを公表してもしなくてもどちらでもいいこと、存在としては男性として扱ってくれたら嬉しいこと、などを話しました。

それらのカミングアウトに対して、え、そうなんですか!とかへー!とか、そんな風に終始驚かれていて、この人ずいぶん正直な人だなぁと思ったことを記憶しています。この反応が良いとか悪いとかよりも、知らないことを知った事実を、素直に表現したこの方に対して、僕は悪い気はしませんでした。

そうしてひとしきり驚いた後は、『話していただいて有難うございます、私は当事者の方に初めてお会いしたのですが、きちんとお話ししていただいたことで、〇〇さん(僕)のお人柄がよく分かりました』と満面の笑みで言われ、嬉しかったほどです。

その後結局、採用、入社に至ったのですが、入社後は、セクシュアリティに関する公表については本人の望む通りにするということを人事部から伝えられました。当時僕は、むやみにカミングアウトをすることで周りに気を遣わせるのは悪いかもと思っていたため、直属の上司のみ知っている状態でした。


分かったふり、は要らない


他にも幾度となくカミングアウトをしてきましたが、必要に迫られた場合でも、話してくれて有難うと言われることで、話して良かったと感じます。

友人として、知人として、僕自身を知ってほしくて話している場合は特に、どういう感想なのか、何を考えているのかが気になったこともあります。ですから、カミングアウトを受けて驚いたのならば、そう言っていいと思います。

ジェンダーとしてどう接してほしいのか、例えば、今のままの呼び方で良いのか。やめてほしいことはないか。周囲には、誰が知っていて、どこまで話して良いのか、気になったことは聞いても良いのか、触れられたくない話題はあるのか、など、疑問があれば聞いてみましょう。
分からないことを、分かったふりする必要は全くありません。


LGBTというワードが認知されてきたからこそ、当事者は、そういう人たちと捉えられている側面もあります。女ってこういう生き物、男ってこういう思考と言われても、人によるのですから。LGBTQ+だってそうです。

あなたにカミングアウトをしてきた、その人と会話をしてください。

そうなんだね、と伝えれば良いです。
うまい言葉や、優しい言葉をわざわざ探す必要もなく、知らないことを知った事実を受け止めれば良いです。

これこそ関係構築の一歩目だと、僕は思います。


余計なひとこと


気を利かせようとして、余計なことを言う人がたまにいます。
知り合いに当事者がいてそいつはナヨナヨしてる、とかゲイの友達はみんな明るい、とか。知人の性同一性障害は神経質だけど、君はさっぱりしてるね、とか。

知りません、他の方のことは。

悪気はないのだと思います。ウェルカムだよ、と言いたいのかもしれません。ですが正直、空回ってます。それは、悲しいですよ。

なので、カミングアウトを受けて、無理に言葉を探す必要はありません。
しいて言うなら、話してくれて有難う、とだけ言えば良いのです。そして出てくる疑問は、本人に聞けば良いのです。

ただし、リスペクトの気持ちは持ってください。親しければ親しいほど、相手へのリスペクトは必要です。これは、LGBTに限らずそうでしょう。

教育現場や、社内でのLGBTに関する勉強会は、単に単語に意味を教えるのではなく、非当事者である自分自身がどう捉えて、それをどう表現するのか、その方法を持っているのか、を学ぶ場であるともっと良いと考えています。自己対話を通して、コミュニケーションは生まれるでしょうから。


今回はこの辺で終わります。
最後まで読んでくださり、有難うございました!


SOGIハラってなんですか?には、LGBTQ+に関連するハラスメントに関する内容を書いてます。
良かったら読んでみてください。

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