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【3-2 (1)】呼吸器系 - 咽頭・喉頭 解説

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【3-2 呼吸器系 - 咽頭・喉頭】
第3章 呼吸器系 資料配付ページ(プリント・スライド)
【3-2(1)】咽頭・喉頭 解説(このページ)
【3-2(2)】咽頭・喉頭 一問一答
【3-2(3)】咽頭・喉頭 国試過去問

【3-3 呼吸器系 - 気管・気管支】

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− 学習のポイント −
1. 咽頭(詳細は消化器系で学ぶ)

2. 喉頭
輪状軟骨:喉頭の土台、C6の高さ , 甲状軟骨:喉頭隆起, 披裂軟骨:対をなす, 喉頭蓋軟骨:弾性軟骨
声帯筋:披裂軟骨 ⇄ 甲状軟骨/反回神経(迷走神経)支配


■1. 咽頭

口蓋、咽頭・喉頭-SQ図

咽頭は呼吸器系と消化器系の共通路として空気や食物の通路となります。
・咽頭は咽頭鼻部、咽頭口部、咽頭喉頭部の3部に分けられます。

- 咽頭鼻部:鼻腔に続く部分。多列線毛上皮。
- 咽頭口部:口腔の後ろ。重層扁平上皮。
- 咽頭喉頭部:喉頭の後ろ。重層扁平上皮

・咽頭は、輪状軟骨-第6頚椎を結ぶラインより下から食道に移行します。

※ 咽頭は消化器系でもまた解説しますので、呼吸器系ではこの辺にしておきます。

■2. 喉頭

▶ 喉頭を構成する4種の軟骨

喉頭-プリント用-図
呼吸器系-32-喉頭の軟骨-表だけ

・喉頭は4種類の軟骨が靱帯と多くの小さな筋で結合してできています。

💡ポイント💡
甲状軟骨
- 喉頭隆起を形成 
- 総頚動脈分岐部は甲状軟骨上縁の高さ
- 甲状腺は甲状軟骨の前下面
輪状軟骨
- 喉頭の土台。輪状軟骨と甲状軟骨、輪状軟骨と1対の披裂軟骨が関節を形成。
- 第6頚椎の高さ
- 食道狭窄部(輪状軟骨狭窄部)を形成
(咽頭筋が輪状軟骨に付着しているため)
披裂軟骨
- 対をなす
- 声帯の緊張度や開き具合を調整し、発声に関与
喉頭蓋軟骨
- 弾性軟骨
- 嚥下の際に喉頭口を閉じ、食べ物飲み物が喉頭内に入るのを防ぐ

▶ 甲状軟骨

呼吸器系-32-甲状軟骨のポイント-SQ

先ほどあげたように、甲状軟骨は
・甲状軟骨は喉頭隆起をつくる
・総頚動脈分岐部は甲状軟骨上縁の高さ
・甲状腺は甲状軟骨の前下面
がポイントです。図で確認してイメージ化すると忘れにくくなります

▶ 輪状軟骨・披裂軟骨と喉頭蓋軟骨

呼吸器系-32-輪状軟骨と披裂軟骨、喉頭蓋軟骨のポイント-SQ

こちらは輪状軟骨、披裂軟骨、喉頭蓋軟骨の図です。
輪状軟骨はC6の高さが重要です。

呼吸器系の場合は、輪状軟骨までが喉頭で、その下は気管と構造がまったく違いますが、消化器系の場合は、咽頭と食道の間には明確な違いがありません。そこで輪状軟骨と第6頚椎を結んだラインを境に咽頭は食道となります。
脊柱 - 咽頭 - 喉頭
  ↓   ↓  ↓ (第6頚椎-輪状軟骨)
脊柱 - 食道 - 気管

また、輪状軟骨は食道第1狭窄部(輪状軟骨狭窄部)をつくります。
下咽頭収縮筋(輪状咽頭筋)が輪状軟骨に付着しているため、咽頭・食道間が締めつけられて細くなっています。

披裂軟骨は対をなすことが重要です。声帯の緊張度や開き具合を調節し、発声に関わります。

弾性軟骨は弾性軟骨でできています。嚥下の際に喉頭口を閉じることにより誤嚥を防ぎます。

▶ 声帯の構造

呼吸器系-32-声帯のみ-図-横幅調節

💡ポイント💡
声帯靭帯 + 声帯筋 = 声帯(声帯ヒダ)
声帯: 披裂軟骨前端 ⇄ 甲状軟骨後面

声帯は1対の披裂軟骨から甲状軟骨にかけて張る、弾性のある膜に覆われたふたつの筋肉のヒダにより構成されます。

声帯筋を始めとする喉頭の筋群の作用によって、輪状軟骨 - 披裂軟骨の関節と 輪状軟骨 - 甲状軟骨の関節の動きが生じ、声帯の開き具合や緊張度が変化することにより、様々な声がでます。

※ 発声に関わる喉頭の筋は迷走神経の枝、反回神経によって支配されています。反回神経麻痺により嗄声(ハスキーボイス)が生じます。
※ 声帯筋は地声を出すときに作用し、声帯靭帯は裏声を出す時により働きます。

▶ 声帯の位置

呼吸器系-32-声帯の位置-SQ図-表記あり

喉頭の内部(喉頭腔)には、前庭ヒダと声帯ヒダの2つのヒダがあります。
前庭ヒダは仮声帯とも言われます。声帯ヒダがいわゆる声帯です。

前庭ヒダの上は喉頭前庭
前庭ヒダと声帯ヒダの間は喉頭室
声帯ヒダの下は声門下腔

▶ 参考)喉頭の筋と作用

呼吸器系-32-喉頭の筋と簡易表-SQ-図

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