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【3-1 (1)】呼吸器系 - 鼻腔・副鼻腔 解説
↑ 解剖学マガジン記事一覧(目次)
【3-1 呼吸器系 - 鼻腔・副鼻腔】
第3章 呼吸器系 資料配付ページ(プリント・スライド)
【3-1(0)】鼻腔・副鼻腔 学習プリント
【3-1(1)】鼻腔・副鼻腔 解説(このページ)
【3-1(2)】鼻腔・副鼻腔 一問一答
【3-1(3)】鼻腔・副鼻腔 国試過去問
→ 【3-2 呼吸器系 - 咽頭・喉頭】
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− 学習のポイント −
1. 鼻腔
鼻中隔(鼻中隔軟骨、篩骨垂直板、鋤骨)、上・中・下鼻甲介(下鼻甲介は独立した骨)、上・中・下鼻道、
総鼻道(鼻甲介と鼻中隔の間)
鼻粘膜(多列線毛上皮)、キーゼルバッハ部位、嗅粘膜
2. 副鼻腔
前頭洞・上顎洞・篩骨洞・蝶形骨洞(含気骨)
・鼻腔の後上方:蝶形骨洞 ・上鼻道:後篩骨洞 ・中鼻道:左記以外の副鼻腔 ・下鼻道:鼻涙管
▶ 呼吸器系とは
![呼吸器系-31-呼吸器系の全体像-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43336033/picture_pc_0531f7e18f465a22ab7c2a0c287601ee.jpg?width=1200)
・呼吸器系は外呼吸を営む器官の集まりで、外鼻・鼻腔・咽頭・喉頭・気管・気管支・肺より構成されます。
・呼吸器は空気の通る気道とガス交換を行う肺に分けられます。鼻腔〜喉頭までを上気道、気管より下を下気道といいます。
・成人の安静時呼吸数は1分間に15〜17回、1回換気量は約500mlで、1分間に約8㍑の空気を出し入れをします。
▶ 外鼻
![呼吸器系-31-外鼻の構造-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43344718/picture_pc_f081408ee13649f2b552eff777b1dcbb.jpg?width=1200)
・いわゆる鼻は外鼻といい、鼻根、鼻背(はなすじ)、鼻尖(はなさき)、鼻翼(こばな)からなります。鼻の穴は外鼻孔といいます。
・外鼻の支柱は上部では骨(鼻骨、上顎骨の前頭突起、前頭骨の鼻部)よりなり、下部では鼻軟骨よりなります。
■ 1. 鼻腔
※ ここでは鼻腔を構成する骨学についても述べています。教科書を理解するために、図を多く用いてイメージ化できるようにと作成していますが、はじめから骨までも全部覚えようとすると大変です。
※ 情報が多くて混乱してきたら、さらっと読み進めて一問一答や国試過去問をぜひやってみてください。情報が整理されてきます。
![呼吸器系-31-頭蓋骨と鼻中隔・鼻甲介-(詳細)SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43345103/picture_pc_2c2b85fa90d9db78d3aeaf41624d9b35.jpg?width=1200)
![呼吸器系-31-頭蓋骨と鼻中隔・鼻甲介-(簡易)SQ簡易図だけ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43345410/picture_pc_eb0b42c8bcb1c9382fa36466eead2357.jpg?width=1200)
頭蓋骨を前面からみると、鼻腔の前面が梨状口という形で大きく開いています。外鼻は軟骨が主体となってできているので、火葬などで軟骨が無くなった場合には、このように見えます。
鼻腔を左右に縦に仕切っているのは鼻中隔といい、手前が鼻中隔軟骨、奥が篩骨垂直板よりなります。また、鼻腔は外側から3つの鼻甲介(上鼻甲介・中鼻甲介・下鼻甲介)がひさしのように迫り出して来ています。(この図では上鼻甲介は見えません)
▶ 鼻腔の外側壁
こちらは正中よりやや左側の矢状面より、左の鼻腔の外側壁をみた図です。
![呼吸器系-31-鼻腔の外側壁-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43360656/picture_pc_621e80e2a64cefb867ce5afb10191214.jpg?width=1200)
・鼻前庭:外鼻孔の近く。重層扁平上皮
・鼻粘膜:鼻前庭の奥。多列線毛上皮
・外鼻孔:鼻腔の入り口
・後鼻孔:鼻腔の出口、咽頭に続く
▶ 鼻腔の外側壁を構成する骨
![呼吸器系-31-鼻腔の外側壁を構成する骨-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43383436/picture_pc_7af84a554fec9878633cc7068a820254.jpg?width=1200)
こちらは、鼻腔の外側壁を構成する頭蓋骨です。
鼻腔の外側壁からせり出す3つの鼻甲介のうち、上鼻甲介と中鼻甲介は篩骨の一部ですが、下鼻甲介は独立した骨です。各鼻甲介の下に、鼻道がつくられます。(上鼻甲介の下が上鼻道、中鼻甲介の下が中鼻道、下鼻甲介の下が下鼻道)
▶ 鼻腔の内側壁と咽頭・喉頭
![呼吸器系-31-鼻腔の内側壁と咽頭-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43381057/picture_pc_4be7eb7b2951c73867c581cc0f278eae.jpg?width=1200)
こちらは正中よりやや左側の矢状面より、左の鼻腔の内側壁をみた図です。
・鼻中隔:鼻腔の内側壁。鼻腔を左右に仕切る
・外鼻孔:鼻腔の入り口
・後鼻孔:鼻腔の出口、咽頭に続く
・口蓋:鼻腔と口腔を仕切る
- 硬口蓋:上顎骨+口蓋骨
- 軟口蓋:粘膜と筋肉
▶ 鼻腔の内側壁を構成する骨
![呼吸器系-31-鼻腔の内側壁を構成する骨-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43381734/picture_pc_e24a3e6211e20c98d4f5ee9c938004b4.jpg?width=1200)
鼻中隔は前部が鼻中隔軟骨、後上部が篩骨垂直板、後下部は鋤骨よりできています。鼻腔と口腔の境界は口蓋で、前が硬口蓋、後が軟口蓋です。さらに硬口蓋は前が上顎骨(口蓋突起)、後ろは口蓋骨(水平板)よりなります。
▶ 鼻腔の構成(まとめ)
![呼吸器系-31-鼻腔の構成-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43383148/picture_pc_79f9ebb4c9fc82078164f26cd4be0681.jpg?width=1200)
<鼻腔の構成>
上壁
・篩骨篩板
下壁(口蓋)
・上顎骨口蓋突起
・口蓋骨水平版
内側壁
・鼻中隔軟骨(前方)
・篩骨垂直板(後上方)
・鋤骨
外側壁
・上顎骨
・涙骨
・篩骨(篩骨迷路、上鼻甲介、中鼻甲介)
・下鼻甲介
・口蓋骨垂直板
・蝶形骨翼状突起内側板
▶ 鼻粘膜
<鼻腔の区分>
![呼吸器系-31-鼻腔の区分-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43384965/picture_pc_c6f19817afcb4d45a267552540d41bd9.jpg?width=1200)
・外鼻孔から奥へ2cm程、鼻毛の生えた部位は鼻前庭といい、重層扁平上皮の皮膚の続きです。
・鼻前庭より奥の鼻粘膜は多列線毛上皮です。
<キーゼルバッハ部位>
![呼吸器系-31-キーゼルバッハ部位-SQ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43385256/picture_pc_dd7e7bf9667cfbbaa10b7a38860e53d2.jpg?width=1200)
・鼻粘膜は血管に富み、多くの鼻腺があります。
・鼻中隔の前下端で、外鼻孔に近い鼻粘膜は毛細血管が集まり、鼻出血を起こしやすい部位です。(キーゼルバッハ部位)
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