【3-1 (1)】呼吸器系 - 鼻腔・副鼻腔 解説
▶ 呼吸器系とは
・呼吸器系は外呼吸を営む器官の集まりで、外鼻・鼻腔・咽頭・喉頭・気管・気管支・肺より構成されます。
・呼吸器は空気の通る気道とガス交換を行う肺に分けられます。鼻腔〜喉頭までを上気道、気管より下を下気道といいます。
・成人の安静時呼吸数は1分間に15〜17回、1回換気量は約500mlで、1分間に約8㍑の空気を出し入れをします。
▶ 外鼻
・いわゆる鼻は外鼻といい、鼻根、鼻背(はなすじ)、鼻尖(はなさき)、鼻翼(こばな)からなります。鼻の穴は外鼻孔といいます。
・外鼻の支柱は上部では骨(鼻骨、上顎骨の前頭突起、前頭骨の鼻部)よりなり、下部では鼻軟骨よりなります。
■ 1. 鼻腔
頭蓋骨を前面からみると、鼻腔の前面が梨状口という形で大きく開いています。外鼻は軟骨が主体となってできているので、火葬などで軟骨が無くなった場合には、このように見えます。
鼻腔を左右に縦に仕切っているのは鼻中隔といい、手前が鼻中隔軟骨、奥が篩骨垂直板よりなります。また、鼻腔は外側から3つの鼻甲介(上鼻甲介・中鼻甲介・下鼻甲介)がひさしのように迫り出して来ています。(この図では上鼻甲介は見えません)
▶ 鼻腔の外側壁
こちらは正中よりやや左側の矢状面より、左の鼻腔の外側壁をみた図です。
・鼻前庭:外鼻孔の近く。重層扁平上皮
・鼻粘膜:鼻前庭の奥。多列線毛上皮
・外鼻孔:鼻腔の入り口
・後鼻孔:鼻腔の出口、咽頭に続く
▶ 鼻腔の外側壁を構成する骨
こちらは、鼻腔の外側壁を構成する頭蓋骨です。
鼻腔の外側壁からせり出す3つの鼻甲介のうち、上鼻甲介と中鼻甲介は篩骨の一部ですが、下鼻甲介は独立した骨です。各鼻甲介の下に、鼻道がつくられます。(上鼻甲介の下が上鼻道、中鼻甲介の下が中鼻道、下鼻甲介の下が下鼻道)
▶ 鼻腔の内側壁と咽頭・喉頭
こちらは正中よりやや左側の矢状面より、左の鼻腔の内側壁をみた図です。
▶ 鼻腔の内側壁を構成する骨
鼻中隔は前部が鼻中隔軟骨、後上部が篩骨垂直板、後下部は鋤骨よりできています。鼻腔と口腔の境界は口蓋で、前が硬口蓋、後が軟口蓋です。さらに硬口蓋は前が上顎骨(口蓋突起)、後ろは口蓋骨(水平板)よりなります。
▶ 鼻腔の構成(まとめ)
▶ 鼻粘膜
<鼻腔の区分>
・外鼻孔から奥へ2cm程、鼻毛の生えた部位は鼻前庭といい、重層扁平上皮の皮膚の続きです。
・鼻前庭より奥の鼻粘膜は多列線毛上皮です。
<キーゼルバッハ部位>
・鼻粘膜は血管に富み、多くの鼻腺があります。
・鼻中隔の前下端で、外鼻孔に近い鼻粘膜は毛細血管が集まり、鼻出血を起こしやすい部位です。(キーゼルバッハ部位)
ここから先は
かずひろ先生の【徹底的国試対策】解剖学
あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師をはじめ、柔道整復師、理学療法士・作業療法士や看護師、医師を目指す方々の解剖学国家試験対策のマガジ…
私の知識やスキルなどが、どこかの誰かのお役に立てることはとても嬉しいことです。ありがとうございます。