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#27 そういえば伯母。

週末。
意を決して弟夫婦の自宅を訪問することにした。
彼らは転勤の為、最近になってお隣横浜に引っ越してきた。
「意を決して」の理由。
それは、私の子供嫌い疑惑を確定させてしまうのではないかという
自分の中で決着させたくなかった事実と
向き合うことになるかもしれなかったからだ。
彼らには来春から幼稚園に通う予定の長男と
今年の夏に生まれたばかりの次男がいるが
長男に会うのは3年ぶり、次男に至っては初見。
各種お祝いは郵送で。
お年玉は銀行振込みで。
ドライの極みに伯母としてどうかと思うが
そもそも「伯母」という響きが気に入らない。
なんて色気もセンスも可愛げも感じない肩書きなんだろう。
なんかもっとましな呼び名はないのか。

遡ること3週間前。
出張で2年振りに実家に帰ってみたら
リビングは写真館の如く「孫たち」の写真で埋め尽くされていた。
コーヒーを飲みながら写真を目で追う。
なんの感情も湧かない自分にやっぱりなと思いながら
目線をコーヒーに戻す。
周りに「私ったらおばバカなの〜♡」という人が多く
自分との温度差を目の当たりにしてきたので
コーヒーを見つめながらうーんとなる。
私には血縁関係故の無償の愛情というものは
標準装備ではなさそうだ。と。

そんな事を思い返しながら電車に揺られる日曜日。
数時間を甥っ子たちと過ごした結果
行きと同じ感情で帰りの電車も揺られる私。
結果、可愛いかったし
子を育てている弟夫婦、特に義理妹のことは
心から尊敬するが
やはり私にとって、子供という生物は異次元すぎた。
毎日毎秒一緒に居るなんて、まじで凄すぎる。
「意を決して」乗り込んだ結果
子供嫌いではないが(むしろ先方は好きそう)
特別好きでもないというところに着地した。

彼らが大人になり、一緒に歩いたり食事したり
会話をするような時が来たときに
人間として好きであればいいや。
別に急いで好きになる必要なんてないか。
そう思いながら、そんな日が来たら
なんか楽しそうと思った自分に、ちょっと期待している。


いつか一冊の本に・・・ どうかお力添えくださいませ。