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#24 別れ際の美学

いよいよ明日で9年間勤めた会社とお別れ。
全然実感はないが
ここ数週間着々と退職に向けての準備が進んでいた。
出勤日が少なくなるにつれ
今日で会えるのが最後、なんて人も当然出てくるが
そういう時に、人としての在り方が出るなと感じてる。

たとえば、私の上司。
異動前から知っていてサシ飲みできるくらいの仲だけど
わたしが退職する理由はほぼこの方といってよいほど
上司としては尊敬出来ず、口だけで行動しない人なんだが
案の定の最終日だった。
私が上司なら、9年間勤務してきた従業員が退職する、
そして出社して会えるのが最終日だとわかっているならば
たとえ気に入らなくても
労いの一言くらいかけるのが上司としての役割だと感じているが
この人に至っては一切なかった。
残念な人は、どのシーンでも残念。
それが立証出来ただけでも今後のためによかったってことで。
反面教師と思って終了することにした。

うってかわって、同じフロアで働く別の部署の女性。
実際一緒に働いた期間は短く
彼女が産休に入る前に1ヶ月少し、そして戻ってきてからは
まだ数週間しか経っていない。
時々雑談をして笑って、みたいな間柄だったが
「あるくさん、お世話になりました」と
お手紙と素敵なギフトを手渡してくれて、驚いた。
今日で会えるのが最後だと彼女が把握していたこと、
小さな子供がいて忙しい中、どこかで私のことを考え
ギフトを選んでくれていたということに
じんわり嬉しく感動した。
さりげない、でも確実に愛情を感じる行動。
こういう人になりたいな、と思わせてくれる人が周りにいる事実に
ちゃんと覚えておきたいことは刻まねばと思う朝。

こういうことって、男女の中でもあてはまるのだろうか。
ふとそう思って、別れてきた男性たちとの最後を思い出そうとするも
どうやら脳が拒絶しているのか、全く思い出せない。
(一人前はキョーレツ過ぎて無かったことにしてる)
今の彼と別れる時はどうなるのかな・・・・
多分、あっさりだろうなぁ。
2月に一度別れかけた時の彼を思い出す。
悲しかったな、もうそれだけ。
最近すっかり「一緒に生きてる感じがしない」彼に
私の気持ちもすっかり変化を見せている。
親友に打ち明けたところ全力で
「違う、絶対に今じゃない」
と言い切られてしまった。
確かにわたしは転職を考え出したのを機に
断捨離モードにずっとギアが入っているから
それもあってのアドバイスなのだけど。

そもそも美しく別れる、なんて無理なのだろうか。
仕事でも恋人でも。
お互いが全くおんなじ温度感で扱っていない限り
どっちかは「あぁそんなものだったんですね」
と思ってしまうものなのかしら。
どっちにしろ、別れは苦手。でも出会うのはやめられない。
生きるって、矛盾に溢れてる。


いつか一冊の本に・・・ どうかお力添えくださいませ。